ジャバウォック
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急遽して緊急の会議を開くことになり、ガルディア城無いにある大会議室には大臣らと各族長、ギルドマスターのゴリガンとレオーネ、そして専属冒険者パーティーのリザーナ達が招集された。 議題は東の大草原に突如として現れた魔物・宝石蛙と宝石兎の移動という異変についてである。
本来の棲みかである湿地帯や湿度の高い洞窟に生息から何故移動してきたのか早急な調査が必要があるのだ。
そして、何よりも幻獣神の一人であるジズが宝石蛙の宝石から微量であるが、竜種の魔力を感じるという事が問題なのである。
竜種の魔力を帯びた魔力を持った宝石を宿しているということは北の山脈で何らかの変化か起きて可能性があり、その影響で北の山脈地帯に隠れていた宝石蛙と宝石兎が草原地帯に現れるようになったのかという可能性があるのだ。
冒険者の情報で知られている棲みかである湿地帯や湿度の高い洞窟があるガーデブルグ城から更に北東側にある【オルドロール湿原】で何らかの異変が起きているも可能性があると推測された。
だが、メルディアは【オルドロール湿原】の異変に心当たりがある様子であった。
「いや~それはどうやろうな~あっこの天敵の
大顎沼竜は皆、獣人化させて 海辺の大都市に連れてきてからなぁ~…」
「… そういえば、大顎沼竜の下に宝石蛙がいる場所でしたもんね…けど、メルディア様が驚異を排除した事で大量に繁殖していると言うことは…」
「それなら先に、ガーデンブルク王国や 海辺の大都市周辺で先に目撃されるやろ?
けど、ミックスはんが討伐したのは、東の大草原の北の山脈付近や…」
「確かに、天敵がいなくなったのにわざわざ何週間もかけて水辺も湿度の高い洞窟があるわけでもないですし…」
確かに、本来の好みで棲み着いている場所である湿地帯や湿度の高い洞窟という条件を東の大草原も北の山脈も条件を満たしていない。
そもそも、ガーデンブルク王国の冒険者ギルトや海辺の大都市周辺での目撃されたという情報は出回っていないのだ。
仮に宝石蛙が大量繁殖してもガーデンブルク王国が軍隊を上げて討伐して国や資金作りの為に討伐されてしまうだろうし、そもそも警戒心強く余程運が良くなければ会えない希少魔物と呼ばれているくらいだ。
逆に竜種が根城にしていること以外の情報がない山脈に【オルドロール湿原】の様な場所がありそこから出てきた可能性があるとメルディアは推測するとジズもそれに同意した。
北の山脈は標高が高く、険しい山々が集まっているが、場所によっては渓谷の様な場所があっても不思議ではないというのだ。
「つまりは北の山脈に調査しに行って原因を探った方が確率は高いと言うかとか…?」
「そうなりますね…ですが、有翼人の精鋭部隊でも調査するのは困難で未開な地であるのは間違えありません…」
「一言で竜種と纏められてはいるが、互いに協力関係をしている訳ではなく縄張り意識が強いみたいでな…」
ラーゼルは1度、火炎の竜と遭遇したことがあるが、その時に別の個体と遭遇して縄張り争いをして難を逃れた経験がある為、北の山脈の調査は危険だと警告をしたのだ。
しかし、不吉な予兆であるかもしれない為、国として何らかの対策はしなくてはならない。
メルディアはミックスらと顔を見合わせて調査に乗り出した方がいいかマルセル国王とジズ女王に尋ねてると、2人は顔を見合わせてた。
今の所はまだ何も起きていないが、今後の事を考えると放っておける問題ではない為に、ミックスらの竜種の根城である北の山脈の調査依頼を頼もうとした時であった。
扉が慌ただしく開いて、見張りをしていた兵士達に支えられて、一人の冒険者が傷だらけで現れたのだ。
その冒険者は怯えた様子で口を開いた。
「ゼェ…ハァ…た、大変です。じ、ジャバウォックが現れました…」
「じ、ジャバウォックだと!?」
「ミックスはん、急いで東の大草原に向かうで?
ジャバウォックはアカンわ。並みの冒険者や敵わへん魔物やねん」
「なんだ?ジャバウォックっていうのは…」
ジャバウォックは強力な爪と顎を持ち、口が突き出ていない竜の様な姿をしているが、大百足の様に湿地帯や湿度の高い洞窟に好んで棲んでいる魔物であるが、主食は魔石などの鉱石で縄張り意識が強い魔物であるというのだ。
つまりはジャバウォックが縄張りした場所にいた・宝石蛙と宝石兎が東の大草原に逃げてきたと言うことになる。
今は熟練の冒険者達が足止めしているが長くは持たないと伝えると、ジズは先に有翼人の騎士団に向かわせるようにリザリーに指示を出して直ぐ様それに従うとミックス等も東の大草原に早急に向かったのであった。