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第5話「ゲキトツ」

朝の4時・・・といってもまだ外は暗く、肌寒い。


そんな中俺は空を飛んでしぇるが居るらしい場所へと向かっている。


グリーンの家を飛び出して少ししてから携帯に届いたメール。それにはしぇるの居場所を知らせてくれるメール。今の状況でこれ以上にないほどのサプライズだよ、全く・・・


「お、あれかな?」


それっぽい場所を見つけたので一応少し離れた場所に降りる。もしヤツがもう来てたら背後から襲うチャンスが巡ってくるかもしれない。


ヤツは・・・多分俺よりも強い。真正面から勝負を挑めば負けるかもしれないからな。


歩いて近づいてくと誰かの声が2つ聞こえてきた。1つはしぇる、もう一つは・・・


「何度も言わせんなよ。俺について来いって言ってんだろうが」


とても低く、ドスのきいた声。間違いなくヤツだ。


「だからって・・・なんでそんなことする必要があるの?!」


・・・なにやらもめているよう。割と声デカイけど周りに住んでいる人が起きる様子は何故か無い。


「それも言ってるだろう?アイツは、目障りなんだよ!」


「カゲロウさんが何をしたっていうの!?何でカゲロウさんを・・・殺さなきゃいけないの?!」


ドクン


俺を・・・殺す?そりゃどういうことだよ?


「あー、うっせぇな!テメェは俺の言うことをきいてりゃいいんだよ!!」


バシ!!


「あぅ・・・」


しぇるが頬を叩かれた。叩いた力が大きかったのか尻餅をついている。


っく!だめだ!今飛び出したら真正面から戦うことになる!!


ここは堪えてチャンスを窺わ・・・


「俺の言うことを聞けないのなら・・・テメェもここで殺すぞ?」


「・・・っ!!」


落ち着け・・・ヤツはどんなことがあってもしぇるを傷つけたりしないはずだ・・・だからじっと待ってチャンスが来るのを待つんだ・・・。


「ったくよぉ。あんなクズ野郎の近くに居たせいで悪影響でも受けたのかぁ?」


ドカ!


「う・・・うぅ・・・」


落ち着・・・いてられるかぁ!アイツが・・しぇるが危ないんだぞ!チャンス云々言ってる場合じゃねぇだろ!


「待てよ、アンタの相手は・・・俺だろ?」


「んー?お前か・・・どーしてくれんだよ。お前のせいでしぇるがおかしくなっちまったじゃねぇか」


「おかしくはなってないだろ。しぇるは、成長してるだけさ」


「寝言は寝てから言えよクズが。テメェを殺して・・・しぇるを元に戻す!」


対策なんかない、相手は俺より強そう。最悪の状況だ・・・。


それでもここまで来て逃げ出すことなんてできるはずがない。覚悟を決めるしかないな・・・。


互いに武器を向け合い、戦闘態勢へと入る。しかし、突然アナウンスが鳴り響いた。


『プレイヤー同士の戦闘は禁止されています。戦闘行為をした場合、何らかの処罰が下ります。繰り返します・・・』


「あー・・・そぉいやぁ禁止されてるんだったなぁ」


ヤツはデジタル画面のようなものを呼び出し、何か操作をした。すると鳴り響いていたアナウンスがピタっと止まってしまった。


「な!?アンタ・・・何したんだ!?」


「んなのどうでもいいじゃねぇかよ。お前は・・・ここで死ぬんだからよぉ!!」


言い終えると同時にヤツはこっちに向けて走り出してきた。


初撃を長刀で弾き、2撃目を避けてカウンターのように攻撃する・・・がそこにヤツは居なかった。


「クックック・・・どぉしたぁ?遅いぞぉ?」


気が付けばヤツは俺から数メートル離れた位置に立っている。流石ナイフ装備というところだろうか。かなり素早い・・・。


「そぉら、いくぞぉ!!」


再びこちらに走り、攻撃してくるがその攻撃はさっきの倍・・・いや、比べ物にならないほどのスピードだった。


「っくそ!」


猛攻を防ぎきれず、切り傷がどんどん増えていく。


ヤツはこれでも手加減しているんだろう。これくらいの実力なら本気を出せば俺を瞬殺することもできるはずだ。


「ヒャッハ!そろそろトドメと行こうじゃねぇかよぉ!」


ヤツはそう言って一旦距離を取り、何本ものナイフを取り出した。


ナイフを投げるように構えると全てのナイフにドス黒いオーラーのようなものが纏わりついた。どうやらアレがヤツの属性らしい。


「永遠の闇に飲まれて、死んじまいなぁ!!」


複数のナイフが同時に投げられるが、直線にしか飛ばないものを避けるのは簡単だった。


すぐさまナイフを避けるが・・・避けるとナイフは俺に付き纏うようにその軌道を俺の方向に変えた。


「な・・・あ!?」


予想もしていなかった動きに避けることもできずにいた。殆どのナイフは掠る程度だったが一本、脇腹に突き刺さった。


更には激痛と同時に視界が真っ暗になり、何も見えなくなった。


脇腹のナイフを抜くことすら忘れ、目を擦るが見えるようになるはずもなく、軽いパニックに陥る。


「俺の属性は闇・・・攻撃に使うわけじゃぁねぇが、こうやって視界を悪化させるのに使うんでねぇ」


勝ち誇ったようにヤツが歩いて近づいて来るのが分かる。だがもちろん正確な距離なんてわかるはずかない。


当てずっぽに攻撃しても当たるわけがない。かと言ってこのまま立ってたらやられる。


どうする・・・どうする・・・どうする・・・!!


ヤツが走ってくるのが分かる。


俺はがむしゃらに長刀を正面に振り下ろした。だが当然当たるわけもなく、長刀は空気を切り裂いた。


「さぁ、俺としぇるのためにその身を捧げなぁ!」


ヤツの声が横から聞こえる。もうヤツの攻撃範囲に入っているはずだ。


ここ・・・までかよ・・・。


死を覚悟したとき、しぇるの叫び声が聞こえた。


「もう・・・やめてぇぇぇ!!」


真っ暗だった視界が開けていき・・・見えるようになった目に映ったのはヤツが目を押えて怯んでいる姿だった。


「う・・・おおおおおお!!!」


頭の中が真っ白になった。ただ無我夢中でヤツへと突進し、


ドス!!


長刀を突き刺した。


「ぐは・・・しぇる、何故・・・。俺と、お前は・・・運命的な・・・仲・・・」


ッズル


長刀を引き抜くとヤツは倒れ、血がドクドクと流れてあっというまに大きな血だまりができた。


しぇるのほうを向くと、うずくまって泣いているようだった。


ヤツも・・・元は普通のプレイヤーだったんだ。もしかしたら優しい人だったのかもな。


「しぇ・・・る・・・」


しぇるの方に歩こうとすると、足が上手く前に出ない。というより力が入らなかった。


ナイフが刺さった脇腹からはまだ、血は流れ続けていた。しかも、血が流れている場所はそこだけじゃない。ヤツに襲われた時にできた傷からも血が流れていた。


その内立っていられなくなり、倒れて、眠くなってきた。


ヤツとの戦闘、今までの征伐とか模擬戦よりキツかったなぁ・・・。流石に、休みてぇ・・・


そのまま・・・眠りにつくかのように意識を失った。


これはちょっと別の世界での話。

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