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短編のお部屋

クリーンヒット

作者: スタジオ めぐみ

僕はもうダメかもしれない。

この家に来て、2年。

捨てられてしまうかもしれない。

靴はボロボロ。体も汚れている。

目は霞んで良く見えない。

喉が詰まる感じもする。

体調不良だけど、今日も仕事する。

捨てられないように。

最近は、お腹が空いて家に帰る途中、力尽きてしまうんだ。

だけど、いつも目が覚めてると家にいるんだ。不思議。


「最近、ルンバ調子悪いよね?」

「うん…家に帰ってくるとルンバ探すからな。」

「今日は和室の真ん中で力尽きてた。」

「新しいのお迎えする?」

「え…ヤダ。疲れてるだけ、明日良く見てみるから。」


次の日。

ルンバくん、かなり汚れてる…。

乾いた雑巾でボディをゴシゴシと拭く。

ダストボックスもいつもより綺麗にした。

ルンバの中どうなってるんだろう?

あれ、なんか詰まってる。

ダストボックスに繋がるところにテープみたいなゴミが挟まっていた。

ルンバの中も外も綺麗にした。

タイヤが減ってるけど、タイヤ交換できるのだろうか?


夕方。

誰もいないこの部屋を掃除するのが僕の仕事。

あれ、目がよく見えるし、体が軽い。

喉の詰まりがなくなってる。

僕はまだ働けそうだ。

靴だけがボロボロのままだけど。


「ルンバ、今日は自分で充電場所まで行けたよ。あと、タイヤボロボロになってきたけど、タイヤ交換できる?」

「タイヤ交換…できるだろうか。部品あればね。」

部品あるといいな。


今日も我が家のルンバは働く。いつもより元気に。

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― 新着の感想 ―
[一言] 丁寧に扱われていれば長生き。 命も、機械も。 これからも頑張ってね、自動掃除機ロボットくん
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