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理想の恋人と現実の・・・  作者: 雪 まりあ
~理想の恋人~ 清凪
9/26

~寂しい自立・・・?~

巣立つ子を見守る感じ?

会田くんはできるだけ授業には参加していたが、長い間はいない。

でも、図書室に行くといつもいた勉強をしている。これまでのいつもの席の窓際から、わたしがいつも座っていた席に移動していたけど・・・。


放課後、印刷室にわたしがいるときに、会田くんがのぞきに来ることもあれば、昼休憩にわたしが図書室に行くこともあった。


会田くんが学校にほとんど毎日来るようになって、シーユンたちのこと以外の話もよくするようになった。



ある時、人酔いするのなら登下校の時も酔うんじゃないかなと思って尋ねると


「あまり多いとね…。だから、運動部が朝練をしているころに登校して、下校のピークを避けて下校するようにしていたんだ。」


「そうなんだ。」


会田くんは自分の不甲斐なさが嫌なのかしかめ面で話していた。



「ねぇ、会田くん。テストの時とかはいつもどうしていたの?」


ノートにちょこちょことメモをしながら、隣で勉強をしている会田くんに尋ねる。


「あー、テストはみんながいる教室じゃなくて、空き教室で受けていたよ。

この学校は保健室登校している人もいてね、その人たちがいればその人たちと一緒に。

…少ない人数なら人酔いすることもないしね。」


「そうなんだ。あ、何人くらいいるとダメなの?」


「…何人とかはないけど。人数少なくてもダメなときはダメだし…。あ、でも高山さんと一緒の時は全然気分が悪くならないんだよね。ゆったりとした雰囲気って言うか…。」


「それは、わたしの行動がとろいとか、言いたいんですかね?」


「ちがっ、高山さんといると安心するんだよ。なんか、とてもホッとする。ずっと側にいたい気持ちになって……!」


焦ったように答えた会田くんはとてつもない爆弾を投下してくれた。


ものすごく恥ずかしい気分だ。顔が赤い気がするよ。いや、これは夕日のせいだよね、きっとそうだよ、うん。


わたしは自分の気持ちに何かが宿るのも誤魔化していた。



そうそう、どうやら会田くんは担任の先生に互いを紹介されて初めて話をしたときにわたしが語った『乗り物酔いを直す方法』を毎日実践しているらしい。

朝夕と、腹筋と前回りをしているんだそう。他にも筋力アップなんかをしているというのを話してくれた。


その成果がでているのか、教室にもいる時間が長くなってきた。そして、教室にいる時間が増えるにつれ、クラスメイトの女子が声をかけたり、男子も男同士の話をしたりして盛り上がるようになって行った。


その成果から、会田くんが休み時間に図書室に行くことは減っていた。



その日、わたしはお弁当を友だちと食べた後、借りていた本を返しに行くために、図書室に来ていた。


「いいことだよね。男同士の会話をするようになったのも、女子たちと関わるのも。」


誰に言うわけでもない、独り言。なんでだろうなぁ、胸の奥がチリチリする感じ。


本を返してから、いつも人のいない分厚い書籍のある本棚に向かった。人があまり来ることが無くて、貸し借りで出し入れされることもない本たちに囲まれて体育座りになる。

人が来ないので、一人になるには最適。元々、昼休みに図書室に来る人たちは本を返してすぐ帰るし。

分厚い本たちはシーユンのよく行く図書館にある本たちのような香りがする。

わたしもこの匂いが好き。スーッと息を吸うと、深く息を吐きながら顔をうずめる。


「彼女がモテモテな姿を見た時、彼はどう思っていたのかな。」


リーナ嬢は常にシーユンに一途だけど、言い寄ってくる男性は多い。シーユンよりも身分の高い男性からのお声掛けもある。

幸い、今のところ二人の仲を完全に裂こうとする人はいない。リーナ嬢の両親もシーユンと一緒になるのがいいと思っていて、シーユンの両親もリーナ嬢との仲を認めている。


 まぁ、シーユンもモテモテだもんなぁ。


「わたしは別にモテなくてもいいけど。」


そう呟いてクスクスと笑ってしまう。なんでこんなこと考えているんだろうなぁ、わたし。


「モテたく、ないんだ?」


「いやぁ、美人さんや努力している女子たちに比べるまでもなく、わたしは平々凡々なので、モテなくてもいいのです。高校にいる間に恋人なんてできませんよ。」


「じゃあ、僕が告白しても、受けてくれないの?」


「……ん?」


わたしは今、誰と話しているんだっけ…?

顔をあげると、神妙な顔をしている会田くんがいた。


「あれ?なんでこんなところにいるの?」


「ご飯食べたし、図書室でちょっと勉強しようかなぁって思って来たんだけど、気がそがれたから本でも読もうかなと。…………それよ……」


「あぁ、そうなのか。あぁ、このあたりの本は貸出禁止だからねぇ。わたしもよく見に来るよ。おすすめはこのあたりかな。」


わたしがおすすめの本を紹介しようとしたのだけど、会田くんは聞いてなかったみたい。


 あぁ、さっき何かを言いかけていた気がするから、わたしのほうが話をさえぎっちゃったのか…。


「あ、ごめんね。何か言おうとしていた?」


「うん。言おうとしていたよ。……言っても、いい?」


わたしが言葉を遮ったことがよっぽどいけなかったのだろう、ちょっとムッとした顔で話をしてもいいか確認してきたので、わたしは立ち上がって頷いた。


途中な感じ~。

きりのいいところまでにしたら、いつもの倍になっちゃったので・・・。

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