ガルーシャ大洞窟
新キャラが出るときは前書きに設定書くのが基本ぽいので、キャラ増やす際は注意します。
後書きは作者の愚痴や小ネタを提供いたします。
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異種連邦国の南東にある岩山に囲まれたダンジョンの一つ【ガルーシャ大洞窟】の入り口の前にようやく、たどり着く事が出来た。
「取りあえず、 巨大な熊は中にはいないようだな…リザーナが松明を投げ込んだせいで焦げ臭いが充満して差だかではないが… 」
「予定通り、ミックスが先頭でリザーナとシルビアはその後ろに続いて私が殿をつとめる方針で良いよな?」
「なるべく、魔力は温存しておきたいからな。
俺が戦斧で倒せる間は任せてくれ。
その代わり倒した魔物の核の回収を頼むぞ?」
それぞれ役割を再確認し、ミックスを先頭に【ガルーシャ大洞窟】の内部へと入り、ダンジョン探索が始まった。リザーナと地上に出てからは、襲ってくる魔物や討伐依頼のでている魔物を倒すだけだった為、他の熟練冒険者の様にダンジョン攻略をするのは初めての事だった。
【ガルーシャ大洞窟】は大蚯蚓という魔物が通った後に出来た洞窟に作られたダンジョンだ。
こういった洞窟は魔物の棲みかになったり、野盗などの一団の隠れ家として扱われる事もあり、冒険者ギルドの依頼に洞窟探索の依頼は度々あると、ゴリガンら達から教えられている。
ただの魔物や野盗が住み着いているだけなら討伐依頼を出してしまえば大体は何とかなるというのだ。
洞窟を利用し、中にダンジョンを作る高位な魔法使いや高い魔力を宿した魔族がいる可能性もある。
洞窟内を注意深く、奥に進んで行くと、人の手が加えられている場所にたどり着いた。
「ここから造りが違うな…シルビア、ドワーフのお前からみてどう思う?」
「みた感じでは高位の魔法使いの魔法による造りです。ミックスさんの土魔法を応用すれば、レンガ等は作ることは可能です」
「つまりは【ガルーシャ大洞窟】のダンジョンは強い魔力を持った魔法使いが作ったって事か?
だとしたら、出てくる魔物はスケルトンとかアンデッドが多いのか?」
「うー…一番冒険者として活動してるのに、皆が何を話してるのか理解が出来ないよ…」
ミックスらの話を理解できないリザーナは説明を求めるような顔で3人を見つめていた。
警戒をしながら先に進み、シルビアがリザーナに説明をしてくれた。魔族が洞窟内をダンジョンにする際には手を加えずにダンジョンボスとなる魔獣や魔人を召喚し、強い魔力を洞窟内に張り巡らせる事で魔物を発生させたり強化する事が出きる。
逆に高位な魔法使いがダンジョンを作る際には強力な魔法でダンジョン内に罠などを仕掛けるか、自らが魔物になる魔法を掛けるか誰かしらに掛け、自らの富を守護する契約を結び、ダンジョンボスをさせる2種類の方法あると教える。
「でも、富を守る意味ってあるの?
私ら、エルフみたいに長寿で長きする種族なら蓄えとしてダンジョンに貯めたいとは思うけどさ
人族や獣人の寿命の 平均って60~100歳くらいだよね?」
「ドワーフ族も平均寿命は300歳と長い方です。
ダンジョン作る際は趣味で作ってるか頼まれて作るのが一般的なドワーフの嗜好ですね。
そもそも、金貨を持ってても、大体が酒代として無くなりますからね。
ドワーフは酒代や食費に優先するのが、普通ですから…」
「高位な人間の魔法使いなら不死の魔法を自らに掛けて不死の王になる魔法使いもいるらしいぞ?
リザーナが二日酔いで使いもんにならん間に、ルイ王女やゴリガンからある程度の情報交換をしてたからな…」
「私がステラさんに看病されてる間に皆だけズルいよ~!!!」
リザーナが二日酔いをしてまともに動けない間、3人で魔物の討伐を行おうと話し合っていたが、実はマルセル国王自らがミックスらを呼び出して冒険をしたいと駄々をこねるルイ王女とサビーヌを交えた臨時パーティーを組んでいて、ルイ王女にパーティーリーダー代理をして貰っていたのだ。
リザーナがいないお陰か依頼は問題なく、達成する事とできた。
報酬も山分けするなど冒険者らしい経験をさせる手伝いをする代わりに、ダンジョンの情報交換や魔物側の認識を提供しあっていたという事が真実である。
リザーナに「ルイ王女と冒険にいった」というと絶対に泣き叫んで余計な事になる為、一番口が軽そうなエレーナには、口封じの為に酒を好きなだけ飲ませてた為に金貨が15枚しか残っていなかったのだ。
「気になったから聞くけどさ?
リザーナは歳が、700歳っていってたけど、
シルビアはいくつなんだよ?
ドワーフもそこそこ長寿だろ?」
「私はまだ16歳です。上に姉は今は20歳です。
私が11歳の時にクソ親父と喧嘩して家出したきりなので…5年会っていませんね…」
「… シルビアってお父さんの事『クソ親父』って言うんだね…」
「はい。飲んだくれで対して、腕の良い防具職人として評価もされておらず、口先だけは一人前でお母さんにも見捨てた様な男に敬意を払うつもりはありません」
日頃はお淑やかな性格なシルビアが父親に対しての口の悪さにリザーナとエレーナも顔を引きつっていた。
普段大人しい分、こう言った性格のヤツはストレスを溜めさせると、恐ろしいとゴリガンも忠告していた。
同じ性格をしているステラが態度の悪い冒険者パーティー相手にキレてしまい、ボコボコにした事あると飲み会の席でステラがリザーナの介抱の為に離れた際にこっそり教えてくれた。
「…にしてもよ。さっきから魔物や魔獣出てくる気配がねぇんだけど本当にダンジョンボスいるのか?」
「罠らしい罠も発動する気配もありませんし、リザーナさんがいるのに、何も問題が起こらない方が不自然ですよ?」
「ミックス!シルビアが何気に酷い事いった!
私のせいじゃなくて金床の女神様が器も小さいのがいけないのに!!」
「シルビアの言う通りだろ?
お前が罠にも掛からず、魔物に襲われてないこの現状が異常なのは間違えではない事実だろうが… 」
ミックスがそう言うと後ろで文句を言い騒ぎ始めたが、ミックスが立ち止まった為、宥めていたシルビアとリザーナはぶつかってしまった。
「何で急に止まるの!?ミックスの硬いお尻に顔ぶつけちゃったじゃん!!」
「ミックスさん…腰布もう臭うので、新しいの仕立ててあげますね…臭いです」
「… それはありがたいが、気を引き締めろ。
どうにも様子が変なフロアに着いた様だぞ?」
「取り替えず中に入って警戒して進んだ方が良さそうだな…上位飛竜よりも強い魔力をこの先の奥から感じるからな…」
話しながらも警戒していると、不自然な広さがあるフロアに到着し、上には明かりを放っているランタンのようなものが、いくつも着いており、目線の先には大きな扉があった。
おそらく、ここのダンジョンボスが待ち構えているのだろう。
禍々しい強い魔力を肌で感じ取ることが出き、ミックスとエレーナは武器を手に取り、戦闘態勢に入ると、リザーナとシルビアも武器を構える。
すると、先程まで飾られていた鎧騎士達が一斉に動き始め、扉の前に立ち塞がったのである。
小ネタ
『異種連邦国ギルド受付嬢・ステラ武勇伝』
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異種連邦国の冒険者は各国で実績を残し、高額な金額が掛かっている高ランク魔物がいるこの国のギルドに集まってくる。つまりは調子にのって「俺ら強いから行けんじゃね?」というのノリでくる冒険者は多いが大抵はたどり着く前にやられてしまうか逃げ帰ってしまう。逆に何事もなくたどり着くと余計に調子に乗った冒険者パーティーが訪れるのだ。そして…
荒くれ冒険者A「お姉ちゃん今晩俺らと遊ばないか~」
新人受付嬢「や、やめてください困ります…」
荒くれ冒険者B「良いだろ~チップならはずむからよ~」
荒くれ冒険者C「今日は 大蛙を5匹も倒して荒ぶってるんるんだよ。なぁ、良いだろ~」
ステラ「皆様、彼女が困っておますので、そういたサービスはここで受け付けておりません。酒場エリアにいけばそういたサービスを受けられるお店はありますので、そちらをご利用下さい」
荒くれ冒険者A「あぁん!?姉さんわかってねぇな…俺らはこの嬢ちゃんと遊びてぇんだよ。邪魔しないでくれるか?」
荒くれ冒険者B「それともお姉さんが相手してくれるのか?」
荒くれどもが下品に嗤うと、ステラは笑顔を崩さなかった。
ステラ「…そうですね。それでは…お相手してあげます♪私、素手喧嘩なれてますのでッ!!!」
髪の毛をかきあげると、ステラは受け付け台を飛び越えて、荒くれ冒険者達を素手で鎮圧してしまったのだ。
ステラ「ここは冒険者ギルドです。多少の無礼講は容認いたしますが…うちの可愛い後輩に手を出そうした挙げ句、怖がらせた落とし前はつけてもらいますからね♪」
ステラは拳を握り、パキポキと音を鳴らし荒くれ冒険者達を威圧し追い出してしまった。
この事件が切っ掛けで、ステラの武勇伝は異種連邦国の冒険者達から語られる存在となったのだ。




