四節 メタルナイトが現れました
「ギィィィィィ」
倒したター○ネイ○ー集団の残骸がバチバチと音を鳴らし合体していく。
「ブリキ!出来るだけ離れていろ」
「わかった」
嫌な予感がした俺はブリキを遠ざけた。
「ギ、ギ、ギィィィィィ」
呻き声のような機械音を響かせる塊は百メートル程の巨人と化していく。
「ったく、何でいつもこうなるかな」
「シュシュシュ、シャーーーーー」
ター○ネイ○ー巨人の右ストレートを空中に飛んで避ける。
「お、お、風が」
軽く振り払われた巨人の手が凄まじい風を巻き起こす。
「大和流、覇道砲!」
ドゴーンとター○ネイ○ー巨人に攻撃がクリーンヒットする。
「これでどうだ!」
「ギガーーーーー」
雪煙が晴れた先には無傷のター○ネイ○ー巨人が仁王立ちしていた。
「化物かよ」
俺は予想以上の手強さに戸惑う。
「おじさん、胸より少し下の箇所がエレルギー値が低いから、そこを狙って」
攻略法を思案していたら、イヤホン無線でブリキが助言をしてきた。
「そこが弱点なのか?」
「急造で合体したから欠陥が出たんだと思う」
「ブリキ、信じるからな!」
俺はブリキの言葉を信じて、必殺技を決める為にター○ネイ○ー巨人と距離を取る。
「〈トルネード〉!」
風魔法で竜巻人間となった俺はター○ネイ○ー巨人目掛けて突撃した。
「ギィィィィィーーーーー」
ター○ネイ○ー巨人はもがき苦しみながらも俺を両手で鷲掴みにする。
「こんりゃろーーーーー」
俺も負けじとパワーを上げた。
摩擦熱で刀に火がほとばしり、地球に落下する隕石のような姿となる。
「ギャギャギャギャギャ」
ター○ネイ○ー巨人は断末魔を上げ倒れた。
「まいったか!」
着地というよりは地面に衝突した俺は雪を口から噴出しつつ叫んだ。
「敵の反応は消えたよ」
周囲の様子を探りつつブリキが寄ってきた。
「はあ~疲れた」
俺は美しく雪が舞う空を仰ぎ息を吐く。
「おじさん、寝たら死ぬよ」
「わかっているよ」
冷静に指摘してくるブリキにわざと子供っぽく返事をする。
「先を急ぐぞ」
「暗くて何も見えないな」
辿り着いた洞窟は地下深く暗闇に包まれていた。
「ちょっと待ってて」
ブリキがスイッチを入れると、強化スーツが行き先を明るく照らした。
「さすが科学少年」
「大したことないよ」
褒められるのに慣れていないのか、ブリキは頬を赤く染め照れている。
「ここには来たことあるのか?」
「メタルナイトが住処にする前はね」
「研究材料の為か?」
「いい材料が取れるから」
「止まれ」
何者かの気配がして足を止めた。
「敵の反応はないけど」
ブリキのレーダーに反応は出ていない。
「いや、強いエレルギーを感じる」
「そんなの……」
何かに気付いたブリキは声を潜めた。
「下だ!」
ブリキの耳が下から地面を削る音を察知する。
「あぶない」
「わ!」
鉱石を吹き飛ばして機械の生命体が現れた。
「おじさん、肩が」
「大丈夫だ」
ブリキをかばったときに肩を切り裂かれてしまった。
「さあて、またター○ネイ○ーみたいなのが来たな」
「これがメタルナイトだよ」
「迎えに来てくれたのか、お優しいことで」
俺は機械には通じない嫌味を口にする。
「さっそくお礼しないとな」
口にすると同時にメタルナイト目掛けて踏み切る。
「大和流、烈風閃空斬!」
キレイに一撃が決まり、メタルナイトは粉々に吹き飛んだ。
「勝った?」
俺はター○ネイ○ー巨人みたいに再生しないか警戒する。
「ギュアーーーーー」
予想通り、メタルナイトは再生していく。
「何度だって粉々にしてやる」
完璧に元通りになったメタルナイトを見て気合いが入る。
「ブルーーーーー」
メタルナイトは鉱物にチューブを刺し、何かを吸い出していく。
「何だ?」
「進化しているんだ!」
「ふざんけんなよ!」
ブリキの言葉を聞き、俺は慌てて斬りかかった。
「グルーーーーーア!」
メタルナイトの輝きで目が眩む。
「く、くそ。何も見えない」
「ガーーーーー」
叫びに呼応するようにメタルナイトのエレルギーが膨らんでいった。




