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序章

富士見ファンタジア大賞一次通過作

「盗撮?」

 

 普段交わらない二人の声がその時ばかりは揃った。

 読めない。

 表情は読み取れない。姿勢が悪いのもあるが、髪の毛がまず邪魔だった。

 沈黙が下りる。

 来訪者が発したその言葉。二者共々オウムのようにしか繰り返すことが出来なかったのは、何も生徒会二名が揃って無能だからというわけではない。

 その言葉、盗撮、と、自分たちが今いるこの場所、が、あまりにもそぐわなかったからだ。

 発足間もない生徒会メンバー二名が揃って問う。

 来訪者へと。

 依頼者へと。

 自分たち同じ、お嬢様へと。


「女子校で?」





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