真夜中の水溜まり
「僕はどう思われているんだろう」
「そんなの決まってる。ゴミ以下さ。」
「そうか。」
「そうだ。お前は誰からも愛されないし、気付いてもらえない。」
「僕に対するみんなの本音はいなくなって欲しいなんだろうな」
「ご名答。お前だって、近くにゴミがあったら捨てたくなるだろ?」
「でも僕は」
「やめろ。やめておけ。変な希望を持つな。いつか裏切られる。」
「僕は何をしている?」
「味方がいないから、私を作り上げてやり場のない気持ちを私に押し付けようとしている。」
「僕は弱いのか。」
「弱いとも。それもとてつもなく。」
「なぜ、僕は相談をしようとしないんだろう。なぜ、僕はこの気持ちをしまいこんでいるのだろう」
「相談?馬鹿げたことを言うな。あんな定型文の塊の何が面白いのか。あんな定型文だけで気が休まるやつは相当の幸せ者だ。」
『大丈夫』
『安心して』
『気を強くもって』
『頑張って』
「相談したってこういう単語や文章しか帰ってこない。」
「なら、この気持ちは」
「自分でどうにかしろ。すべてを私に押し付けようとするな。」
「明るい未来」
「なんだそれは。子供の頃に捨てた夢か?」
「暗い道」
「そうだ。お前にはその言葉がぴったりだ。」
「今の僕には」
「今のお前も未来のお前も何もできない。ただ手足をばたつかせてもがいて生きていくだけだ。生きているかどうかは知らないが。」
「そうか。」
「そうだ。」
「子供の頃の夢は」
「もうとっくに捨てたんだろ?今さらゴミだ。見る必要はない。」
「僕は何をしているんだろう。」
「少しでも共感を集めようと、有るわけのない希望を持ちながら、もがくように自分の気持ちをここに書いている。」
「全部本当か」
「嘘はない。」
「希望は」
「最初からない。」