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十四節 キーアを取り戻しました

「待っていろキーア」


俺は黒い渦へ飛び込んだ。


《真っ暗で何も見えないな》


【闇の世界への入り口というやつだ】


《来たことあるのか?》


【初めてだが、ゼバブ様に聞いたことがある】


《そうか。それで、どうやって行けばいい?》


【羅針盤に祈りながらエレルギーを込めろ】


《わかった》


俺はリベラルに言われるがまま、祈りながらエレルギーを込めた。


すると、羅針盤から光の線が飛び出した。


《何か出てきたぞ》


【その光がキーアの元へと導いてくれるはずだ】


《わかったら》


俺は光の線の指す方向へと歩いて行った。




光の線に導かれるままたどり着いた場所は黄泉の世界と似ていた。


《何か体が重く感じるな》


【闇の魔力の影響で鎧に負荷が掛かっているからだろう】


《鬱陶しいな》


【来るぞ!】


俺がだるそうに肩を交互にぐるぐる回していたらリベラルが叫んだ。


「くそ、何も見えないぞ」


激しく舞う黒色の嵐で視界が塞がれてしまっていた。


「久しぶりだな」


嵐が止んで目を開けると、黒兜とキーアが立っていた。


「キーア!」


「・・・・・・」


前と同じようにキーアは俺の呼び掛けに無反応だった。


「やれ」


黒兜に言われ、キーアは駆け出して斬りかかってきた。


《何か方法はないのか?》


俺はキーアの斬撃を避けながらリベラルに訊いた。


【体内にある闇の核を撃ち抜けば自我を取り戻せるかもしれない】


《どうやって?》


【羅針盤を弓矢に変形させるんだ】


《わかった》


俺はキーアを蹴り飛ばし、羅針盤を左手に握りしめながら弓矢をイメージして構えた。


「究極解放!〈精霊の一矢〉!」


赤いエレルギーが弓矢になり、俺は狙いを定めてキーアへ放った。


「いっけーーーーー」


目映い輝きを放ち、矢はキーアの心臓にある核を撃ち抜いた。


「キーア!」


膝から倒れていくキーアを俺は駆け寄り受け止めた。


「・・・・・・」


返事は無かったが、キーアの息づかいが聞こえた。


「まあまあ面白かったな」


黙って見ていた黒兜が軽く拍手をしながら言った。


「この野郎」


「俺はあそこにいるから、そいつを置いて出直して来い」


黒兜は真っ黒な城を指差して言うと、空間に闇の裂け目を作り消えて行った。


「黒兜、お前だけは許さないからな・・・・・・」

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