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愛が望む遠い約束

作者: カイト
掲載日:2011/05/26

短編二作品目です。

オープニング


 初めてその知らせを聞いたとき、何かたちの悪い冗談を聞かされているのか、あるいは悪い夢でも見ているような感覚に襲われた。


 ――拓真(たくま)が、交通事故で意識不明。


 ぽつぽつと、雨が降り始めた。

 私は吐き気と目まいに耐えながら近くのタクシー乗り場に行き、運転手に病院まで急ぐよう、息を切らしながらまくしたてる。

 運転手は「何かあったんですか?」と、まるで人ごと――実際人ごとなのだが――のように訊いてきた。

「いいから早く出して!」

 私はいらいらしながらせっついて、今度は飯嶋(いいじま)君の携帯に電話する。

 雨がまるでテンポよくゆっくりと激しくなるなか、運転手は舌打ちしながら車を歩くような速さで走らせ始めた。それが私の神経に障る。

「悪い、出るのが遅れた」

 病院の中では携帯電話は使用禁止なので、飯嶋君は長いコール音のあとに出た。

 電話のむこうからも雨の音が聞こえる。

「今タクシーでそっちにむかってるんだけど、拓真君……本当なの!?」

 私の叫びに対し、携帯からは雨の音以外何も聞こえなかった。飯嶋君の、現実を私に差し出したくないという気持ちが、手に取るように分かってしまう。そんなもの、分かりたくないのに。

「……本当、だよ」と、飯嶋君はようやく、小さくて震えるような声で答えた。その短い答えには、未だに認めたくない事実だよ、という気持ちが見え隠れしているように感じられる。

「そんな、どうして!」

「子供をかばったんだ。拓真らしいと言えば、拓真らしい。

 子供が道路に転がっていったボールを追いかけて……車に轢かれそうになったのを、あいつが助けた」

 拓真君はサッカー部でディフェンスをしていた。そこで培ったバネが、こんな形で彼の人生を奪うなんて。

 うぅん。たぶん、その考え方は違う。例え拓真君の運動能力が低くても、彼は子供をかばうだろう。

「でも、こんなことって……こんなことってないじゃない!」

 私の叫び声が車内の空気を振るわせた。同時に電話先の世界も、一瞬歪んだような気がする。

「それが拓真なんだ。その少年とご両親は、あいつに謝罪と感謝を……」

「感謝なんていらないわよ! 返してよ! 拓真君と私の約束を!」私は飯嶋君が言い終える前に、憎しみにまみれた毒を怒涛のように吐き出した。

「……とにかく、病院でみんな待ってる」

 そこで電話が切れた。

「悩める悲劇のヒロインごっこか。いいねぇ、青春だねぇ」

 運転手のその言葉に私は「ふざけるな!」と、子供と両親に向ける怒りを運転手に先にぶつけた。

 運転手は大きく舌打ちする。その瞬間、雨が急激に激しくなった。


 病院に到着すると、私は病室に直行した。

 手術は無事終了して命に別状はないという。だが拓真君の意識は未だに戻らないと、担当医が彼のご両親と飯嶋君、そしてシィちゃんに説明していた。

「……申し訳ありませんでした! 本当に、申し訳ありませんでした!」

「でも、この子の命が助かりました……」

 拓真君がかばった少年の両親が、みんなにひたすら頭を下げている。

 拓真君のお母さんは涙を流しながらも「そんなに、自分達を責めないでください」と、寛大でいる。お父さんも「拓真が身をていして守った命、無駄にしないでくれ」と、少年に言っていた。

 何で? 拓真君と私の約束を引き換えに守った命? そんな命、私には何の価値もない。

 なぜみんな、そんなに謝罪と感謝の意を受け入れられるのか、私は不思議に思う。と同時に、私の中でありったけの憎悪が渦まく。

「何でよ! だからって拓真君が……拓真君が!」

 泣き叫ぶのは私一人だけだった。拓真君の親友である飯嶋君と、彼に想いを馳せていたシィちゃんは、悲しみを押し殺しきれていないが、それでも誰かを呪うということをしない。

「拓真君の人生が死ななきゃいけないのよ! ふざけないでっ!」

 ありったけの声で、少年とその両親に怒りをぶつける。

 分かってる。この時の私は分かっていた。ただ、それを認めたくなかった。

 拓真君は、初めて会ったときからそうだった。どこか『死』というものを普段から受け入れているような人だと。いずれ人間は死ぬ。それは早いか遅いかの違いだけだという絶対の法則を普段から受け入れている人だ。

 だから困っている人を見つけると、後先考えずに行動する。自分の努力で遅くなると信じて。それが彼の本能だと言わんばかりに。そして彼はいつも損をしながら笑っている。

 でも、だから何だって言うの? 少年が道路に飛び出さなければ、そして車を運転していた男が彼を数キロメートル引きずってそのまま逃走していなければ、こんな現実は在りえなかったんだ。

「どうして、どうしてみんなそうしていられるの!? この家族は拓真君の人生を奪ったのよ。拓真君と私の約束を犠牲に幸せになろうとしてるのよ! 飯嶋君! あなた、拓真君の親友でしょ、小学生の頃から! シィちゃんは拓真君のこと今でも好きなんだよねぇ! なのに、何でそうしていられるのよ! 何で誰も憎もうとしないの……ふざけるなっ、この人殺し!」

 分かってる。本当は私だけじゃないということは。それでも私は叫ばずにはいられなかった。


「一緒に、同じ大学に行きたいね」


 彼との約束は叶わぬものとなってしまった。



第一部『出会い』


 僕が彼女を知ったのは、高三の夏、部活を引退したその日の予備校でだった。

 彼女の名前は千石清美(せんごくきよみ)

 名前通り、彼女は凛としていてだけどお淑やかで、美しかった。

 気取らない自然な笑顔と立ち居振る舞い。

 夏服からは、細い撫で肩と全身の柔らかな輪郭がありありと浮かんでいた。

 そして肩にかかるかかからないかくらいの黒いショートヘアは、着飾っていないストレートで良く似合っている。

 眉毛や目の形はまるで細い筆に染み込んだ墨汁で描かれたように繊細で、完璧だった。

 化粧っ気を必要としない美しさは、もはや芸術と言ってもいい。

 そのため、他の予備校生の何人かは、彼女に視線を止め、そして留めている。


 ただひとこと。――美しい、と。そう言わんばかりの視線を向けていた。


 初めて彼女を認識したその頃の僕は、昔別れた憧れの幼馴染みの幻想に囚われながら、好きな友達がいるくせに、それでも清美にイカレテいった。

 こんなに美しい人を見たのは、それが初めてだったのだ。



***


「バス、あと何分だ?」

 昔からの付き合いの悪友〝真司(しんじ)〟が、二本のコーヒーを持ってバス停に来た。

 あたりはうす暗くなっていて、田舎町に続くこんなバス停の利用者は、もう僕と真司の二人だけだった。

 僕は真司が投げてよこしたコーヒーをキャッチし「約十分くらいだな」と答えた。

「そうか。最後の部活、どうだった?」

「三年生対一・二年連合軍の試合、すげぇ楽しかった。

 真司の方はどうなんだ? 後輩の女子からラブレター、どうせまた貰ったんだろ? 小学校のときも、中学んときも、いつもそうだよな。羨ましいぜ」

 僕は軽く仏頂面を意図的に出して缶コーヒーに口をつけた。缶コーヒー特有の香りと冷たさが喉を通って気持ち良かったが、舌に残る微かな味だけは、不快だった。缶特有の鉄っぽさが嫌だ。

「羨ましがるようなことか? けっこう、大変だぜ。断るたびに相手は泣くんだもんな」

「お前の悩みは贅沢なんだよ!」

 本当に羨ましい奴だ。しかもその幸福を享受しないとは、なんてバチあたりな。

「そうは言うけどさ。告白を断るのってしんどいんだよ。あぁあ、誰も傷つかない人づき合いってないのかな」

 そんなものあるわけない。人は生きていく上で必ず誰かと付き合い、そして傷つけ合う。

「たまに思うんだけど、真司ってもしかして同性愛に興味あるのか?」

 僕がそう訊くと真司は口の中に含んでいたコーヒーが喉につっかえたのか、ゴホゴホと咳をした。落ち着こうと自分の胸を力強く叩く。

「……そんなわけないだろ」

 眼鏡の奥の瞳は非難の色を持っていた。

「だいたい羨ましいって、お前にだっていろいろいるだろ」

「僕?」

「ああ。お前、まさか気付いてないのか? 隠れファン、結構多いぜ」

 そんな話は初耳だ。

「先週末、朝の日直でたまたま女子と一緒になったんだ。名前は忘れたけど」

 真司は成績良いくせして人の名前を覚えるのが苦手な奴だった。

「その子が訊いてきたんだよ。『三原(みばら)君はどういう子がタイプなのかな……飯嶋君、知ってる?』って。お前、俺より残酷だからな」

 何だよ、それ。サイアクじゃん。

「隠れファンがいるって、どうして教えてくれなかったんだよ」

「気付いてやってるかと思ってたんだ」と言いながら真司は、時刻表のそばにあるゴミ箱にコーヒーの空き缶を投げ捨てた。

「っていうか、俺が悪いのか?」

「どうせ僕は鈍いよ」と吐き捨てながら空き缶をゴミ箱へ放る。

「下手くそ」

 ゴミ箱に入り損ねた空き缶を拾いながら言う真司の言葉には、僕の恋愛ごとに対しても言っているような気がした。

「けどさ、もしかして鈍いんじゃなくて、誰かを見過ぎて周りが見えてないとか」

「何の話だよ」

 真司はいわくありげな笑みを浮かべて「好きな奴がいるのに、『今日』は別の奴を見てただろ?」と訊いてきた。

「……優衣(ゆい)さん、今ごろどうしてるかな?」

「俺が知るかよ」

 真司の言いたいことは分かる。昔の幼馴染みの幻想を追いかけながらも、仲の良いクラスメートの女子がいるくせして、僕達と同じ予備校に通っている女子にも興味を持つとはどこまで宙ぶらりんなんだ、ということである。

上村(かみむら)をあまり悲しませるなよな。好きなんだろ?」

「それはお互い様だ」


 小学生の頃と、大学受験と高校卒業を身近に感じるようになった今とでは、目指しているものも憧れているものも違う。

 あの頃僕と真司は、少し年の離れた〝篠田(しのだ)()()〟という幼馴染みに憧れを持っていた。彼女は僕達より二つ年上だった。

 出会ってから一年後、優衣さんは親の都合で引っ越すことになった。場所は、怖くて訊いていない。ただ、優衣さんがいなくなるという、どうしようもない現実に身を裂かれまいと必死になって目をそむけることしかできなかったのだ。

 優衣さんと同じ中学に進みたかったのに。彼女への憧れも目標も、全てが壊れてしまったのだ。

 それからの真司は忘れようと必死になって高校受験の勉強を始めた。かなり早いスタートダッシュだった。その一方で俺はなぁなぁに生きていた。

 もちろんサッカーはやめなかったが――それが原因で優衣さんを忘れることができなくなってしまったというのもあるが――あまり良い成績は出せていなかった。勉強も中の下くらいで、今思えばよく真司と同じ高校に受かったものだと、我ながら呆れてしまう。

 そして高校生活が始まってひと月したころに、クラスメートの上村紫園が僕と真司のあいだに入ってきた。

「ねぇ、二人とも。趣味嗜好や部活が違うのにいつも一緒だね」

 余計なお世話だぜ、と、思った。

「もしかして同じ中学出身?」

 クラス担任は「自己紹介は、まず各班でやれ」と言って、新クラスで始めに行う全クラスメートへの自己紹介というものをしなかった。

 僕と真司は好か不幸か別々の班になったため、お互いが友達作りの磁石となり、真司と同じ班の紫園が割って入ってきたのだ。

「ああ、そうだよ。拓真は一般、俺は推薦入学」と、真司は何気に自慢する。

 真司は病弱だが運動能力はそこそこ高く、成績も優秀。だが僕は、サッカーが得意なだけで勉強は嫌いだ。

 父さんや母さん。そして優衣さんは「やればできるのに……もったいない」とよく言っていたものだ。

 でも嫌いなものは嫌いなので、俺の中学での成績は不評だった。


「上村もたぶん、お前のこと好きだと思うぜ。だっていうのに、お前、今日予備校で例の生徒を目で追ってただろ?」

 千石清美のことだ。

「しかたないだろ。可愛くて綺麗なんだから」

 それに胸の膨らみも良かった。

「可愛くて綺麗だったら誰でもいいのかよ。宙ぶらりんもほどほどにしておけよ」

 真司がそう言うのと同時に、今日最後のバスが来た。

「千石って、やっぱり彼氏とかいるのかな?」

「だから、俺が知るかよ。学校違うんだぜ」

 それもそうだ。けれど僕は、清美の情報が少しでも欲しいため、彼女と同じ時間まで自習室で講義の予習と復習をしたり、帰りがけにわざと彼女のそばを通って追い越したりなど、子供っぽいアピールを始めたのだ。

 今日だって自習室の座席を選ぶとき、座席表に挿入されている千石のカードを確認して、ちょっと迷う仕草を装いながら受付の人に彼女の真後ろの席を取ってもらった。

「お前、もはやストーカーだからな」



***


「ねぇ、三原君。今日は予備校?」と、ある雨の日、紫園が放課後に突入したばかりのクラスに入ってきてそう言った。

「上村のクラス、今日は早いんだな」

「うん。先生がちょっとね……」

「ちょっとって、何だよ」

「そんなことはどうでもいいじゃない。それより、今日は予備校?」

「俺と違ってこいつは怠け者でストーカーだから」と、僕が答える前に真司が余計なことまで喋った。

「ストーカーって、まさか三原君……」

「いや、違うって。そんな不純な動機で行かねぇよ。

 おい真司、余計なこと喋るなよ。ただでさえ少ない女友達を失くすじゃねぇか」

 彼女のいない高校生活なんて、僕にとって高校生活とは言えない。今、僕の周りで、僕に好意的な女子は上村だけだった。

 というより、隠れファンって本当にいるのかどうか疑わしくなった。アピールが全くないのだ。真司の誤報ではないだろうか。それともこういうことを隠れファンと言うのだろうか。

 まぁでも、知らない子から告白されても、たぶん僕は付き合わない。紫園か清美のどっちかがいい。欲を言えば二人ともっていうのが……でも、心のどこかで優衣さんを求めるだろう。ホント僕って、しょうがねぇなぁ。

「じゃあ、途中駅まで一緒に帰ろうよ」

 僕には別に断る理由はない。むしろ嬉しい。真司も断る理由はなく、三人で帰ることとなった。


「へぇ。じゃあ飯嶋君って物理学者目指してるんだ。なんかカッコ良い」

 電車の中、真司は自分の進路について話している。別に良い格好しようとか、そういうわけではない。ただ単に真司は語っているだけだ。

「三原君は何を目指して大学受験するの?」

 そして紫園は僕達に『友達』として接する。そこに恋愛感情なんて入る余地はなかった。でもそれが逆に僕には助かった。

 以前真司は、僕に紫園のことが好きなんだろと指摘したが、僕が真司に言う言葉でもあった。

 つまり三角関係で友情がひび割れることがない。それがありがたい。

「サッカーは続けないの?」

「まぁ、な。僕、下手だから。たぶん別の何かを探して、その何かに熱中してると思う。それがパチスロじゃなきゃいいんだけど」

「三原君がタバコくわえながらパチンコ? ぜんっぜん想像つかない。似合わないと思う」

 僕も同感だ。というより、そんなつまらない学生生活は嫌だ。

「でも二人とも、大学に行ってからも一緒に遊んだりするんでしょ?」

 僕と真司は揃って顔を見合わせる。

 ……。

「拓真。今度、絶交状送っていいか?」

「元払いで頼むよ」

 僕達の冗談に紫園はクスクスと笑う。まるで頭の中で涼が転がるような感じだった。

 こんなささいなことでも幸福だと思えてしまう僕は、仮に優衣さんが引っ越さなくても彼女と付き合うことはできないだろう。なぜなら、優衣さんは優衣さんで憧れている人がいるのだから。つまり臆病な僕では無理だということだ。

 

 そうしてお喋りしていると、町田より一つ前の相模大野駅に到着するアナウンスが流れた。

「どうして楽しい時間ってすぐに過ぎ去るんだろうね。

 私ね、今日二人と一緒に帰れて嬉しかった。じゃあ、また来週」

 何か今、紫園から殺し文句を言われた気がした。

「調子乗るなよ、拓真」

「お前もな!」

 それから僕達二人は無言のまま町田に到着した。



***


 電車の中で、ストーカーとその友達が同じ学校の女子と話しているのを見かけた。

 そう、確か名前は〝三原拓真〟。私の友達が教えてくれた。

 良く晴れたある日、予備校の自習室で私の後ろに座っていた人だ。友達がメールで『後ろの人に背中見られてるよ』と教えてくれた。

 ゲッ、キモイなと驚いて後ろを向いたら、整っているというわけではないけれど、それなりの顔立ちの人が席に座っていた。

 別にその時初めて見た顔というわけではない。予備校からの帰り道、早歩きまたは走ってよく私を追い越す人だった。

 最初は特に意識していなかったけれども、夏に入ってから頻繁に見かけるので、もしかして私に気があるのではないかと思うようになっていた。

 そんな彼の顔が至近距離で目に入ったので、私はそのことにも驚いて慌ててノートに視線を戻した。彼も『やべ』って顔をして慌てて机に視線を落としたように、一瞬見えた。

 でも、やはり私の勘違い……つまり自意識過剰だったのかもしれない。

 彼は友達に向けるものとは違った笑みや困惑を女子生徒に送っていたのだ。どこか、諦めているような哀しい表情だった。

 そしてたぶん彼女も、彼のことが好きなんだろうなと思った。だって彼の友達と話しているときでも、視線は彼に泳いでいたのだから。

 それとももしかして女たらしの優柔不断男? どうだろう。少し試してみようと思った。



***


 僕と真司はまず受付で自習室の席を取ってもらった。僕はその際、彼女がいるかどうかチラッと座席表の中から捜したが、まだいないようだ。

 残念さを感じながらも、この後の英語の単語・熟語テストに備えようと自習室で勉強を始めた。途中、残念さが自然消滅したが、すぐに期待に胸が躍った。彼女が自習室に入ってきて僕の前の席に座ったからだ。

 周りに空席はいくらでもある。僕と真司は自習室の一番奥の後ろに座っていたのだから。真司が一番後ろで、その前が僕。そしてさらにその前が彼女。

 何かの偶然だろうか、それとも……。

「おい、拓真」と、真司が僕の背中をシャーペンの頭で突きながら小声で話しかけてきた。少し外に出ようという合図をする。

 僕は頷いて答え、真司の後を追った。

「千石清美。何であんなところに? 俺達以外に自習室にいるの、たったの二人じゃねぇか」

「それは僕が知りたいよ」

 真司は顎に手をやる。そしてこう言った。

「次の英単語テストのとき、わざと時間ぎりぎりに教室に入って、千石の隣に座るっての、どうだ?」

「僕らが座る前に誰かに取られたらどうするのさ?」

「俺が何とかするよ。任せとけ」

 

 単語・熟語テストの時間になった。真司は誰よりも早く教室に入り、一番後ろの壁側の席を取る。そしてだんだんと他の予備校生も教室に入っていく。だがそこに清美の姿は見られなかった。

 開始五分前になって真司からメールが来た。

 『俺の隣の席、二つ取っておいた』

 たぶん荷物を置いて占領したのだろう。普段の真司を思い出すと、その行為は真司らしくなかったが、友情のためだろうなんて馬鹿なことを考え、そして教室に入って真司の隣に座った。

「大丈夫かよ?」

 周りに清美の姿は確認できない。

「俺には何の責任もない。あとは運しだいだって」

 解答用紙が配られる。と、同時に教室のドアが慌ただしく開く。

「すみません! 遅れてしまいました!」

 千石清美だった。

 清美は講師に睨まれながら慌てて俺の隣の席に座った。他にも開いている席はチラホラとあるのに。わざわざ教室の一番後ろの壁側に座ったのだ。

 そして清美は、俺が机に出している予備校のカードをジッと見つめ始めた。

 ドキドキした。名前、チェックされてるだろうな。どういう想いでチェックされてるか、僕には二つの想像しかできなかった。

 まず、期待しているチェック。

 二つ目は嫌悪の想いによるチェック。

 どっちだろう。


 テストが終了し、他の予備校生達は解放感という新鮮な空気を味会う中で、僕はテストとは別の緊張を感じている。

 ペン入れを学生鞄に詰め込んで教室を出ようとした瞬間「三原、拓真君」と、聞き慣れていないシルクを思わせるような声が背後からした。

 千石清美だった。

「いつも私と同じくらい、最後まで自習室に残って勉強してるよね?」

「え? あ、ああ、うん。僕、今までの成績悪かったからさ。必死なんだ」

 不意を突かれたような感じでしどろもどろになってしまった。

「ねぇ、この後は自習室?」

「うん。さっそく今日のテストの自己採点や間違えたところをおさえておきたいから」

 清美の口と身体から甘い香りが漂う。思考回路がどこかへ飛んでいきそうだった。

「私もテストの復習をしようかな」

 こんな近くで彼女と話しをしているこの状況に、僕はドキドキした。

 甘い香りと、少し幼げな雰囲気が残っている凛とした顔と姿勢。そして豊な胸。改めて美しいと思った。

「あのさ、図書館で一緒に勉強しない? お互いに教え合いながら」

「え? 自習室は?」と言ってから、しまったと後悔した。

「自習室は私語も会話も禁止でしょ」

「ああ、そうだね。じゃあ図書館に行こうか」

 僕は真司に図書館で清美と勉強することになったことを、嬉しさを交えて報告した。

「気負い過ぎて変なことするなよ」

「僕はそこまでガっついてねぇよ!」

 というような具合に。



***


 図書館での勉強会が終わって、私は拓真君と駅まで一緒に帰った。

「それでさ、集合写真を撮るためにカメラをスタンバイさせたまではいいんだけど、急いでみんなの中に混ざろうとしたときに足を三脚にぶつけちゃって、三脚ごとカメラが明後日の方向向いて撮影失敗。専門の女性カメラマンから眩しいくらいの笑顔で『私がお撮りしましょうか』って言われてさ。結婚式でお約束をするはめになったんだ。恥ずかしかったなぁ。みんなドッと笑ってさ。

 それに他にもあるぜ。二次会のカラオケで、カンの『愛は勝つ』ってあるだろ、あれ歌ったらさ、思いっきり音外れて調子がロックみたいになっちまったんだ。こんな感じ……。

 従兄弟が『愛は勝つ』をロックで歌えるのお前だけだって言って、褒められたんだか何だかなぁ。

『視える。聖飢魔Ⅱのジャックザリッパーが視える。人間のレベルをはるかに超えた歌い方だったよ。魔界の王になれるんじゃないかってくらい』だってさ」

 拓真君は以外に面白い人だった。クールな人かなとも思っていたけれど、冗談や笑える嘘で会話に華を咲かせていた。飽きることがない。

 でも……。


「拓真君。ホントに必死にならないと、第一志望校確実に無理だね」

 英語の単語・熟語テストはあまりよくなかった。半分しか正解していない。

「一年と二年のとき、サッカーのことしか頭になかったから……そのツケがまわってきた」と、大きく溜め息をついて言うその姿は、とても情けないものだった。

 私は思いきって「ホントにサッカーだけ?」と訊く。一つの不安を取り除きたくて。

「本当だって」

「同じ学校の女子は? 追いかけてなかった?」

 私の指摘に拓真君はばつ悪そうな顔をした。眉が歪み、視線は宙をさまよう。

「分かりました。もういい。私が君の家庭教師を務めます」

 拓真君は私が何を言っているのか聞きとれていないか、あるいは意味を呑みこめていないのか、目を丸くして私を見る。

「どうしたの?」

「……え、あ、いや。女子を部屋に入れるのは小学生のとき以来だなって」

「家じゃなくて図書館よ」

 全く。話が飛躍しすぎ。

「そ、そうか。じゃあさ、僕の得意分野を清美には教えるよ」

 ムッとした。

「私。全国模試、二年連続一位ですから」

 同い年に教わることなど、勉強に限って何もない。

 拓真君は悔しそうにがっかりしていた。


「清美。あの子、どうしたんだろう」

 拓真君の言葉で私は思考の海から現実に引き戻された。

「え、何?」

「あの子」

 拓真君が指をさした方向には、小さな子供が泣いていた。

「ちょっと行ってくる」

「私も」

 拓真君が子供に近づいて「どうしたの? お母さんかお父さんは?」と声をかける。

 子供は何の反応も示さない。泣いているのに泣き声もなかった。

 拓真君は少し困ったような顔を浮かべた。

「この近くに交番ってあったっけ?」

「うん、あるよ。こっち」

 子供は意外にも私達を警戒せず、黙ってついてきた。

 そして交番に到着しても子供は何も話さないので、拓真君と私で状況を説明した。

 交番の人は子供に「携帯電話はある?」と訊くが、それにも答えない。

「あのね、ボク。お父さんかお母さんに連絡して来てもらわないと。携帯電話は持ってないの?」

 子供はリュックの中からペンケースとメモ帳を取り出して何かを書き始めた。

『耳は聴こえない。声も出せない』

 身体障害者だった。

 交番の人は『携帯電話はある?』と、自分のメモ帳で訊くも、子供は持っていないと答えた。そして『おじいちゃんとはぐれた』と追記した。

 見ためは小学二年生くらい。今どきその年でも携帯持っていると今まで思っていたが、珍しいこともあるものだ。

「清美。先に帰ってて。僕、さっきの場所に行ってみる」

「え、私も一緒に……」

「僕一人で大丈夫。清美は、もうこれ以上暗くならないうちに帰ったほうがいいよ。女の子の帰りの夜道は危険だから。この子が両親と合流できたらメールする」

 拓真君は携帯を取り出して赤外通信の準備を始めた。

 今日はお父さんの帰りが早い。遅い時間まで同い年の男の子と一緒にいると知ったらどうなることか。たぶんまた門限を決められて軟禁状態にされる。すると拓真君にも会えない。こんなに優しい男の子と会える時間がなくなるのは嫌だ。

「うん、分かった。絶対メールちょうだいね」

「ああ」

 男の子と携帯のやりとりをするのは、私にとってこれが初めてだった。


 結局、子供の保護者――両親ではなく母方の祖父母――が交番に来たのは夜九時ごろだった。

 拓真君はそれまで子供がいた場所で、交番の人と定期的に連絡するかたちでずっと保護者を待っていた。

 損な性格しているけれど、それでも困っている人に優しくできる拓真君が、私は好きだったのだ。

 


***


 日曜日に俺達は予備校がシャッターを開けるまで、予備校玄関前の階段に座り込んでいた。自習室を利用するためだ。

「お前、上村のことはどうするんだよ?」

「やっぱり上村も捨てがたい……ってぇ! なんで殴るんだよ!」

「千石との付き合い、本気じゃないのかよ」

 イライラしたので頭を殴ってやった。うっとうしくらいの日差しへの怒りも込めて。

「だってさ。僕は今まで優衣さんと上村しか女子とは話したことがないんだ。目移りしちまうんだよ。

 いいよな、お前は。何かのイベント時には必ず告白されてさ。

だいたい、上村だって僕のこと好きなのかもしれないし。どうやって友達の関係で終わらせればいいのか、分からねぇよ」

 だからって、どっちつかずかの関係はまずい。上村と千石が傷つくし、あるいは両方一緒になって傷つくかもしれない。俺だって一発殴るだけですむかどうか……。

「拓真君!」

 その時千石が控えめに手を振りながら走ってきた。

「おはよう」

「ああ、おはよ」

 千石は俺の方を見る。

「友達の飯嶋真司だよ」

 拓真が俺のことを軽く紹介した。

「初めまして。私、千石清美です」

 自己紹介するときの千石の笑顔は可愛かった。

 夏の日差しに照らされる白い歯に、甘い香りを漂わせて相手の耳へ入っていくシルクのような声。凛とした歩き方と姿勢が美しい。

 確かに多くの男から言い寄られるはずだ。

 でも、俺にはどうでもいいことだった。千石を前にしても上村のことの方が気になるのだから。



***


 その日の午前は自習室で得意科目の勉強をし、午後からは図書館で苦手な数学を清美に教えてもらった。

 昼食は真司も一緒だったが、一人自習室に残った。

「ねぇ、明日はどうするの?」と、清美は学生鞄の中にノートなどをしまいながら訊いてきた。

 明日は月曜日。サッカー部を引退してから二回目の放課後になる。そして同時に、受験戦争で勝ち残るための二回目の放課後にもなる。

「まずは、そうだな。学校が終わったら自習室に直行して英語の講義の予習する」

「拓真君。明日は英語なんだ?」

「ああ、秋までに苦手科目を克服したくてさ。清美はどうするの?」

「明日は講義ないけど、数学の復習をしようかなって」

「じゃあ、また自習室な」

「うん。あ、そうそう。また私の背中を見つめるの?」

「え!? いや、もうしません」と頭を下げる。

「……冗談よ、冗談。それとも本当に見たい?」

「見せてくれるの!?」

「切り替わり早いね。それも冗談に決まってるじゃない。ベスト着ていこっと。じゃ、また明日ね。バイバイ」

 そう言い残して清美は駅のホームまで走っていった。



***


 上村は、拓真に彼女ができたことをまだ知らない。拓真はちゃんと話すだろうか。

 二人は放課後の屋上にいる。俺は扉の影に隠れて聞き耳を立てた。

 


***


 私は拓真君を求めたいあまり、受験で忙しい彼を半ば無理やり屋上に連れてきた。

 これから、私は告白するんだ。

 もしかしたら受験より緊張するものではないだろうか。そう思う。

「話しって、何?」

 放課後の太陽に照らされている拓真君は、いつもより綺麗だなと、女の私でも思ってしまう。

 何とか普通にできないものかと思いながら緊張感を隠すのは、予想以上に大変なことだった。

「三原君……うぅん。拓真君!」

 私は思いきって彼に告白した。



***


 真司の言ったとおりだった。

 紫園からの告白を断ったら、彼女は涙を流しながら、それでも何も口から出さずに走って屋上の出入り口へと消えた。

 僕は本当に残酷だ。今まで散々紫園に期待させておいて、彼女ができた瞬間これだ。

「よぉ、優柔不断魔」

「真司……」



***


 受験生にとって一番嫌なこと。それは時間の経過が早すぎるということ。限りある時間の中で苦手科目を克服し、得意科目をもっと伸ばすということは、並大抵なことではない。

 でも私が拓真君の家庭教師になってから、彼の成績は短期間でグンと伸びた。

 冬に突入したばかりの時期、彼の最後の全国模試の結果、第一志望校がA判定だった。私は嬉しくなってきた。

 ただ、不安が一つある。それは拓真君と同じ学校に通う上村紫園だ。

 拓真君は、彼女に告白されたけど断ったと、言っていた。以降、彼女と笑って会話することはなくなったという。

「その子に、悪いことしちゃったな」

「悪いだなんて思うこと、ないんじゃないかな。だってこればかりは当人の心の問題であって、別に清美が悪いって思うことはないさ。

 真司は上村のことが好きだからさ。どうにかなるよ。

 それよりも僕は君に約束するよ。同じ大学に行くっていう約束を」

 私は拓真君とささやかな、叶わなくなる約束をした。



***


 清美から告白されて半年が過ぎ、一月になった。彼女はセンター試験で、僕は一般入試で受験を終わらせるつもりだ。

 初詣は僕と清美、真司と紫園の組み合わせだった。清美と紫園は初対面だ。

 最初、僕は面倒なことにならなければいいなと思っていた。紫園の告白を断ってから彼女と直接話すことがなくなったからだ。

 ただ、真司が紫園と付き合うようになった。間接的だが、またいつものように三人で会話することが可能となったので、いらない心配に終わった。

「千石と紫園がこんなに早く仲良くなれるなんてな」

「ああ、予想外だったぜ」

 二人は一緒に神社のおみくじを引いている。

 不確実で不安定で、謎めいた未来に心を躍らせながら……。



第二部『別れと再会』


 あの日から、私は飯嶋君にもシィちゃんにも、そして拓真君のご両親にも会っていない。それどころか、高校生活を共におくってきた友達とも会っていない。

 怖い。ただ怖かった。拓真君との思い出で悲しむことが、私には耐えがたい恐怖だった。


 それからの私の心は、終わることのない冬をまとい始めた。

 アルバイトや大学のレポートに追われる毎日をおくっているが、ふとした瞬間に無表情な拓真君が脳裏をかすめるのだ。

 そういうとき、一日、私は孤独感と無力感、そして絶望感に支配される。

 そして気がつく。もう、拓真君の声をすでに忘れてしまったことに。だけど彼との遠い過去は、忘れられない。それどころか悲しみと憎悪で色濃く頭の中に蘇ってくる。

 私は、どこで何を間違えたのだろう。なぜ復讐は許されないのだろう。なぜ被害者が耐えなければならないのだ。

 小さなアパートで、天井をジッと見つめながらそんなことばかり、今日の私は考えている。

 『なぜ』がつきまとう。

 いったいなぜ、こんなありえない現実に迷い込んでしまったのだろう。


 気晴らしにタバコをくわえ、新聞受けの中をチェックしようと外に出た。

「……憎らしいくらい、綺麗な夕焼け」

 拓真君は夕焼けが好きだったことを、私は思い出した。

 彼の部屋の壁にはたくさんの夕焼けの写真が貼られていた。

 思い出したくないけど、思い出さずにはいられないし、それを大切にしたいという気持ちも、心の片隅にあった。

「ねぇ、拓真君。何で目を覚ましてくれないの? このままじゃ、約束……」


 ――約束。そうだ。拓真君はまだ約束を守ろうとして、目覚めようとがんばっているかもしれない。それで私の脳裏に現れるのか。


 私は明日の朝一番に病院に行こうと思った。



第三部『目覚めぬ約束』


 僕は毎日、お兄さんのお見舞いに行く。たまにお兄さんの家族や友達と会うこともあるが、千石さんというお兄さんの恋人とは会えないでいる。

 たぶん現実が辛すぎて、そしてむなしくなるからだと思っている。


 さぁ。今日もお見舞いだ。

 僕はできるだけ質素な服装をする。黒い長袖とジーンズ、黒のシューズ。いつも遊びに行くときはアクセサリーもつけたりするが、そんなふざけた姿で僕は恩人の前に出るつもりはない。

 玄関から外に移る。今朝の天気予報では午後から雨が降るとあったが、午後四時現在、空は快晴だった。

「なんだろう。空が、いつもと違う気がする」

 今日、何かが起こる。そう、確信した。



***


 面会時間終了まで一時間。

 私は受付で尋ねた病室の前にいる。〝三原拓真〟という名札が貼られている病室の前だ。

 一つ息を吸い、そして吐く。それからノックをして仲に入っても大丈夫か合図を送る。しかし聞こえる音は何もなかった。

 それから数秒おき、病院の壁と同じ白のスライドドアを滑らせた。

 四角い病室の壁際にベッドがあり、彼が眠っていた。

 夢に出てくる、あるいは脳裏に浮かぶどの拓真君よりも、目の前の拓真君は優しい顔をしている。

 その時だった。

「もしかして、三原さんの……」

 後ろから声がした。少年の声だ。数年前よりもどこか大人っぽい低い声だ。

 振り向くとやはり、サッカーボールを持った少年が立っていた。

「あの、僕……」

「大丈夫」

「え?」

「大丈夫だから。拓真君と私はこの先も絶対大丈夫だから、もうそんな顔しないで」

 今の私も、拓真君と同じくらい優しい顔を自然に出せているといいな。

「僕、絶対サッカー選手になります。お兄さんのおかげで助かった命を使って」

「うん。そうして。私はもう大丈夫だから」

 少年の気持ちを許した瞬間、背後で人の動く音が聞こえた。

 ベッドの方へ顔を戻すと、彼がゆっくりと笑っていた。


 そこで私の夢は終わった。



エピローグ


 誰からの許しももらえないのはもちろんだが、許しを与える者も辛い。笑って耐えなければならないからだ。

 それを夢の中で拓真君に教えられたというのに、私はまた根に持ち始めた。だから病院には行かない。大学に行くことにしよう。そして忘れるんだ。あれは現実ではなくてただの空想だと思えるように。

「ねぇ、君。付き合っている人っているの?」

 新学年がスタートして最初のゼミでのことだ。

「私としては残念だけど、フリーよ。試しに付き合ってみる?」

 拓真君との約束が届かない愛の場所まで、私は行くんだ。


最後までお読みいただきありがとうございました。

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