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ドライアドから語られたミックスの過去

*********************


突如として現れたドライアドにリザーナ達は困惑していたが、ミックスはドライアド相手にも臆すること無く、近付きモノのように担ぎ上げた。異種連邦国(マーレ・ジーニアス)の専属冒険者パーティーとして密告者はマルセル国王に報告する決まりがある。

例え相手がドライアドでもミックスは容赦がなかった。突然担ぎ上げられたドライアドは驚きミックスに話を聞いて貰いたいだけだと懇願する。


「すまんが、今はこの異種連邦国(マーレ・ジーニアス)の専属冒険者パーティーとしての責務を果たすのが先決だ。マルセル国王に判断を委ねる。俺が力を貸すかどうかはそれ次第だ」


「うぅ… そ、それでもこの格好はかなり恥ずかしいですよ?//////」


確かに大人びたドライアドを担ぎ上げれるのは屈辱的な格好ではないかとシルビアが助言してきた。

どの道、この姉妹をここに残しておく訳にも行かない。

取りあえずはリザーナを肩車し、ドライアドはお姫様抱っこに変えて、姉妹はエレーナが連れていく事になった。

だが、流石に盗人に入られる可能性も無くはない為どうするか悩んでいたが、妹のフィリーが提案する。


「馬車引いた牛さんに守って貰うこと出来ないの?」


「あ、そうじゃん!!ミックス土で牛作れるじゃん!!」


「… 今の今まで忘れてた。フィリー、良く覚えててくれたな」


フィリーの言う通り牛型の土人形(ブル・ノーム)に守らせれば良いだけの事だ。魔力を温存する必要がないのならこれを使えば良かったのだ。

ミックスは牛型の土人形(ブル・ノーム)を2匹作り出して怪しい人物や侵入者を捕まえるように指示を出すとマルセル国王がいる城へと向かった。

城に着くと、森の精霊と呼ばれているドライアドが異種連邦国(マーレ・ジーニアス)に助けてを求めてに来たとゴリガンも緊急でギルドから呼び出された。


「いや、その私はミックス様にお願いがあって…」


「だから異種連邦国(マーレ・ジーニアス)の専属パーティーが国王やギルマスの許可無しに依頼を受けるわけにはいかん。

義理と道理は通してこそ信頼関係は生まれるんだ」


「ミックスって魔物の癖に義理とか仁義通そうとするよね…」


「それはミックス様が人間だった頃にそう言った武人だったからですよ。何せ、戦斧(バトル・アックス)一つでミノア帝国に挑んだ猛者だった人を魔物化させたので…」


ドライアドの話ではミックスが人間だった頃は粗暴で手のつけられないならず者で魔物や冒険者や国の騎士団相手に戦斧(バトル・アックス)一つで切り抜けた『狂戦士』でミノア帝国にも単身で乗り込もうとしたが、それを止めたエルフが傷を癒し、そのエルフの里を守る為に単身でミノア帝国に戦いを挑んだ男であった。

その狂戦士としての資質を見込まれて魔物化され、ミノタウロスにされたというのだ。

リザーナに守ろうとするのもそう言った過去から来ているのではないかとドライアドは推測している。


「だが、俺はエルフの冒険者パーティーを倒した事もあるぞ?特別エルフに肩入れがある訳じゃないが… 」


「そうですよ?別に特別エルフに肩入れしていた訳でなく助けてくれた義理を通す為に単身でミノア帝国に乗り込んだのですから。

ミックス様にとってリザーナ様は自由を与えてくれたエルフなのでそれに対する義理や筋を通そうとする考え方が残っているのかも知れません」


「そっかぁ…つまり私はミックスと運命の赤い糸で結ばれた相棒ということなんだね!」


ドライアドの話をちゃんと聞いた上で理解しているのかわからないが、確かにリザーナが地上に出る切っ掛けをくれたのは紛れもない事実である。

リザーナの仲間になり、養う事が当たり前になっているのは筋や義理を通そうとするのは人間だった時の名残であると言われ、リザーナとの関係は運命の赤い糸で決まっていたのかも知れないと否定出来なかった。

マルセル国王はドライアドに何があったの尋ねて、議題をもとに戻した。


「実は南東の森や南の山々の土の栄養が弱くなってしまっているのです。

このままでは他の種族の方や魔物達の食料が尽きてしまいます。

その為、土魔法で大地に栄養を与える事の出来るミックス様にお力を分けて頂きたいのです」


「なるほどな…だが、知ってると思うが、このリザーナはリリスの力を呪いとして受けて俺を使う際には大量の魔力が…」


「勿論ドライアドとしてちゃんと身体で返します/////ミノタウロスは女性との行為がお好きだと…」


ミックスはそんなことないとドライアドに伝えるとある官能小説でミノタウロスは性欲と食欲が旺盛で対価としてそれを求めると書かれた文献が広く伝わっているというのだ。

ミノタウロスに頼み事をするならば、食べ物や女を生け贄にするという認識がどの種族でも強いらしいのだ。


「確かに飯を食うのは好きだが、今まで女を襲った事は一度もない!!!逆にエルフやドワーフ、ドライアドにまでそんな風に思われてるなんて知らんかったぐらいだからな!!!」


「多分、サビーヌの持ってる官能小説書いてる人と同じだと思うよ?何だけ?確かタイトルが…」


「リザーナ!!!!/////」


迷宮で脱ごうとした理由が今わかった。

何処の誰だから知らんが、ミノタウロスのそう言った風潮を広めた元凶がいて、女は身を捧げるしかないという言い伝えが常識になっているのだ。

フィオーナとフィリーは意味を理解しておらず、首を傾げた。落ち込んでいるミックスを励まそうとお腹を優しく撫でてくれた。

ミックスは思わず、父性に目覚めそうになっていた。

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