異変の前触れ
宝石蛙
大型のヒキガエルの魔物で皮膚に巨大な宝石を育ててその大きさや輝きによって雌がモテたり雄がモテたりとする魔物。舌での補食が驚異だが、重い宝石をつけているため動きが鈍い。
宝石兎
小型ですばしっこい上に中々捕らえられない魔物であるが、宝石を身体纏っている為、その頑丈さをいかしての突進や蹴りが驚異の魔物。
雌の兎をエサに誘き寄せる事も出来る。
*********************
多種族共存国家【ガルディア】の繁栄に貢献したミックスらは働かなくても飲み食い出るだけの蓄えが出来た為に先にはミックスとリザーナのみで東の大草原の魔物討伐を行うようになってしまった。
だが、最近やたらと珍しい大型の蛙が現れる様になった為、何体か倒して死体を魔核にしまい込んでメルディアに確認して貰う為にガルディア城に向かったのであった。
ガルディア城に着くとメルディアがルイ王女に魔法の特訓をしているが、 上位個体である上位飛竜の討伐時よりも魔法の制度や威力が上達していたのだ。
メルディアはルイ王女の魔法のセンスを見抜いて鍛え上げ成果が出ると褒めて伸ばす方針を取っていた。
そして、ミックスらに気付くと何があったのか尋ねると、ミックスは東の大草原でと討伐した珍しい大型の蛙の魔物を魔核から取り出すとメルディアは珍しく驚いた顔をしていたのだ。
「これまた珍しいな…宝石蛙いう貴重な魔物やで?」
「そうか…後二体いるんだが…食えるのか?」
「ミックスはんな~金貨や宝石類を守護しとったのに興味ないんかい…金になる魔物やで?」
「飯食うために金は入るし、人間の国で生きるのにいると言うことは理解している。そもそもリザーナの借金とルイ王女の誘拐で即行で使いきって一文無しだった頃あるからな…」
ミックスが 異種連邦国の専属冒険者になる前の苦労を振り返っているとリザーナが宝石蛙という魔物が珍しいとはどういう事が聞くとメルディアはミックスに宝石蛙に着いた宝石を外すように伝えると力ずくで外して巨大な宝石を地面にそっと置いた。
「見ての通りや。身体に巨大な宝石を育てる大型のヒキガエルの魔物やねん…けど、東の大草原におったんか?」
「あぁ、普段の蛙の魔物よりも変なやつがいたからな…何かの前触れかと思ってメルディアに聞いた方がいいかと思ってな…」
「まぁ、それは正解やで?そもそも宝石蛙は湿地帯や湿度の高い洞窟に生息する魔物やねん。東の大草原にはこの魔物が好む棲みかがあらへんはずやねん…」
「後、似たような小さい宝石着けたウサギもいたな…」
ミックスが見た宝石を着けたウサギは宝石兎という魔物らしい。
この二匹は別名幸福の魔物と呼ばれており、その宝石を売れば遊んで暮らせる富が得られるというのだ。
直ぐ様、冒険者ギルドにその情報を提示すると冒険者達が我先にへと東の大草原に向かってしまったのだ。
確かに、新しくなったガルディアでいい思いをしたならば、ある程度の資金は必要であるのだ。
そもそも宝石蛙は討伐ランクもCランクで宝石兎はDランクとそこまで高くない魔物である為、パフパフ屋常連冒険者達は目の色を変えて討伐依頼向かったのだ。全ては欲の為にだ。
だが、本来生息していない魔物が何故現れたのか調査する必要があるために元々の棲みかである湿地帯の調査と東の大草原の異変の調査を掲示するとそれも多くの冒険者が自注して調査へと乗り出したのであった。
メルディアは念の為にマルセル国王とジズに今回の件を報告する為にガルディア城に向かうのでいつもの様に酒樽に入るとミックスに運べと樽の淵を叩いた。
「そういや、メルディアは最近は誰に運んで貰ってるんだ?」
「そんなもんグリオンはんに決まとるやん?サビーヌはん同様にルイちゃんの護衛やで?」
「私らってミックスに乗せて貰って移動するのが当たり前だもんね…」
「普通に歩かせたら時間が掛かるしな…」
元を辿れば、ミノアの大迷宮から地上に出る際にリザーナが余りにも遅くて戦闘時にも側にいないと魔物を呼び寄せる為、肩車や片手で戦斧を振り回せれば充分であった為、リザーナの様な小柄な者を乗せて運ぶ事になれてしまったのだ。
ガルディア城に続く階段を上がり、王座にはマルセル国王とジズ女王が鎮座してる王室に訪れるとミックスらは控えて今回の件を報告書としたが、マルセル国王やジズ女王は今更そういった間からではないのでやめてほしいと懇願されたのだ。
メルディアも一応の体裁としての形としてやってるだけど納得して貰いミックスらが討伐した
宝石蛙の宝石を見せるとジズが顔色を曇らせた。
宝石蛙の宝石から微量であるが、竜種の魔力を感じるというのである。
つまりは宝石蛙や宝石兎は北の山脈の竜種の棲みかから移動してきた個体であり、竜の根城の山脈で異変が起きているとジズは直ぐ様、緊急の会議を開く準備をするようにマルセルに告げるとマルセルと同意して大臣や各族長やギルドマスター、そして専属冒険者パーティーとしてリザーナパーティーが久しぶりに顔を揃えたのであった。




