魔物なりの強みを活かせればいい
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翌日、ミックスはエレーナと【アルラウネ】のリノを呼び、メルディア、ガスパールとゴリガン、そしてアルガーを含めた鰐の獣人達が冒険者ギルドの訓練場に全員集められ、地下水路の警備には冒険者ギルドとリザードマン達に一時的に警護を依頼して貰ったのだ。
突然の事にアルガーを含めた鰐の獣人達は戸惑いを隠せず、メルディア達もミックスらが何を指導するのか興味があった。
「あのミックス殿いったい何を…?」
「この数日間、お前らの訓練を見てて思ったのだがな。ガスパールやゴリさんの真似事をしても強くなることは出来んと教える為だ」
「にひひっ…リノ、面白いことするから協力してくれな~」
「あーい!!エレーナお姉ちゃん!!」
ミックスは手始めてに岩の壁で壁を作り出すと、アルガーにガスパールから学んだ「身体強化魔法」で壊してみろと指示を出すと、アルガーは壁の前に立ち、ガスパールから学んだ正拳突きで壁を殴るが貫通させる事が出来なかった。教えたガスパール自信も動きや拳の使い方の基本が出来ているが威力が無い事に懸念を抱いていた。するとエレーナが、リノにあの壁を好きに壊していいというと目を輝かせてミックスが頷くのを確認すると、指先を触手様に伸ばし好き勝手に叩き壊し、更には酸性の毒を掛けて石を溶かしてしまったのだ。
「魔物には戦える術を本能的に使える特技や能力が備わってるんだ。獣人のガスパール殿やゴリさんから技術を学んだだけじゃ強くはなれねぇよ」
「それからな?気になったがよ?お前らって元の鰐の魔物にも戻れる訳だろ?獣人の姿に拘る必要がねぇのに、なんで元の強みをいかさねぇんだろ?」
「そ、それは…メルディア様から折角頂いた力なのでそれに答えようと…」
「…アルガー、ミノアの大迷宮で財宝を長年守ってた俺ら言うのもあれだがな。
手段など選ばずに好きに暴れるからこそ魔物本来の強みが出るんだ。
さっきのリノ見たいにアルラウネの触手攻撃と酸性の毒は強力だ。お前らならワザワザ獣人なって地上で戦わなくても水中で引き吊りこんで噛み砕いた方が確実に強い筈だ」
メルディアから相談を受けたその晩、アルガー達大顎沼竜の生態と強みを教えて貰った。リザードマンとは違い、大柄な体型なアルガー達に槍や剣などを持たせても狭い地下水路では使い勝手が悪いのは大きな戦斧を使用しているミックス自信が一番の使いにくいと感じたからだ。ならば、本来の強みである水中に引きずり混んで噛み砕いてしまうのが彼らの強みであると教えたのだ。
「後な? お前らって背中の皮膚は鱗で硬いけど腹はそうでもないから弱点なんだろ?
ぶっちゃけ、弱点もろ出しだからガスパールに懐入られてたり、ゴリさんに脇腹を狙われると咄嗟に背中の皮膚や腕の皮膚で護ろうと本能的に反応するんだぜ?」
「たったそれだけの情報で我々の弱点や本能的行動を分析されてるとは…御見逸れしました !!!」
「まぁ、獣人に拘るならガスパール見たいに腹を守る防具を特注で作るのがいいだろうな…」
「後は折角硬い皮膚の防御力があるならそれを攻撃に生かせばいいんだよ」
ミックスは再び岩の壁で壁を2枚作り出すと、数歩ほど下がると、アルガーに見て真似をするように指示出すと実際にやってみせる。
「身体強化魔法」で脚力を高めて猛スピードで壁に向かい、壁に触れる瞬間に肩の部分に「身体強化魔法」を密集させ、猛スピードで壁に激突し壁を粉砕したのだ。
ミックス自身も耐久力に優れた毛皮のお陰で受けるダメージも少なく「身体強化魔法」のおかげで破壊力も増加し、狭い水路で逃げ場ない状態であれば脅威的な攻撃手段として有効的であることとリザードマンの尻尾をは違い太く逞しい尻尾も水の中から振り回す事によって得意の水中に落とすことが出来ると助言をする。
「アルガー、お前は俺が守護していたミノア大迷宮とは違って仲間がいる。
ならば、そいつらが持っている武器とメルディアが与えた力を最大限に生かせる方法を探せばいいんだ。魔物の世界は弱肉強食だ。弱ければ何も守る事も使命を果たす事も出来はしない」
「まぁ、私は守護者とか使命とか良くわかんねぇけどさ?
魔物本来の強みを生かさないのは勿体ねぇと思うぜ?武器は使うけど蛇身特有の尻尾の締め付けとかミックスがいった尻尾の「身体強化魔法」を使ってブン回すのは私もやりてぇ!!」
「お前はただ暴れてぇだけだろ?
まあ、それは俺もだからお前の事を言えねぇが…。
アルガー、魔物には魔物の強さがあって獣人や人間にはそれぞれにあった強さがあるんだ。
それを理解した上で使命を果たしてみせろ。
少なくともリーダーであるお前がそんな調子だと他の者も不安になるし、メルディアが心配で罪悪感を感じてる。それに一番大事なレヴィアタンの娘・リーゼも守ることも出来ねぇぞ?」
「ミックス殿…エレーナ殿…ありがとうございます!!!あ、後リーゼ様の事はその使命としてお守りしたいだけであって…//////」
アルガーが跪いてお礼をいうと他の鰐の獣人達もそれに続いた。リノはキョトンとした顔でリザーナの前をしたのか両腕を腰に当てて幼いながらに育ってしまった胸を仰け反らせると、それを見ていたメルディアが笑いミックス達にお礼をいったが、その目には僅か張りの涙ずくんでいたのに気付いたのは誰もいなかった。
 




