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平和な魔王は静かに暮らしている……はず。  作者: ぬるま湯
始まりの物語
8/19

落ち着いた日々

コロナ怖いですね。まだまだ気を付けて過ごしましょう。

 墓守ちゃんと城に帰った後、ミスィーに墓守ちゃんのことを説明した。

当の墓守ちゃんはメイドたちに気に入られているらしく、城に着くなりどこかの部屋に連れていかれた。


『さて、風呂だな!』

リェナスの日々の楽しみだもんね。もう何も言わないよ。

『おお、どうしたのだ?いつもエロ魔王!と叫んでいたのに』

なに言っても変わらないから諦めたのよ。毎日毎日メイドをとっかえひっかえして、よく飽きないわね。

『うむ。みんな違ってみんないい!呼ばないとメイドも困惑するしな』

洗脳、いや調教だわ。エロ魔王恐ろしい。

『というわけで、今日はメイドの相手よろしく頼むぞ』

…え?なに?相手って、なんでよ!?いつも通りリェナスがやればいいじゃない。

『タイムリミットみたいでな。今日はもう表には出られなくなる。だから、な?』

な?じゃなくて。活動時間はどれくらい増えたのよ。

『半日くらいだな。ちなみにフィスの身体も魔法に慣れてきたぞ。そのうち魔法を教えてやろう』

あ、ありがとう。そっか、半日ね。確かに今日はそれくらい動いてたかも。でも、出られないんだったら私が説明すれば納得するんじゃないの?

『メイドの明日のコンディションにも関わってくるので却下だ。なあに、我がいつもやっているようにすればよい。いつも見ているであろう?始めれば身体が自然と動くさ』

なにそれ。覚えもないことを私の身体が記憶してるの?なんてことしてくれているのよ!

『がんばれ』

この魔王は……はぁ。たまにはゆっくり入りたい。

リェナスの言葉に従いミスィーと共に浴場に向かう。最近ミスィーとゆっくり話す機会がなかったので話せたらいいなと思いつつ浴場の入り口を開ける。すると中から楽しそうな声が聞こえてくる。

脱衣所にいたのは墓守ちゃんとメイドたちであった。当然、裸である。同時に私はリェナスの言葉を思い出す。

「墓守の肌は了承を得てから見ないと死霊に激怒されるぞ」

うわぁ…死ぬんだ、私たち。

「フィー、これやばいやつじゃぁ…」

「たぶん、私はリェナスでもあるから大丈夫だと思うけど。ミスィーは…」

「そこは説得してよ!」

などと言い合っている間に墓守ちゃんがこっちに近づき、私に手を伸ばしてくる。

ああ、私はお墓でのミスィーのように、もしくはそれ以上に骨を折られるんだと思いながら目を瞑った。

だが感じられたのは浮遊感でも痛みでもなく、やさしく柔らかな手の感触だった。

恐る恐る目を開くと、眼前には裸の墓守ちゃんの笑顔があった。

「りぇなすさま、いっしょにいこ」

え、墓守ちゃんの声かわいい…。

「えー!墓守ちゃん喋れるの!?」

先に驚きの声を上げたのはミスィーだった。

「しつれい。ちゃんとしゃべれる」

「なになに、墓守ちゃんが喋れるってことは死霊はここにいないの?」

ミスィーの質問に墓守ちゃんはコクコクと頷く。

「じゃあいっぱい話ができるね!ちょっと待っててすぐに脱ぐから」

と言いながらバサッと一瞬で服を脱ぐミスィー。ミスィーの勢いにびっくりした墓守ちゃんは私の後ろに隠れてしまった。

「ミスィー、墓守ちゃんが怖がってるよ。少し落ち着きなさい」

「そうだね、じゃあ先に入ってるから」

興奮が抑えられないのだろう。あのままだと墓守ちゃんに何をするかわからない。先に入ってくれてよかったよ。うん。

とりあえず墓守ちゃんへの危機は去った。

「ありがと、りぇなすさま」

「違うよ。私はフィース。今はリェナスじゃないの」

「じゃあ、りぇなすさまはどこにいったの」

「今は中で考え事してる。なにかあったら出てくるでしょ。用事があるなら呼ぶけど」

「りぇなすさまのじゃまはしない。きになっただけ。……ックシュン!」

「あらら、ごめんね。冷えちゃうから先に入って。すぐに行くから。メイドさんおねがい」

「かしこまりました。では行きましょう、墓守様」

「うん…」

なぜ墓守様?という疑問を抱きつつ服を脱ぐ。魔族の服は翼を通す穴があるのだが、私はいつもそこでもたもたしてしまう。ミスィーの脱衣スピードは異常だと思う。

さて準備も完了。いざお風呂へ!

ガラガラと扉を開けるとなぜか拘束されお風呂に沈められそうになっているミスィーの姿があった。

「フィー!たすけて!」

「魔王様、止めないでください。ミスィー様は墓守様に手を出そうとしたのです」

「なにもしてないよぉ!墓守ちゃんの肌すべすべって言っただけじゃん!」

「いえ、同時に手を伸ばしていました。きっとすぐに破廉恥行為に移っていたに違いありません」

「したとしても腕とか触るだけだよ。女の子同士なら普通!スキンシップだよ!」

「だとしても墓守様に許可を取るべきです」

などとやり取りしているが…長い付き合いだ。私には、ミスィーに邪な気持ちがないのはわかる。

しょうがない。助けてあげるか。

「死なない程度にねー!」

「フィー‼」

「かしこまりました」

ドボンッとミスィーはお風呂の一番深いところに投げ入れられた。

さあ、怖がっている墓守ちゃんを慰めにいこう。と思ったが少し離れたところで墓守ちゃんはクスクスと笑っていた。

「大丈夫?ミスィーに変なことされなかった?」

「はい、だいじょうぶです。でも…」

「でも?」

「いつもこうなるんです。だれにたいしても、めいどさんたちはまもってくれるんです。かんしゃはしています。でも、ひつようのないときもあって、、かほごなんです。だから、なかよくしたくてもできなくて…」

これは……。リェナスの仕業か?

『違う。なんでも我が原因と考えるのはやめてほしいな。あれはメイドたちが勝手にやっていることだ。守ってやれと命令はしていない』

そうなんだ。

『墓守について説明はしたが、それだけだ』

じゃあ、メイドさんたちの勘違いとかかな。

『かもな。手っ取り早いのは墓守とメイドで話してやめさせることだな』

そうだね。墓守ちゃんはメイドさんといる時間が少ないだろうし、改めて会話の機会をあげよう。

「墓守ちゃん、今言ってたことメイドさんに伝えよう!誰か一人に言えば全員に広がるはずだから」

「え?う、うん。でもうまくできるかなぁ」

「大丈夫だよ。だめなら私が助けてあげるから」

墓守ちゃんにそう言うと、会話の機会を作るためにミスィーを沈めているメイドを呼ぶ。

「墓守ちゃんの身体を洗ってあげて。あと、話があるみたいだから」

「かしこまりました。では、こちらにお座りください墓守様」

「よ、よろしくおねがいします」

がんばれ墓守ちゃん!

さて、沈められたミスィーを回収しますか。

ザバーッと引き上げるとミスィーはゲホゲホと水を吐き出す。

「ありがとう。あと少し遅かったら死んでたかも」

「これに懲りたら行動を改めましょう」

墓守ちゃんの邪魔にならないように少し離れて身体を洗ってもらう。

墓守ちゃんの様子を見てもまだ話せていないようだ。もう少し待ってみよう。


どうも私です。遅いなんてものじゃないですね、すみません。自粛中に進めればよかったのでは?って思いますよね。その通りです。言い訳はしません。こんな私ですが、今後ともよろしくお願いいたします。

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