~理想の恋人たち~
見てくれる方がいらっしゃるといいけど……。
一応最後まで書いてあるので、EDまでは行くと思います。
日差しの暖かい日、川辺で男女二人が座り込んで幸せそうに語らっている。
「シーユン、見て。あのお花とってもかわいいわ。」
はちみつ色の髪の毛のきれいな女性がふんわりと微笑みながら、傍らに寄り添っている黒髪の恋人を見つめている。シーユンと呼ばれた黒髪の恋人ははちみつ色の女性の言うほうを向く。そこには小さな青い花が一つの茎にたくさんついた植物があった。
「ああ。そうだな」
シーユンは言葉少なく頷くが、表情は柔らかくとても幸せそうに見えた。
はちみつ色の髪で、翠玉のような瞳の少女はエヴェリーナ・リュリュといい、
黒髪で、紫紺の瞳の男性はシーユン・ユリリエストといった。
わたしには昔から理想の恋人像というものがある。優しいとか頼りがいがあるとか、言葉にするとなんだかあやふやなのだけど、実際に『この人』っていう対象がいるのだ。
その人はわたしのことは知らないと思う。わたしが一方的に憧れているだけで、わたし自身が彼の恋人になりたいと思ったことは一切ない。だって、彼には素敵な恋人がいたから。
彼の恋人は彼に相応しく、美人で優しくて笑顔が素敵で、彼のことをとっても愛してるというのが、幼い頃からずっとわたしにもよくわかっていた。
そして、その理想の恋人たちはわたしの目には届くけど、手の届かない人たちだった。何しろ、幼い頃から定期的に夢の中で会う恋人たちだったから……。
一応、序章の終了です。
読んでくださり、ありがとうございます。
序章だけですが、短かすぎですね…。