表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

12/17

第十二話「星空の夜」

「お前のことが……」


 カイゼル様が、そう言いかけて止まった。


 城壁の上。

 夜の魔界に、二つの月が出ている。

 霧が青白く光り、地平線の向こうまで続いている。


 散歩が習慣になったのはいつ頃からだろう。

 最初は「見回り」と言っていたが、今はしれっと「今夜も付き合え」と言われるようになった。

 私はそれが嬉しかった。


「カイゼル様? どうかされましたか?」


「……いや」


 彼は空を見上げた。


「……嫌いでは、ない」


「……はい?」


「貴様のことが。……嫌いでは、ない、ということだ」


 私はきょとんとした。


「それは……どういう意味でしょうか?」


「そのまま受け取れ」


「つまり、好きということですか?」


「……そうは言っていない」


「でも嫌いではないということは」


「……うるさい」


 カイゼル様は顔を背けた。

 月光の下でも、耳が赤いのがわかる。


 私は少し考えて、正直に答えた。


「私も、です! カイゼル様のことは、嫌いではありません。むしろ……」


 言いかけて、私も何故か少し恥ずかしくなった。


「……むしろ、とても。好きです」


 風が吹いた。

 青い霧がゆれる。


「……そうか」


 長い沈黙の後、カイゼル様は小さく言った。


「……それは、困ったな」


「困りますか?」


「……処き置に困る、という意味だ」


「どこにでも置いて()《・》《・》ください」


 また風が吹いた。


 カイゼル様は何も言わず、城壁の先を見ていた。

 でも、そのまま歩き続けながら、少しだけ、私との距離が縮まった気がした。


第十二話 完

お読みいただき、ありがとうございます!


「嫌いではない」という告白(告白?)きてしまいましたね……!

カイゼル様の「困ったな」という言葉、これも彼なりの照れ隠しなんですよね。


ルナちゃんもちゃんと「好きです」と言えましたよ!(ナチュラルに)

次回もお楽しみに!ブックマーク・評価お待ちしています✨

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ