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平和な魔王は静かに暮らしている……はず。  作者: ぬるま湯
始まりの物語
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特別な目

お待たせしました!

「いつから気付いてたの?」

リェナスの城に戻った私たちはお風呂で体を洗われながら話をしていた。

今日の出来事についてミスィーに気になることがあったようだ。

「ミスィーに目を見て話せと言った時だな。過去に何度か似たような目を見たことがあってな」

「パパから聞いたんだけど、この目は見た相手の使う魔法の系統がぼんやりと色分けされて見えるモノなんだって」

「ああ、とても貴重で役に立つのだ。過去に似たような目を見たといったが…酷いものだった」

「酷いって?」

「そいつは魔族でありながら人間の国で暮らしていたのだ。我の友人だ。いつも笑顔で人間も魔族も関係ないと、そう言って子供も授かって幸せそうだった」

「それが酷いにはならないね」

「ここから先だ。そいつの子供に角が生え始めた。人間と魔族のハーフで何もかもが中途半端に発現していた。最初はよかった、周りには理解者ばかりだったから。ある日、そいつの子供が人間貴族に見つかった。醜い、汚い、化け物。人間は権力者ほど差別意識が強いんだ。相手が子供であろうとなかろうとやることは同じだ。言われた子供は何をしたかわかるか?噛みついたんだよ、権力者に。子供なら自分を制御できなくて当然、なんて考えはないんだよな。世界が自分を中心に回ってると思ってる権力者には」

「それで、その子供は?」

「殺されたよ。じっくりと時間をかけて、苦痛を与えられ続けて」

「でも、母親がいたじゃないか。助けに行かなかったのか?」

「あいつも母親だ。夫と一緒に助けにいったさ。だが失敗した。あいつにとって最悪な失敗だった。我が子を目の前にして、安堵し笑顔を向けた瞬間、子供の首を刎ねられた。その時、人間様は笑っていたそうだ」

「そうだって、リェナスは行かなかったのか?」

「行かなかった。というより行けなかった。いや、もっと悪いな。知らなかったんだ。言い訳だな、もっと方法はあったのだがな」

「ごめん、続けて」

「怒り狂ったあいつは貴族様とその関係者全員を殺した。その時、あいつの目は特別になり見えるようになっていた。『初めて見るがなんとなくわかる』と魔道具からの魔法も、相手がなにをしてくるかも一つの情報からすべて予測できたそうだ」

「その人の目とこれが同じだっていうの?」

「聞く限りではな。そして人間の国で罪を犯したあいつと夫は捕縛されあらゆる情報を吐かされた。用が済み、夫は処刑され次はあいつの番、ではなかった」

「どういうこと?」

「人間はあいつの目を軍事利用したのさ。お得意の魔道具で弄って都合のいい兵器にして戦場に送り出した」

「な、そんなこと…」

「できるんだよそれが、人間には」

ここまで聞いてなぜ魔族が人間を恐れるのか、和平が実現しないのかがわかった。

その一連の事件で魔族全体が人間に対して怒りを覚えたからだ。私たち魔族は仲間意識が高い。仲間の痛み、苦しみを自分も受けていると思えるほどに。

「で、その送り出された戦場で我とあいつは再開した。我にとっては人間のつくる魔道具など関係ない。秒で人間の王につけ返してやった。あいつは解放されたが精神は崩壊し毎晩我の胸で泣いておった。今ではなんとか回復して我の城で静かに暮らしている」

「え!?ここにいるの!!」

「ああ、そのうち会わせてやる」

話の流れ的に死んじゃってると思ったわ。

『生きているさ。魔族は寿命が長いからな。三食しっかり食べて、運動して、寝ればどんなに精神状態が悪くとも生きていられる。まあ、自分から命を絶つとどうしようもないが』

最長で何年生きていられるんだろう。

「さて、長々とすまなかったな。メイド2人がのぼせてしまったようだ。そろそろ上がるとしよう」

「あのさ、のぼせたんじゃなくてリェナスが話しながら遊んでたからぐったりしてるんだと思うよ?」

「つい癖でな。仕方がない仕方がない。おっと活動限界が近いな。あとはフィスに任せる。ではな」

はあぁ。あんたね、私の身体で遊びすぎよ。

『よいではないか。久しぶりなんだし、我ずっと我慢してたんだし』

だからって十数回もビクビクさせてたらかわいそうじゃない。

『喜んでおったが…』

うるさい!黙れ!エロ魔王!!

どうも~私です。最近夕方からグッと気温が下がって寒く寒くて、いや~毛布引っ張り出したね。え?服?半袖だよ。温度差激しいから風邪ひかないようにね。ではまた次回。

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