樹木のヘンリー爺さん
樹木ヘンリー
元々は南の森の管理者でそこそこ強い魔物であった。ミノアの策略により【ガルーシャ大洞窟】で魔鉱石を作らせれる為に動けない様に足の根っこと手の枝を切断されてしまい長く洞窟にひとり寂しく眠っていたが、ドライアドの頼みでミックスの出鱈目な魔力を注ぎ込む者が地上にいるようで…その影響で目覚めてしまった。気さくで話を聞いてくれる優しい魔物である。
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メルディアとともに再び【ガルーシャ大洞窟】の再調査と探査を行っていたミックスであったが、突如としてメルディアが水の攻撃魔法を放ち、壁が崩落するとそこには大小無数の魔鉱石の巣窟となっていたのだ。
海辺の大都市でメルディアから学んだのは魔鉱石は魔脈といってその地から発生する魔力を何千、何万年と時間を掛けできる代物であり、または強力な魔物が持つ魔力量に当てられて急成長する2種類があると教えられていた事があった。
「メルディアよ。この場合はどっちだ…?」
「う~ん…敵意はなさそうやで?」
「フォフォフォ…まさか、見つかってしまうとはのぉ~中々良い魔力感知を持ったお嬢さんじゃの~」
ミックスとメルディアの前には石壁に挟まれた人面樹である『樹木』という魔物らしいが敵意はなく、見つけてくれた事を素直に喜んでいる様子であった。
良くみると岩石で身体を固定されていており、この場から逃げ出させない様になっていた。
そんな状態にも関わらず『樹木』のヘンリーという魔物はメルディアと楽しそうに話しているのだ。
元々、樹木という魔物はドライアドとは違い、木の精霊から生まれた訳ではなく、純粋な魔力のみで生まれた魔物だという。
「元々ワシは樹木の中でも魔力が強かった方での…。ミノアの醜小鬼の剣士に手足の根や枝を専断されてここで魔力を発生させて魔鉱石を作らされていたのじゃ…」
「なるほどなぁ~長年、魔脈や地面に流れる微量な魔力をここに集めて純度の高い魔鉱石をずっと作らされてとったちゅーことか?」
「まぁ、そうなるの…だが、魔脈も土の魔力も弱まって永い事寝ていたのだが…最近出鱈目な魔力を注ぎ込む者が地上にいるようで…その影響で目覚めてしまってのぉ~
ここの魔石が純度の高い魔鉱石になって元々の純度の高い魔鉱石が更に純度のある魔鉱塊になったのじゃ…」
「… スマン。その最近出鱈目な魔力を注ぎ込んでいた犯人…俺です」
ミックスはドライアド達から頼まれてから南のほぼ全土に出鱈目な魔力を注ぎ込んでいた事を謝罪すると、ヘンリーは笑いながら許してくれた。
元々は悪知恵の働くミノアの策略で【ガルーシャ大洞窟】に閉じ込められてしまい一緒にいた魔法使いやドワーフもいなくなってしまい、ひとり寂しく永い眠りについていたというのだ。
最近ミックスの出鱈目な魔力を感じ取り目覚めたばかりだというのだ。
「ん~その様子だとミノア帝国が栄えた理由は知らなさそうやね…」
「そうじゃの…栄えた理由はミノアが悪知恵を働かせる醜小鬼だった事と雌のゴブリン…ゴブリン・ガールが産まれたのが一番かの…」
ヘンリーの言葉にメルディアは耳を疑い、首を傾げるとミックスが雌が産まれる事に対して変だという意味がわからなかった。
メルディア曰く、醜小鬼は異種族の雌なら孕ませる事が出きる為、雄の個体しか確認されていないというのだ。
だが、醜小鬼の子どもは産まれても所詮、醜小鬼の為、数の多い雑魚魔物という印象が一般的で上位種の、醜小鬼は希に生まれる為、腕の立つ冒険者からすれば数を揃えて叩けば負ける相手ではないというのが一般的な考えであったというのだ。
だが、同じ、醜小鬼の雌の個体が一匹でも産まれたらそれは脅威になるのは目に見えてわかる。
同じ個体同士で上位種が交われば更に別の変異種の強い醜小鬼が産まれ更にそこに雌がいれば、より強い上位種の醜小鬼の大群が作れるからである。
「けど、ミノア帝国は何でドワーフや魔法使いにギカント・ゴーレムや鎧騎士を作らせる必要があったんだ?俺みたいに魔物化させる魔術や魔物を配下にする魔王の力があってそんな状況ならそこまで慎重にならねぇと駄目なのか?」
「そこは分からへん。醜小鬼は馬鹿やけど間抜けやない魔物や。道具の使い方を覚えたら真似するし、人の使い方も真似できる。例え、自分等が優位でも念には念を入れて起きたかったんちゃうか?」
「ワシの知っとる事はその程度じゃな…そもそも樹木の特性で他の木から見た情報だからの…根っこさえ繋がれば木々を通して地上の情報は得られるからの…」
メルディアはヘンリーの言葉に口元を押さえて考え込むと不敵な笑みでミックスを見つめた。
ミックスは嫌な予感がして逃げたそうと思ったが、メルディアは人の為に動ける魔物である事を海辺の大都市で見てきた為、メルディアの提案を聞く事にしたのだ。
シンプルにゴブリン・ガールに変更しました。ご了承ください。




