面倒臭がらずに片付け無かった結果
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グリオンはララとココンに事情を聞き、共に魔方陣に入って転送して貰うと、そこはかつてミックスが守護していた場所に通じていたのであった。
ミックスが懐かしいと感じているとグリオンの怒鳴り声が迷宮内に鳴り渡っていたのだ。
グリオンの目の前には薄い紫色のロングヘアーとスタイル抜群の身体と鳥の脚とリザリーよりも大きく白く美しい翼を持った美女こそ、種族同盟国家『ガルディアン連邦国』の女王にしてレヴィアタンと並ぶ天空女王の称号を持つ幻獣神の一人であるジズが正座させられて怒られている状態であるのだ。
「…ジズ様、俺は何も貴女様に趣味をやるなとは言いませんが…3日間も女王の仕事を放置してなにをしていらっしゃるのですか…?」
「えっ、…え~っとね…?その…ミノアの大迷宮にミノタウロスがいないのを確認したら帰るつもりだったのよ?
けど、誰に邪魔さずに趣味の部屋が欲しかったから丁度いいと思って改装してました。
そして、小説のネタに使おうと色々と迷宮を調べてたら、丁度いい雌の大蜘蛛が現れたから…その~魔力を与えて進化させてアラクネにして…」
「ジズ様から縛りプレイ?を教えて貰ってた!」
 
「… ジズ様、帰ったらみっちりと説教させて貰いますからね…?」
グリオンは威圧感を与えてジズは女王ではなく父親にが我が儘を縋る娘の様に振る舞っており、その様子を隣で進化したばかりのアラクネが不思議そうに見つめていた。
事の発端はミノアの大迷宮からミノタウロスが去り、異種連邦国の専属冒険者パーティーの一員になったことを知り、それが事実か確認をすると書き置きを残して自らが暮らす天空城を勝手に抜け出したのだ。
直ぐ様、【ミノアの大迷宮の最奥部】へと通じる魔方陣を作り出して内部を確認してミノタウロスと財宝がない事を確認してここを官能小説の仕事部屋にしようと勝手に決めたのであった。
その時にたまたま部屋に来た雌の大蜘蛛に魔力を注いで蜘蛛の上位種であるアラクネに進化させてたが、官能小説に必要な性行為な知識がなく、色々と教えている段階でグリオン達にバレてしまったと言うわけだ。
しかしながら、大迷宮を攻略しても済んだのでよしとするが、一つだけ疑問が浮かんだ。
ジズはどうやって【ミノアの大迷宮の最奥部】に転移出来る魔方陣を繋げる事が出来たのかという事である。
「だ、だって~!!今まで魔方陣あったのは知ってたけど何百年も重量オーバーで使えなかった魔方陣が使えたんだもん!!
好奇心や探究心が動いて仕方無かったんだもん…」
「…… おい、メルディアさんよ?魔方陣の重量オーバーって存在するのか?」
「そんな普通はないで?荷台車に荷物満タンに乗せても移動は可能な筈やであれは…?ただ目茶苦茶に
その場所に荷物とか何かしらの重いモノを乗せてると使えへんけど… 」
「…ねぇ、ミックス。もしかして彼処って金貨や宝石類を山積みにしてた場所じゃ無かったけ… ?」
リザーナのいう通り、ミノアの大秘宝である金貨や宝石類が部屋に溢れかえっており、自分が寝る寝る時や冒険者パーティーとの戦闘の時に邪魔でしかなかったのを思い出したのだ。
恐らくはミノアのゴブリン達が金貨などを入れる為に設置されていた魔方陣の部屋であったが、ミックスには『邪魔で守らなければならないモノ』程度だった為、金貨や宝石類がまったく置いていなかった部屋に詰め込んだ記憶がミックスにはあったのだ。
つまりは、リザーナとミノアの大迷宮を出る際に金貨や宝石類を全て持ち出していた。
永い事、金貨や宝石類を山積みにしていた事で重量オーバーになっており、使えなかった転移の魔方陣が何百年越しに片付けをされて使える様になった為、ジズの魔力に反応して何百年振りの役割りを果たし始めていたのだ。
「… もしかして、ミックスはん。拠点移動の部屋に金貨や宝石類を無茶苦茶つめこんどったんか…?」
「私が来た時には奥のあの部屋に山積みにしてあったよ?少し金貨が雪崩れてたぐらいに…」
「…元々あそこに拠点移動の魔方陣があるのは知とったけどな
何故か、高位な魔力を持ったウチでも使えんかったからあの祠から探索したのは覚えとったんやけど…
ジズ様が魔方陣を新しく作り替えてくれとって気づいたしな。
またまた 小猫族の2人が丁度良くきてくれたからなぁ~感謝な~
ダンジョン探索に何週間、何ヵ月掛かるかわからんし…」
「… もしかしてあの魔方陣さえ、機能してたら、他の冒険者パーティーとも戦えてたんじゃ… 」
ミノアの大迷宮の守護者として戦ってきた冒険者パーティーは殆どがエルフばかりで人間の冒険者は一回死にかけの盗賊を倒した程度であった。屋敷でも片付けの際にはフィリーに良く注意を受けていたのでミックスはこれからはちゃんと面倒臭がらずに片付けをしようと心に誓ったのであった。
物おき部屋とか押し入れの状態見て思い付きましたw




