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十五節 黒兜との決闘が始まりました


《一瞬でも気を抜いたら死にそうだな》


キーアをカミシアに任せて、俺は黒兜の城にやって来ていた。


【闇の魔力が充満しているからな】


《久々にRPGのラスボスって感じの展開》


俺は緊張のせいか理由はわからないが興奮していた。


「待っていたぞ」


突然、黒兜の声が聞こえてきた。


「姿を見せずに話し掛けんじゃねえよ」


ドキッとした恥ずかしさを隠すように俺は怒鳴った。


「中に入れ」


黒兜は俺の言葉を完全にスルーする。


「無視かよ」


俺はブツブツ言いながら中に入った。




「何だここ、暗いな」


中に入ると、黒兜の魔法で玉座の間に瞬間移動していた。


「本当に長かった」


巨大な台座に炎が灯され、玉座に座る黒兜が現れた。


「待たせて悪かったな」


俺は吐き捨てるように嫌味を込めて言った。


「勇者としての名を捨て、同等の力を秘めた者を待って数百年」


《勇者?数百年?何を言っているんだ?》


黒兜の思わぬ言葉に疑問だらけになってしまう。


「リベラルに訊いてみろ」


俺の心を読んだ黒兜があざ笑うように言った。


《どういうことだよ》


【奴は初代の勇者だ】


重い口をゆっくり開くようにリベラルは言った。


《初代って死んだはずだろ》


「確かに一度死んだ。だが、魂となった私は長い年月を掛けて闇の肉体を手に入れた」


リベラルへの問いにまた黒兜が答える。


「復活した私は、全てを壊すことにした」


「は?何でだよ。あんた、勇者だったんだろ」


「勇者だからだ。どの異世界に行っても争いがあり、守ることが無駄だと悟った」


「だからって、壊す権利ないだろ」


「止めたければ、私を倒せばいい」


玉座から立ち上がり、黒兜はエレルギーを全開で解放した。


「口で言っても駄目か」


俺も最初から究極解放で勝負に出た。


「ウォォォーーーーー」


俺はいきなり全力で黒兜に斬りかかった。


「フッ」


残像が見える音速の動きで黒兜は俺の背後に回って蹴りを放つ。


「ぐはっ」


俺は城の壁を破って外に放り出されてしまう。


「終わりだな」


「まだ始まったばかりだろ」


少しフラつきながら立ち上がり、俺は宙に浮かぶ黒兜を睨んだ。


「いいや、終わりだよ」


そう黒兜が言った瞬間、俺の胸は貫かれていた。

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