メルディア大改革作戦始動8(完)
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ルイ王女の継母になるためにジズはマルセル国王に求婚を迫るようになったのであった。有翼人の雌は基本的に2種類のタイプに別れる。基本的な有翼人の雌は受け身であり、雄の求婚を受け入れたらされるがままのタイプと、自らが雄襲って求婚というなの夜這いを掛けるタイプがあるという。
ジズは後者の有翼人のタイプである為、マルセル国王は毎夜、城に訪れるジズに困惑しつつも、娘であるルイ王女が扉の隙間から覗き、親指を人差し指と中指で挟みやれと微笑んで気付かれないようにそっと扉を閉めたのであった。そして…
「えー…この度、異種連邦国現・国王マルセルとガルディア連邦国・現女王ジズが正式に婚姻関係となりましたので…」
「流石です!ジズお母様、女は男を押し倒せを見事に実現して見せましたね!」
「そうよ…ミックスは無理だったけど…この幻獣神ジズは何人もの男を押し倒してものにしてきたのよ…ルイ、覚えておきなさい。好きな男が出来たら押して押して押し倒してものにしなさい!!」
「はい!!ジズお母様♪」
等々、ジズの誘惑に負けたマルセル国王は再婚して異種連邦国とガルディア連邦国の国王を兼任することになったのであった。勿論であるが、ガルディア連邦国の族長達も困惑していたが、そもそも他種族との交流と恋愛の自由化はジズが求めていた事等で反対するものはいなかった。
寧ろ、国王として両国を平和で豊かな国にするために各族長や大臣らに力を貸してほしいと頭を下げ、新たに民になった者にも今まで通り平和のために力を貸してほしいと演説をするとマルセルの言葉に嘘偽りが無い為に両国の国王として君臨する事になったのであった。
「いや~まさか、ジズ様とマルセル国王が再婚されるとは…流石のウチでもここまで読めへんかったわ~」
「つーか、この場合マルセル国王やジズもだけどよ。どっちの城に住むんだよ?」
「あー…ガルディア城のが色々と広いからそっちに行くみたいでな?異種連邦国の城はドワーフらが改装して宿泊施設にするみたいやねん…」
「なんかガルディア連邦国と国交開く処か合併しちまったじゃねぇかよ…」
メルディアの計画ではガルディア連邦国と上手いこと付き合っていければと思っていたが、色々と手回ししたことによって繋がりが増えた事に寄って国の拡大化に成功してしまったのだ。
ミックスとリザーナの魔力のおかげで南の支配領域を守る防壁を作り出すことが出来た為に作物を育てる広大な土地を確保する事ができ、貿易輸送路等の設備などもマルセル国王の手腕によって計画されメルディアが助力するなどして西側の巨大な国家として生まれ変わったのであった。
「これで後は東側の人間らとも上手く貿易出来たら色々と都合がええんやけどな…西側のベヒーモス様の動きも気になるし…北の竜種も無視できんからなぁ~」
「その辺りは大丈夫じゃねぇか?ミックスに私にレオーネにメルディア、更にはドライアドや強い獣人達がいるし…」
「確かにな。戦力的に申し分ないからな…」
「それはエエけど…折角広い土地貰ったのに何でミックスはんは穴蔵に籠っとるんや?」
今回の功績でミックスらは異種連邦国の西側一帯の土地を所有地にする権利を得たがこれと行って暮らしを替える気は全くないが広くなった土地にシルビアの専門の服屋とはキームの薬局の増築と、世話になってる馬小屋の主に土地を分けて今まで通りの生活を続けていたのだ。
正直にいって屋敷にはどうにもなれないため、ダンジョン作成で地中に掘った根城が一番落ち着くのだ。
メルディアは今回の功績でガルディア城で住み込みでルイ王女の講師を頼まれていたが、それを断りミックスらと屋敷に暮らす選択をしたのであった。
また、ルイ王女も泊まりにくる際には、グリオンやサビーヌが同伴して泊まりくる事をマルセルとジズが承諾してルイ王女の脱走劇もなくなったのであった。
「それにミックスはん、レヴィアタン様からだけやなくてジズ様からも魔力を貰ったしな…」
「今回の功績で幻獣神二人から褒美を貰った事になるな…」
「流石私のミックスだ!!!」
「ハイハイ…相棒として嬉しいのはわかったからな?」
ミックスの戦斧には幻獣神ジズの魔力を込められた青の魔核がレヴィアタンから貰った赤の魔核の下に輝いていた。
斧頭の中央には赤と青の強力な魔力を纏った魔核が備え付けられているのだ。
何よりもリザーナらが今回の事が切っ掛けで故郷に戻れる切っ掛けにもなったのでミックスは内心喜んでいたが、それを表に出すとリザーナやエレーナが弄ってくるのが目に見えているので普段と変わらない生活を再び送り始めるのであった。




