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二節 新兵器にやられました

 ガラガラ、ゴーンと凄まじいグルス軍の攻撃が響く。


「被害状況は?」


「外壁がやぶられましたが、城門前で食い止めています」


 伝令がキーアに報告をする。


 以前に城門をやぶられた対策で外壁を建造していたのが功をなしていた。


「キーア様。騎馬隊の準備が整いました」


 カミシアが報告をする。


「よし。敵軍をひきつけて一気に崩すぞ」


「は!」


 カミシアは持ち場に戻っていった。


「弓兵。気付かれないように間隔を空けて攻撃しろ」


 グルス軍は城門近くまでキーアの狙い通り進軍してくる。


「おし。そろそろだな」


 キーアが騎馬隊に号令を掛けようとしたとき、グルス軍がピタリと止まった。


「どうした?」


 先ほどまで鼓膜がやぶれるほどの音が響いていた戦場が静寂に包まれる。


「キーア様。見知らぬ兵器が出てまいりました」


「何だと?」


 グルス軍は新兵器を一斉に前線に繰り出してきた。


「何なんだあれは?」


「大砲の類みたいですが。先端に刃らしきものが見えますね」


 普段の作業着ではなく、戦用の服装になったクリスが分析する。


「どんな性能のものか知れないな。カミシアたちに警戒するよう伝えろ」


 キーアは伝令に指示を出した。


「思ったより被害が出るかもしれない。クリス、あれを用意しろ」


「了解です」


 クリスは持っていたPCらしき機械を操作し始める。


「敵の兵器が光出しました」


 兵士が叫んだ瞬間、先端の刃が眩しく輝き、雷のようなエレルギー体を帯び巨大化した。


「まずいです。すさまじいエレルギーの数値です」


 慌ててクリスが叫ぶ。


「く、仕方ない。シールドを展開しろ」


 キーアの掛け声で城砦を円形の特殊シールドが包む。


 シールドはギリギリ間に合ったが、敵の兵器はそれを突き破り城門を破壊した。


「何だと!シールドが破壊されるとは」


 キーアは威力のすさまじさに息を呑む。


「キーア様!」


 うろたえた兵士たちが呼び掛ける。


「落ち着け!騎馬隊、第二撃がくる前に兵器を破壊しろ!」


 すぐに気を取り直したキーアが指示を出す。


「騎馬隊!進軍開始!」


 号令を聞き、カミシアが馬で先頭を走り出した。


「おお~」


 兵士たちも後に続いて進軍を開始する。


 だが、それをあざ笑うように第二撃が放たれ、三分の一の兵士たちが消し飛んでしまう。


「くそ!」


 何とか攻撃を凌いだカミシアは唇をかみ締め前に進んだ。


「突撃~」


 騎馬隊はボロボロになりながらも兵器を破壊していく。


「急げ!次が来るぞ」


 カミシアが叫んだ瞬間、容赦なく兵士たちを光が飲み込んだ。


「ぐぁーーー」


 聞くに堪えない断末魔が戦場に響く。


「……」


 キーアたちはすさまじい光景に言葉を失った。


「カミシアーーーーーーーー」


 はっとしてキーアは叫んだ。


「くそ……」


 馬ごと吹き飛ばされたカミシアは重症を負い横たわっていた。


「その首、頂戴する」


 黒い鎧を纏ったグルス軍の大将が見下しながら言う。


「これまでか」





 

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