第一話 ローデリッツ走る
*第一話となります。
*ローデリッツとローラのほのぼの日常がメインです♪
*本作品は基本ギャグ&コメディの世界線です。
*シリアス(真面目)要素も若干はあります。
それでは、お楽しみください♪
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ーー♪キーンコーンカーンコーン
辺りに、名門ミレッド女学院の授業終了のチャイムが鳴り響いた。
指定制服、制帽を着たたくさんの女学生たちが校門から出て、馬車に乗り帰る。
ミレッド女学院には、多くの貴族の子女が教養として通う。
赤いふわふわの巻き毛をひとつっこに結び、大きな水色の瞳に長いまつ毛、色白の肌の可愛らしい少女が歩いて来る。
茶色の皮のリュックを背負い、校門前に立つ。
ニコニコの笑顔で、誰かを待っているようだ。
多くの女学生が馬車に乗って帰っているのに、迎えの馬車や使用人の姿は見えない。
艶々した黒色の髪を肩まで三つ編みにし、薄い青の瞳の美しい少女が歩いてきた。
白い肌に金色のメガネが映えている。
クラリス「…良かったらあなたの屋敷まで送って行くわ、ローラ。」
と、クラリスは金色のメガネを指でくいっとしながら言った。
ローラと呼ばれた、赤毛の長い髪の少女は笑顔で首を振った。
ローラ「大丈夫よ!クラリス。今にきっと…」
と、ローラが言いかけた瞬間、ローラの姿はクラリスの目の前から消えた。
見ると、大きな人影がローラに飛び付き、両膝を付いてローラを抱きしめている。
麻のシャツに、黒ズボン、茶色のロングブーツを履き、白いマントで騎士服を包み長剣にしっかり結んで肩に抱えていた。
ローラ「ふふ。…ほらね。お帰りなさい、ローデリッツお兄様!!」
と、ローラは笑顔で抱きしめ返す。
ローデリッツと呼ばれた青年は、目を閉じて強くローラを抱きしめていた。
ふわふわの栗色の短い巻き髪に、鳶色の瞳、細身だががっしりとした体格をしている。
少し少年らしいあどけなさが残るが、外見はとても整っており、綺麗な顔立ちをしていた。
ローデリッツは、騎士学校を卒業したばかりの新米騎士である。
毎日ローデリッツは騎士団本部から、ミレッド女学院まで、
ーー全力で走って来ていた。
必ず騎士団を定時で上がり、全力ランしてくる。
ーー距離は約10キロほどはある。
だが、息切れひとつしていない…。
ローデリッツは、体力は化け物並みだった。
ローデリッツ「ろ、ろろ、ローラ…!!どうか…兄様を許してくれ…今日はお迎えが遅くなってしまった…。鐘が鳴り終わる前に来なきゃならなかったのに…。」
と、ローデリッツは言いながらローラを抱きしめて離さない。
ローラは笑顔で、ローデリッツのふわふわの巻き毛の頭を手でぽんぽんした。
まるで大型犬を、よしよしとあやしているような仕草である。
クラリスは、やれやれと言った風に両腕を組んだ。
クラリス「あなたのお兄様…今日も重症ね…。」
と、クラリスはローデリッツを見ながら呆れる。
金色のメガネを指でくいっと掛け直した。
ローラ「お兄様、今日も騎士団のお仕事お疲れ様!授業は今さっき終わったところよ。…ふふ、お家に帰りましょう?」
ローラは、笑顔でローデリッツの両手をぎゅっと握る。
ローデリッツは涙を拭い、パーっと笑顔になった。
ローデリッツ「ああ、そうだな!今日はローラの好きな夕食にしよう!!」
と、ローラと手を繋いだまま立ち上がった。
ローラ「まあ…いつもじゃないの。もう、お兄様ったら〜!!」
とローラは笑って言った。
ローデリッツと手を繋ぎながら、ローラはクラリスに言った。
ローラ「また明日学校でね、クラリス。」
クラリス「ええ。ローラ。また明日。」
と、クラリスはローラにうなずいた。
ローデリッツは、笑顔でクラリスに手を振り、
ローデリッツ「またな、クラリス!メルヴィルによろしく!!」
と笑顔で言った。
クラリス「…ええ。メルヴィル兄様に伝えておくわ。」(今日もシスコン健在だったことをw)
と、クラリスは迎えの馬車に乗り帰って行った。
クラリスを見送り、ローデリッツとローラは帰り道を一緒に歩いて行く。
ローデリッツ「商店街で、夕食の買い物して行こうか、ローラ。」
と、ローデリッツは騎士服ポーチから、広告チラシを出す。
ローラ「うん。今日は何を買っていくの?お兄様。」
と、ローラがニコニコ聞く。
ローデリッツは、赤ペンで丸印した品を高速で暗記し、ポケットに再び仕舞った。
ローデリッツ「…卵、ひき肉…がセールなんだ。…よし。ローラの好きなハンバーグにしよう!!」
と、ローデリッツは、笑顔でローラに言った。
ローラ「やった!お兄様のハンバーグ大好き♡」
と、ローラは手を繋ぎながら微笑んだ。
ローデリッツ「よしっ!とびきり美味しいの作るからな〜♪」
と、ローデリッツは、笑顔でローラを抱き上げた。
買い物後、2人は夕暮れに染まっていく街の川沿いを、手を繋ぎながら歩いて行く。
街外れの丘の上に、小さな屋敷がある。
ローデリッツの両親が残してくれた、小さな屋敷だった。
日当たりがとてもよく、穏やかな風が窓から入りカーテンを揺らす。
すこし広めの庭があり、剣術稽古用の木の柱が、いくつも地面に刺さっていた。
稽古用の木の柱は、大層傷だらけだった。
ローデリッツの、日頃の剣術修行の真剣さを物語っている。
庭には、小さな花壇や植木鉢がいくつかあり、色とりどりの可愛らしい花が咲いていた。
屋敷の中は、質素で古い作りだが温かみがあり、ゆったりと落ち着いた雰囲気だった。
2人で暮らすには充分な広さの家である。
ローデリッツは、平民家庭の出身である。
両親が早くに亡くなってからは、ローデリッツが家主として切り盛りし、妹ローラを養い育てている。
生活は裕福とは言えないが、2人は毎日仲良く幸せに暮らしていた。
ローデリッツは、自室で騎士服とマントをきちんとしまい、剣を壁に掛けてからキッチンに行く。
ウサギの柄がプリントされた、クリーム色のエプロンを付けた。
手際よく、包丁で玉ねぎをみじん切りにし、挽肉をこねてハンバーグを作り、米を研いで炊飯器にスイッチを入れた。野菜を入れた味噌汁も用意する。
ローラは、キッチンのテーブルで女学院の宿題をしていた。
学業成績はまあまあの方で、勉強が苦手なわけではない。
ローデリッツ「夕飯すぐできるからな!ローラ。あと、勉強分からないところは、兄様に聞いていいからな!!」
と、ローデリッツはフライ返しを持って、笑顔で言った。
見ると、何やらローラは真剣に作文を書いていた。
ーーテーマは「私の好きなもの」…!!
ローラ「私ね、将来お花屋さんになるのが夢でしょ?…お花ももちろん大好き。でもね…1番大好きなのは、…ローデリッツお兄様なのよ♪」
と、ローラは微笑んだ。
ローデリッツはフライ返しを取り落とし、ローラを抱きしめて泣いた。
ローデリッツ「うわあああ……ろ、ろろろろろローラ…!!!兄様も、、兄様もローラが大好きだ!!世界一愛してる!!!」
ローデリッツは、両膝つきローラを抱きしめて離さない。
ローラは、フライパンを指差した。
ローラ「お兄様。フライパンから火柱が上がってるわ。」
ローデリッツ「え…うわ!!」
と、ローデリッツはあたふたしながら炎と格闘し始めた。
ローラは、くすくす笑って羽ペンを取り、作文の続きを書く。
しばらくすると、ご飯が炊き上がり夕食の時間になった。
今夜は、ローデリッツ特製ハンバーグと野菜のお味噌汁、そして身体に良い五穀米である。
(ローデリッツは健康思考w)
ローデリッツ&ローラ「「いただきます!!!」」
ローラ「わあ!お兄様のハンバーグ美味しい♪」
ローデリッツは腕の筋肉を見せ、
ローデリッツ「ふふ。力だけはあるからな!ローラへの愛情もたくさん入れたぞ⭐︎」
と、ローラに笑って言った。
ローラ「お兄様はいつも面白いわね♡」
と、ローラは箸でハンバーグをもぐもぐ食べながら笑った。
ローデリッツ「おかわりたくさんあるからな。ゆっくり食べろ、ローラ。」
ローデリッツは、ローラの頭を優しく撫でた。
実のところ、ローデリッツとローラには血の繋がりはなかった。
騎士だったローデリッツの父が、戦場で泣いていた赤子のローラを保護して、連れ帰ってきたのだった。
幼い頃からローデリッツは、ローラをとても可愛がった。
両親が早くに亡くなってからも、ずっとローデリッツはローラを守ってきたのだった。
ローラ「いつもありがとう、お兄様。」
ローラの水色の瞳が、まっすぐローデリッツを見た。
ーーもう、ウチの子ほんとに世界一可愛すぎる!!!
ローデリッツは、ローラをぎゅーっと抱きしめる。
ローデリッツ「ローラ、だめだからな。外で人の顔をまっすぐ見てはいけないぞ。可愛すぎるから!!!」
と、ローラに真剣に言った。
ローラ「それじゃ、誰とも話ができなくなるわ、お兄様。」
ローデリッツ「クラリスや女学生友達とはいいさ。…問題はだな…」
ーーーピンポーン♪
インターホンが鳴る。
ローラ「あら、もしかして…。」
と、ローラが立ちあがろうとする。
ローデリッツは高速で立ち上がり、ローラの両肩に優しく手を置いた。
ローデリッツ「あれれ?…誰かな〜!?俺が出るから!ローラはゆっくり食事しててくれ。」
と、ローデリッツは優しくローラに笑顔で言う。
それから、高速で玄関に行きドアを開けた。
ローデリッツ「新聞なら間に合ってます!」
しかし、ローデリッツは分かっていた。
ーーチャイムの主が誰なのか…。
玄関の前にいたのは、ローラと同い年位のさらさらの水色の髪、紺色の瞳の美少年だった。
国中の名門貴族が通う、シュレッゼル男子学院の指定制服を着て、ローデリッツを笑顔で見上げている。
庭の外には、立派な馬車が止まっている。
専属使用人が馬車の前で待機していた。
ローデリッツ「なんの用だ?フレッド。」
と、ローデリッツはあきらかに不機嫌な態度で聞く。
フレッドを完全に睨みつけている。
フレッド「こんばんは〜♪ローデリッツさん。ローラはいる?」
と、フレッドは、笑顔で無邪気に聞いた。
水色の髪がサラリと揺れ、笑顔は天使のように美しい。
ローデリッツ「今は会えない。居たとして貴様に合わせる道理はないな。」
フレッド「うわ、怖いなあ…。僕はただ、日曜日にお芝居観に行くから、ローラもどうかなって♪」
と、フレッドは笑顔を絶やさず、ニコニコとローデリッツに言った。
ローデリッツ「日曜日は忙しい。後、その柄にもないあざとキャラやめろ。…見てて痛いぞ?」
と、ローデリッツは、フレッドを見下ろして、早口高速で捲し立てる。
それを聞いて、フレッドは大きくため息を吐いた。
めんどくさそうに制服のネクタイを緩め、両腕を頭のうしろに組み、ローデリッツを見上げた。
フレッド「…あーあ。ローデリッツには見抜かれてんだもん。…困っちゃうな〜。みんなには〝いい子〟で通ってるんだからさ。…もうやめてよ〜。あざといとか。世間体気にしない重度シスコンより遥かにマシでしょ??」
と、フレッドは高速&早口で、ローデリッツに反論する。
ローデリッツはフレッドに歩み寄り、フレッドの両頬を思いっきり引っ張り始めた。
ローデリッツ「…おいこら…どの口が言ってるんだ?こんの…暇さえあればローラを誘ってきやがって…!うちの庭に永久出禁だ!!」
と、ローデリッツはフレッドにブチギレた(w)
フレッド「いだだだだだっ!!何すんだよ、離せ!シスコン貧乏騎士が!!!」
と、フレッドはじたばた暴れた。
騒ぎを聞きつけて、奥からローラが出てきた。
ローラ「まあ、フレッド。いらっしゃい。…どうかしたの?」
と、首を傾げる。
ローラのひとつ結びの綺麗な赤毛が左右に揺れ、水色の瞳が穏やかにフレッドに向けられている。
フレッド「あ、ローラ!!」
フレッドは、素早くローデリッツの脛に蹴りを入れた。(ww)
ローデリッツ「いったぁ!!」
と、ローデリッツはうずくまる。
フレッドは、照れながらローラの前に行く。
そして、ポケットから演劇のチケットを取り出した。
フレッド「良かったら日曜日一緒に…。」
フレッドがローラに手渡す前に、背後からローデリッツがチケットをサッと取り上げた。
ローデリッツ「…ローラ!日曜日は兄様と釣りに行こう!魚がたくさん取れる場所あるんだ!!」
と、ローデリッツはローラに微笑んだ。
フレッド「あ!何するんだよ!!」
ローデリッツが、フレッドにチケットを突き返す。
ローデリッツ「…大好きなキャロライン姉様と行ってこい!…ローラと俺は釣りをしに行くんだ!!」
と、再びローデリッツは、フレッドの両ほっぺをつまむ。
フレッド「いだだだだ!!何すんだよ!!」
ローデリッツとフレッドが争っていると、ローラが片手を頬に当て、困ったように言った。
ローラ「あら…。日曜日はクラリスと一緒に街へ行く約束をしているの。…2人ともごめんなさい。」
ローデリッツ&フレッド
「「な、な、ななな、なにぃ!?!?」」
2人は撃沈した。
ローラはフレッドに近づき、
ローラ「お芝居楽しんできて、フレッド。また今度誘ってね♪」
と、優しく笑いかけた。
それを聞いて、即フレッドは立ち直った。
フレッド「うん!分かった。ローラ、また誘うからね!お隣さんだから、また来るよ!!」
と、フレッドは元気に帰って行く。
ローデリッツは、走り去るフレッドの馬車を見ながら言った。
ローデリッツ「…油断できない奴だ、本当に。何がお隣さんだ…軽く20キロは離れてるぞ!!」
と、腕組みしながら、警戒体制を解かない。
ローラは、くすくす笑った。
ローラ「ふふ。お兄様ったら〜。心配性なんだから。」
と、ローデリッツを見て言った。
ローデリッツは片膝つき、ローラの両手を取ると、
ローデリッツ「心配に決まってる。ローラは…たった1人の大事な妹だからな。」
と、目を閉じてローラを優しく抱きしめた。
ローラ「ええ。…私もお兄様が1番大事よ。」
と、ローラも笑顔でローデリッツに抱きついた。
それから、ローラは思い出したように言った。
ローラ「そうだ、女学院の宿題で、〝家族の絵〟の宿題があるの。お兄様を描いてもいい?」
ローデリッツ「もちろんだ、ローラ。いくらでも描いていいぞ!!」
と、ローデリッツはローラを抱き上げた。
その後、ローデリッツは椅子に腰掛け、絵のモデルをした。
だが、ローラに絵心は皆無で、兄に似ても似つかない絵が出来たのはここだけの話し…。(ww)
ローデリッツ「ろ、ろろろ、ローラは天才だ!!絵のタッチが誰にも真似できないな!!」
と、ローラの頭を撫でまくった。(心底ベタ褒めw)
ローラ「良かった〜。お兄様のムキムキ加減を絵に表現してみたの。」
ローデリッツはうなずき、
ローデリッツ「とてもいい。何より、絵から情熱が伝わってくる。」と、ローラをベタ褒めした。
クラリスが、翌日ローラの絵を見て、
クラリス「…ローラの家族に…ゴリラが居たのかしら?」
(ww)
と、辛辣なコメントをするのはまだ置いておこうと思う。
(完全にゴリラな絵w)
妹溺愛シスコン貧乏騎士ローデリッツと、
優しく可愛すぎな天使の妹ローラとのほのぼの&ドタバタな日常は、
ーーまだまだまだまだ、始まったばかりだった。
ーー
ーー
*読んで頂きありがとうございます♪




