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七節 つながりを知りました

「突き~」


「ぐっ」


「一本!」


 俺の喉に見事に大樹の突きが決まる。


「いや、強いな」


 面をはずしながら大樹に話し掛けた。


「いえ、まだまだです」


 大樹は謙遜しているが、内心嬉しそうだ。


「一郎さんは剣筋が素直ですね」


「そうか?」


《そういえば、高校生のときにも顧問の先生に言われたなぁ》


「私は好きですが、敵相手には通じませんから」


 それは異世界に来て嫌というほど感じていた。


《カミシアたち無事かな》


 ふと思い出して心で呟く。


【心配ない】


《わかるの?》


【何か動きがあれば妖精仲間から連絡がくる】


《そんなネットワークあるんだ》


 どこの世界でも横のつながりみたいなものがあるんだなと思った。


【今は剣を自在に扱えるようにならなければ】


「大樹様、例の件でご報告がございます」


 駆け足で家来の一人が道場に入って来た。


「そうか。どうであった?」


「転々と移動されていますが、今は霧ヶ咲の村近くにいるとのことです」


 大樹の問いに答えた家来はすぐに立ち去った。


「誰か探していたの?」


 少し気になり訊いてみる。


「我が国に代々受け継がれし剣術の継承者です」


「継承者か。強いんだろうな」


「ええ。過去に頭領を退治したことがある方です」


《あんな化物を退治出来る人間がいるのか?》


 大樹の言葉に興味が増す。


「戦ってみたいな」


「それは良かった。一郎さんに会って頂きたくて探したので」


 軽く口にした一言に、大樹は思った以上のリアクションを返してきた。


「何か理由があるのか?」


「その剣術は先代勇者様がこの世界に残したものだからです」


《先代は優秀ですな》


 会ったこともない男に少し劣等感を覚えた。


【戦国時代を刀一本で生き抜いた猛者だった】


 リベラルは懐かしそうに話始める。


【よくある一子相伝というやつだ。だが、あの剣技は次元が違った】


《そんなものが日本にあったのか》


 自分の国で消えた歴史に驚く。


【あいつは最強と恐れられ、顔を見ただけで敵に逃げられていた】


 そんな猛者の後継者と思うとさらに気が重くなった。


《俺にそんなすごい剣術が出来るかな》


 完全に自信を無くした俺はリベラルに訊く。


【大丈夫だ。お前はあいつの子孫だからな】


《へ?》


 心の中で情けない声を出す。


《子孫?俺が勇者の?》


【そうだ。だからお前を呼んだ】


 これもお決まりだなと思ったが、逆に納得がいった。


《でもさ、うちの家にそんな凄い技なんて伝わってないけど》


【先代が死んでしまったときは子供が幼くてな】


《だからジパングに残したのか》


【そういうことだ】


「では、明日の朝に出発しましょう」


「あ、ああ。わかった」


 いつものごとく、リベラルとの会話に集中しすぎていたせいで少し驚きながら答えた。


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