リザーナパーティー
ジャバウォック【魔物】
オオムカデの様な長い身体と異様に発達した前足なのか腕なのか理解されていないが鋭い鉤爪と顎の横にムカデの様な鋭い牙のようなモノで人を真っ二つにしてしまう。
湿地帯や湿度の高い洞窟を棲みかにしており縄張り意識が異様に強い。魔石などの鉱石を食べる為、一部の研究者からは上位飛竜の変異種ではないかと言われている。
首を撥ね飛ばせてもものの数秒でくっついてしまうため不死身の魔物とメルディアに言われているが、首を首を撥ね飛ばせた冒険者はメルディア意外に実在しない。
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ミックスらが東の大草原に向かうと既に大草原は惨劇となっていたのだ。胴体を鋭利なモノで、真っ二つに斬られた者や鉤爪で斬り裂かれた冒険者達の骸があちこちに散らばっていたのだ。
目の前の惨劇にリザーナはミックスにしがみついて顔を反らし、シルビアは酷さゆえに口元を押さえていた。
先に向かっていた有翼人の騎士団長・アルビアンがミックス達に気付いて近づいてきたが、ジャバウォックは現在、北山の鉱山洞窟の跡地を棲みかにしているようだと情報を提供してくれたのだ。
勿論、ガルディアの騎士団長としてこの惨劇を目の辺りにして黙ってはいられないだろう。
だが、洞窟内部では有翼人が得意とする高速飛行を活かした戦闘が封じられてしまうので、並みの冒険者レベルでしか戦えない事を理解していたアルビアンはミックスの強さを身をもって知っている為にジャバウォックの討伐を託したのであった。
アルビアン達の騎士団に冒険者たちの骸を葬る様にメルディアが指示を出すとジャバウォックが棲み着いているであろう北山の鉱山洞窟に訪れるとシルビアは罪悪感からミックスとリザーナに平謝りし、エレーナは懐かしがってゲラゲラと笑いだしていた。
事情を唯一、知らないメルディアに事情を話すと大爆笑されたのであった。
ミノアの大秘宝は価値としてかなりの高額であると噂されていたのだ。
それこそ、人間が『一生遊んで暮らせる額』はあると大秘宝や財宝という伝説級の代物を借金や王女の誘拐の償いとしてしはらってしまい、それを一瞬で使いきってしまったのだ。
そのせいで長い間、馬小屋で生活をしていた為に馬小屋の主さんには何だかんだとお世話になった為に何らかの形で贔屓をしているのだ。
そうこう話していると、問題の元凶が棲み着いているであろう北山の鉱山洞窟に突入する前にジャバウォックがどういう魔物がメルディアから情報を提供して貰い対策を立てるのであった。
勿論ではあるが、リザーナが単独突入するのは事前に予測できていたので胡座をかいてその上に乗せ、片腕で動きを封じ込める対策をした。
「そうやね…ジャバウォックは良く解らへん魔物が正しい答えやな…。ジャバウォックの討伐は一筋縄ではいかんねん…」
「その口振りだとメルディアはジャバウォックと戦った事があるって事だよな…」
「エレーナ、普通に考えたらゴリさんやグランドマスターから畏れられてる存在だぞ?俺はメルディアなら北山の山脈に一人で竜種の討伐に来てても不思議ではないと思うぞ?」
「普通に失礼なのは承知ですけど…メルディアさんなら…」
ミックスの言葉にシルビアは困りながらも同意し、リザーナも頷き、エレーナも納得したような顔を見せるとメルディアは自慢気にしたことがあると豪語するが、ジャバウォックの討伐は自分一人では無理だったというのだ。
まず、ジャバウォックという魔物は大型のムカデの様にとても硬い甲殻で覆われている為に剣や槍などの通常の攻撃が全くといって通用しない相手だというのだ。
魔法攻撃には態勢が余りない為、ダメージを与える事は出きるが巨体な上にとても動きも速い為に魔法を当てるのが至難であり、何より厄介なのは異様に発達した前足なのか腕なのか理解されていないが鋭い鉤爪で切り裂いてくるだけでなく、ムカデの様の鋭い牙のようなモノで捕まれた最後身体を真っ二つにされてしまうそうだ。
そして、厄介なのは例え、ジャバウォックの首を切り落としても死なないという事だ。
つまりは不死身の身体を持つ魔物を討伐しなければならないのだ。
「えっ…じゃあ、どうやって討伐するの?」
「逆にこっちが聞きたいわ!アイツ何度も首を撥ね飛ばしても、ものの数秒でくっつきよるから先にこっちの魔力が尽きてまうからな…
遭遇したら死ぬまで戦わなきゃならん魔物やねん!!だから、魔物の高位階級の魔物やねん…」
「… 少なくとも、メルディアはジャバウォックの首を撥ね飛ばせる魔法で何度も首を切り落としたって事だよな」
「まぁ、やれるだけの事をやっては見よう…だが…リザーナやシルビアを連れていくのは危険じゃないか?」
ミックスは魔物である自分やメルディアやエレーナは兎も角、シルビアやリザーナが狙われた時の事を考慮すると、無理はさせずにガルディアで待機して貰った方が良いのでは無いかと提案したが、2人はそれを否定した。
そもそも、本職である冒険者家業を疎かにしてしまったのは自分の欲求もあるが、時間を見つけて闘技場などで訓練をしていたから大丈夫だというシルビアとミックスらを信頼しているから大丈夫だと能天気に答える2人にミックスは溜め息をついて折れてしまったのだ。
エレーナとメルディアは何だかんだでシルビアやリザーナを大事に思っているミックスをニヤニヤしていると、リザーナが思い出したかの様に『ミックスと一緒に寝たときに後500年してから抱いてやるって言われた!!』と嬉しそうな声で暴露したのだ。
慌ててリザーナの口を塞ぐが、3人は悪い笑みを浮かべながらこの件が片付いたら根掘り葉おり聞き出すから覚悟しておけと笑みを見るのであった。
今の状況を傍から見れば、とてもこれから高位階級の魔物を討伐するパーティーには見えないだろうが、これがリザーナパワー日常であるために必ず護ると心決めていざ、ジャバウォック討伐を始めるのであった。
よくよく考えたら 水妖魔って普通に剣とか斬られても身体が水だから無敵じゃねぇか…メルディア姐さん無敵にしすぎたかな…




