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金貨、貸してください!!!ついでに私を養う為に仲間になってくれませんか!?  作者: トモヤン
迷宮のミノタウロスと貞操概念がヤバいエルフの出会い
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魔物でも男は女の唇には叶いません…プライドは捨てましょう

**********************


リザーナと共にミノタウロスのミックスは迷宮攻略に乗り出した。しかし、現在進行形で悩みがあった。体力がないリザーナに気を遣い、適度に休憩を挟んでいた。飲み水は前に見つけた湧き水を水筒に貯めていた為、暫くは持つだろう。問題はリザーナの食事であった。ミックスがこの迷宮でよく食べていた魔物の大蛇(スネイク・ヘッド)を倒し、戦斧(バトルアックス)で切り分け、リザーナに投げ渡した。


「ちょい、焼かないの?」


「俺はそのままでも食える。それに俺の核色(コア・エレメント)は緑だ。赤の火魔法は使えん」


「えっ?魔物ってそんなのあるの?てか、緑とか赤とか何?」


リザーナは新米なのであろうか。魔物の事を知らなすぎる。魔物のコアの役割は魔素を体内に溜め、力を溜めることが出来る。そして得意な魔法色に染まり、使える魔法が決まる。大きく分けて赤・青・緑・黄の4種類だ。赤は火魔法と風魔法。青は水魔法と氷魔法。緑は土魔法と木魔法が扱える様になる。


「ヘェ~知らなかった。何か学校行ったり難しい本読んだりして覚えるもんだと…」


「逆にそんな人族の様な事をする魔物に会ってみたいがな…」


「えっ?ミックス、もしかして獣人族知らないの?」


ミックスはリザーナのいう獣人族を知らなかった。ミックスが知っている種族は人族・エルフ族・ドワーフ族・悪魔族・竜族の5族しか知らなかった。獣人族等聞いたことがない。リザーナと出会い、お互いに知らないことが多いのは魔物との種族感から認識の違いだと思っていた。リザーナが余り信用できる冒険者では無いのも多少なりともあるだろう。


「…俺が知ってる事が外では違うのかも知れん。正直な話、俺は何時から迷宮の最深部(あそこ)を守護していたのか覚えていない」


「う~ん。難しい話はよくわかんないし、とりあえず食べよ?それか私を…」


リザーナが胸元をチラチラと見せ誘惑しようと近づきてくるリザーナの顔面を鷲掴みにする。こいつ(リザーナ)といると疑問に感じた事や悩み等どうでもよくなってくる。顔から手を離すと膨れっ面になり、蛇肉に噛りついた。


「マッッズ!!!無理無理無理無理!!!食べられない!!!」


「他に食うものが無い。肉を食べないエルフのお前に辛いかも知れんが…」


「へっ?肉は普通に食べるよ?ただ単に不味いだけ…あーもう無理……」


「は?」


リザーナは発情した様子でミックスに近づき、膝に乗り、唇を奪った。目を見開き唖然とするミックスであったが、リザーナは躊躇すること無く舌を絡めてくる。普段であれば辞めろと剥がすのは容易である。リザーナの業なのか抗えずにいた。結構、リザーナが満足するまで接吻を続けた。


*********************


唇を許してからリザーナは頻繁に接吻を求めるようになった。魔物の肉を喰らう事が出来ないリザーナがエネルギーを補給する方は食事以外にも存在した。それは直接、魔力を吸う事だ。これは魔力が強大である悪魔族の淫魔(リリス)が得意としてた技であった。エルフであるリザーナが何故使えるのかは本人も分かっていない。


「やっぱり適度に抜かないとダメって事ね!いい加減ピーーーしたらいいのに…」


「…そうですね。お陰で俺の漢心(プライド)がズタズタだ…」


ミノタウロスは強さを追い求めるのは武人として誇りを高める事が生き甲斐あり、リザーナの唇に抗えず、受け入れ続けた己に失望していた。本来魔物が魔力を取られる事は屈辱的敗北であり、恥じることである。しかし、リザーナに接吻を求められたら最後ミックスは全くといって抗えず、気がつけば迷宮の外に通じる洞窟まで続いていた。


「情けない。ミノタウロスとして武人として…」


「まぁ、気にしない気にしない。ミックスも男の子って事よ♪それよりもやっと日の光を拝めるよ?気分あげてこ?」


背中をポンッと陽気に叩くリザーナに何とも言えず、溜め息をつく。気がつけばリザーナとも長く行動していた為か、リザーナの短絡的思考に慣れてきていたのだ。深くは考えず、受け入れてしまおう。外に出て強い敵と戦えばまた誇りは取り戻せる。自らにいいきかせ、リザーナと共に外へと踏み出した。

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