表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/10

1.私…転生してしまったようです。

よろしくお願いいたします。

 初めまして!

 私は「佐藤ミク」といいます。

 急にこの出だしはおかしいかもしれないけど、記憶を忘れたくないから少しだけ日記を書くことにしました。

 きっといつか元の世界に戻ったらコレを誰かに見せるかもだし、自己紹介は必要だよね?

 たぶん。

 私は大学一年生になったばかりの女子大生で、趣味はコスプレです。

 はぁ……この世界でもコスプレできるかわからないから、ちょっとだけ悲しくなってきました。


 もうなんとなく気づいてるかもだけど、実は…昨日だったかな?

 たぶん、朝に電車に乗り遅れそうで急いでたら、車に轢かれたんです。


 そして…気づいたら異世界転生していました。


 変なことを言ってるのは分かってます。

 私も最初は現実を受け入れられなくて大変でした。

 だって、この世界で目覚めたら赤ちゃんだったんですもん。

 でも、受け入れてからは、いやぁ~これが異世界かぁ~ってしみじみしてました。

 異世界によくあるような事ばかりでしたから。私の母親らしき人の容姿は絶対日本人じゃないし、話してる内容的に絶対現代人じゃないし。でもなぜかみんなの話す言語は日本語でした。おかげで一からその世界の言語を学ぶ必要はないみたいで、言葉を聞いたときはラッキーって言ってとてもはしゃぎました。まぁ、私その時は赤ちゃんだったので「あ~!!」とか「んきゃ!!」みたいなことしか言えなかったんですけどね!!


 日記を書いている現在の私は三歳です。

 大きくなりましたよね?これがロリか…って自分の姿を見るたびに思います。

 私の容姿はなんと…The・美少女でした(笑)

 凄い綺麗な金髪ロングに端正な顔立ち、鼻も高くてビビりましたね。

 なんてコスプレ向きの顔なのだろうと大喜びしたもんですよ!!

 今後のコスプレライフは安泰確定です。

 うれしい。

 はしゃぐと何事かとメイド達がやってくるので真顔に棒立ちで心の中で喜びましたが…。


 そして私の生まれた家についてですが、母親曰く「普通の血筋よ?」だそうです。

 うまくはぐらかされるので怪しすぎて困っています。

 母の情報を信じるなら、母は王室専属のメイドとして働いていて今は現代で言う育休?期間で、父の情報は教えてもらったことがありません。

 乳母曰く父は滅多に帰ってこないらしい。

 仕事人間ということなのか…。


 最近は情報収集のために屋敷を歩きまわっていることが多いんですが、まぁ…広い。

 迷う。

 にしても…なんか見たことあるんですよね…この屋敷。

 なんだろ…私の好きな女性向け小説にもこんなとこがあったような気が…。

 いや、ありえない。うん。

 .

 .

 .


 日記をつけ終わり、とりあえずここまでにしようと「ミク」は本を閉じる。

 この世界に来てから戸惑いが多くて大変だったなと振り返りながら書いていたのでなんだか泣けてくる。

「頑張っている自分に褒美を上げたい気分だわ…」

 まだ三歳の肉体に中身は二十歳近い女が入っているのだから大変な事も多かったり、異世界なのだから違和感があって当然なのだが、日記をつけると嫌でもここまで成長した自分を実感してしまう。


 少し涙ぐんでいるミクはベッドの上で日記を書いていた。

 日記を書き始める少し前に乳母が来てくれて、ミクを寝かしつけてくれたが、その時は日記をつけたいがために睡魔と戦いながら寝たふりをした。

 そうして現在は無事に日記をつけることに成功したのである。

 しかし、今度は日記をつけた本を隠す場所に困ってしまった。

 2,3分ほどつかって悩みに悩んで、とりあえず手の届く範囲にあるクローゼットの奥に置くことにした。ボリュームのあるドレスやら、普段着やらがうまく本を隠してくれるだろう。


 これで今日やることはやり終えたので再びベッドの上にいく為に椅子をよじのぼると、そこからジャンプしてベッドに飛び込んだ。

 身体をベッドに預けてから、ミクは明日の予定を思い出した。

「明日はたしか…お母さまのおちゃかいがあるんだった!

 ということは…じゆうだ!!」

 母親が親友とのお茶会に数時間だけ出かける、そして父親は仕事で滅多に会わない。

 つまり…屋敷には誰もいなくなるのだ。

 もちろん、使用人はいるが…。

 明日はこの世界についての情報収集できるかもしれない。

 情報収集となれば図書室だろうと決め、すぐにそのまま三歳児の強い眠気に任せて目を閉じた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ