十六節 決着が着きました
「ガハッ」
口から血を大量に吐き出し、俺はうつ伏せに倒れた。
「お前には期待していたんだがな」
黒兜は俺に背を向け、両手を空へ上げた。
「そこで全ての世界が終わる瞬間を見ているがいい」
黒兜は呪文を唱え、ブラックホールを呼び出した。
ブラックホールは他の世界にも現れ、エレルギーを吸収しながら巨大化していく。
「ハハハ。これで全てが終わる!」
横たわり、薄れゆく意識の中、黒兜の笑い声が響いた。
「一郎、しっかりしろ」
リベラルの呼ぶ声で俺は目を覚ます。
気付くと、精神世界に立っていた。
「俺、死んだのか?」
「まだだ」
「そうか。でも、究極開放でこのザマだ」
「だから、まだ終わっていない」
「手も足も出なかったじゃないか!」
俺はリベラルの言葉に怒りを露わにする。
「奥の手が残っている」
「本当にあるのか?」
「命を落とし、魂も消滅するかもしれないが」
「世界が消えるよりはマシだ」
俺は右拳を握りしめながら言った。
「わかった。なら、私と合体するんだ」
「合体?」
「それで究極解放を超えた力を出せるはずだ」
「何でもやってやるさ」
「もうすぐだ、ハハハ」
「終わらせてたまるか」
ブラックホールを見て笑っていた黒兜は、ゆっくりと後ろに振り返る。
「まだ生きていたのか」
「お前を倒すまでは死ねるか」
俺は覚悟を決め、リベラルからの言葉を叫んだ。
「神器一体、着装。〈精霊合体、超究極解放!〉」
天まで突き抜けるような輝きを放ち、鎧は虹色になった。
「フハハハ。最高だ」
鎧の輝きを見た黒兜は、上機嫌な様子で笑った。
《自分じゃないみたいだ》
【合体したことで、極限まで力を引き出せるはずだ】
《おし、とっとと終わらせてやる》
俺は一気に間合いを詰め、黒兜を殴り飛ばした。
「フー。やっと全力で戦えるようになったか」
黒兜も全身に闇のオーラを纏い、一瞬で殴り返してきた。
「ウォォォーーーーー」
俺は黒兜の拳を軽く受け止め、無数の拳を撃ち返した。
「ガバッ」
「本当にこれで最後だ」
俺は両手を前に出し、エレルギーを全開にした。
「〈精霊合体奥義、究極精動砲!〉」
虹色の輝きを放つエレルギーが黒兜ごとブラックホールを撃ち消していく。
「ハハハ。本当に最高だ!」
黒兜は最後まで笑って消えていった。
「終わった・・・・・・」
変身が解け、ボロボロの姿で俺は仰向けに倒れる。
「良くやったな、一郎」
「お疲れ様、一郎」
魂が始め、死を感じた俺の視界にカミシアと夕が立っていた。
「え、何で・・・・・・お前達」
「私達だけではない。皆、いるぞ」
そう言ったカミシアの後ろに一郎が行った異世界の人々が立っていた。
「お前の無事を願う声が聞こえたのでな」
優しく微笑むゼバブが言った。
「皆が分けてくれた魂を受け取るが良い」
温かい日の光を放つ球体を、ゼバブが俺の胸にそっと当て入れていく。
「あったけぇー」
「何をとぼけた声を出している」
いつの間にか人型になったリベラルがツッコミを入れる。
「うるさいよ」
お決まりのなったリベラルの小言に、腹立ちながらも少し嬉しげに俺は言い返した。
行き当たりばったりな
異世界冒険に
お付き合い頂き
ありがとうございました。
今度異世界モノを
書く機会があれば
今回の反省を踏まえて
お届けしたいと思います。




