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十二節 賢者の石を使ってみました


「さあ、チャチャッと終わらせますか」


クリア共和国に戻ってすぐ、俺は何十万という魔族を前にワクワクしながら肩を回していた。


「勇者め、今日こそは負けないわよ」


大軍をはさんで、マルードがブツブツ独り言を言っていた。


「じゃあ、早速試してみようかな」


俺は鎧の窪みに賢者の石をはめ込んだ。


「神器!究極解放!」


凄まじいエレルギーが俺を中心に一気に爆発した。


【一発で決めてしまえ!】


賢者の石をコントロール出来るか心配してリベラルが言う。


《わかってるよ》


俺は言われるまでもないという感じで構えた。


「〈究極奥義!破滅砲!〉」


広がったエレルギーが賢者の石に集約され、手の平から大砲のように飛び出していく。


「うおぉぉぉぉぉーーーーー」


俺は、凄まじい反動をぐっと堪えて魔族達を蹴散らした。


「ふー。やっぱりキツイな」


乱れた息を整えながら、俺は鎧を通常の状態に戻した。


「相変わらずメチャクチャしてくれるわね」


じとーっと、俺を睨んでマルードが現れた。


「メチャクチャなの好きだろ」


「好きじゃないわよ」


軽くボケてみたら、マルードがヒステリックに叫んだ。


「キーアを返してもらうぞ」


スッと真顔になって俺は言った。


「残念ね。この世界にはいないわ」


ざまあみなさいと言いながらマルードがフッと笑う。


「どこにいるんだ!」


「黒王様の城よ」


《黒兜か・・・・・・》


強さの底がわからない黒兜に対して、俺は少し不安になった。


「じゃあ、俺行くから」


「行かせないわよ」


歩き出そうとした先にマルードが光線を撃ち込んだ。


「やっぱダメ?」


俺はふざけた顔でマルードを見た。


「今日は遊びなしよ」


マルードが手を挙げると、巨大な虎型魔獣が現れた。


「仕方ない。相手しますか」


頭を掻きながら、俺は魔獣へ近づいて行く。


「やってしまいなさい!」


金切り声でマルードが魔獣へ命令した。


「グオァーーーーー」


ありきたりな吠え方で叫ぶ魔獣が襲い掛かる。


「お疲れ様」


俺は容赦なく闘神拳を放った。


「覚えてなさいーーーーー・・・・・・」


魔獣ごと飛ばされたマルードの声が空に木霊した。

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