一節 魔法使いの世界へ行くことになりました
「いや~落ち着くわ」
俺は完全にリラックスして背伸びをする。
「お前は変わらないな」
横にいたカミシアがあきれ顔で言ってきた。
「異世界も住めば都ってね」
「住めば都?」
「俺の世界のことわざだよ」
「ふ~ん」
異世界をいいことに適当なことを言ってしまう。
「とりあえず無事に戻ってきて良かったですよ」
いつものごとくクリスがひょこっと現れる。
「敵地に味方もいることもわかったし、さすが一郎さんです」
「それほどでも」
クリスの屈託のない褒め言葉に照れてしまう。
「ほら、行くぞ」
「カミシア様~待ってくださいよ」
先に歩き出したカミシアをクリスが追いかける。
「ふぁ~」
俺も二人の後をあくびをしながらついていった。
「一郎さんのおかげで敵国はかなり被害が出ているはずです」
「そうだといいけど」
「この機会に戦力をどれだけ補強できるかが鍵になるな」
キーアが腕組みをしながら考えている。
俺たちはキーアの部屋でこれからについて会議をしていた。
「私は本国へ参り増員を進言してきます」
カミシアが提案する。
「そうだな。よろしく頼む」
キーアも素直に承諾した。
「私は白騎士と兵士たちの武具の改良を急ぎます」
クリスも具体的な提案をする。
「ええと……俺は……訓練とか?」
特に具体的なこと考えていなかったので言葉に詰まってしまった。
「一郎さんは戦闘時のエレルギー消費節約が課題かと」
「節約ねえ」
リベラルと同じことをクリスにも言われてしまう。
「あと、何かしら飛行方法があればいいですね」
「注文が多くない?」
「だって勇者様ですから」
「何じゃそりゃ」
クリスのマイペースな思考にずっこけそうになる。
「一郎さんが来て敵の攻撃も激しくなったので頑張ってもらわないと」
「そうですか。それはすみませんね」
俺はちょっとふてくされた。
《とは言うものの、何か方法ある?》
【心当たりはある】
《あるのね》
以外とあっさりと希望が見える。
【魔法を使う種族の世界に行けばいい】
《ということは、また二日酔いか~》
【仕方なかろう】
《結構飲むの疲れるんだよね》
二日酔い目的に飲むのは疲れるのだ。
「そうだ!クリス、頼んでたのは出来た?」
俺はクリスへの頼みごとを思い出す。
「ああ、試作品なら」
「それでいいよ。ちょうだい」
異世界への渡航方法への不安が少し軽くなる。
「悪い、ちょっと留守にするから」
小旅行に行くような感じで俺は言う。
「わかった。私たちのことは気にせず修行してこい」
堂々としたキーアの言葉にすごく安心感を覚える。
「じゃあ新しい異世界に行ってきますか!」




