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ルイ王女様、本当に申し訳在りません!!

後書きに小ネタあります

*********************


欠け無しの金貨で武具屋で装備を揃えたリザーナはともかく、シルビアはエレーナに申し訳ない気持ちでいっぱいであった。

大柄なミックスは店には入れない為、外で待機することになり、3人で装備を揃えにきたのだ。

金貨はたったの15枚しか残っておらず、ギルド最低限の武器や防具をギリギリ揃えられる額だと教えられていた。

本来の冒険者であれば、それなりに金を貯めたら武器の手入れや新調するのが当たり前だが、魔物であるミックスらは、魔力で武器を治せる為、そんな手間を掛ける必要がない。

魔力と体力さえ回復すれば、直ってしまう魔物と人間の武器の構造はまるで違っていたのだ。

不安なのは、武具屋の主にはあった事も話した事もない。

そもそも多種族国家とはいえ、エルフにドワーフ、更には蛇身(ラミア)の魔物であるエレーナ達を客として受け入れてくれる人物で、信用していい人物なのか気になっていた。


「おう。待たせてワリィな! 何とかなったぜ?」


「何とかって…お前これどう見ても金貨15枚分以上はしただろ!?」


リザーナとシルビアは冒険者らしい格好をしていたからである。

シルビアは元々自分で管理していた服を仕立てる道具の一式をルイ王女に預かってもらった。


必ず、また服を仕立てる約束をして城を出た時のシルビアもミックスたち同様に覚悟を決めたからである。

元々、着ていた獣毛皮で縫った服装とホットパンツの軽装の中に鎖帷子(くさりかたびら)を装備し、新しい樫杖も新調させていた。

リザーナも元々着ていた旅人服の上から軽い素材だが、動きやすい皮鎧とホットパンツを装備されていた。そしてシルビア同様に、腰には新しいサーベルが装備されていた。


「…どう見ても、予算以上の代物ばかりにみえるのだが、どうやって手に入れた? 」


「あんっ?んなもん、決まってるだろうがよ?

女の武器(おっぱい)を使えばこんなもんだろ?」


エレーナが両手で胸を掴みあげると、シルビアは頬紅く染めていた。

つまり、そう言う事をしたという確証を得てしまった。

エレーナはおそらく、武具屋の主人が男性だったら最初からこうするつもりだったのだろうと最初に「私に任せておけ!」と自信満々にいっていた理由がわかった。

エレーナの事だから最悪、脅しを掛けたりしなければ良いかと心配していたが、違う心配をするべきだった。


「…… 因みに本当なら全部でいくらだと最初、言われた? 」


「金貨、最低でも150枚の所をちょ~と裏に入らせてもらってムフフな事をサービスしてまけて貰ったぜ!」


いったい、どれだけの色気仕掛けをして10倍もまけて貰ったんだと想像もしたくなかったが、おそらく、シルビアもエレーナがそういった事をやる可能性を解ってて、リザーナと一緒にいてくれたのだろう。

もし、真似でもされたらミックス自身もどう怒るのが正しいのかが、わからないからだ。

長寿であるエルフ族は500歳で子どもといわれているならリザーナはおそらく700~800歳程度だろう。


「…まぁ、装備も整った事だから良しとしよう!!【ガルーシャ大洞窟】の攻略に… 」


「ねぇ!!やっぱりミックスもオッパイ大きい方が好きなの!?

キスしてくれないのは女として魅力がないから!?

まだ700歳の子どもエルフだと思ってるから!?」


……お約束とはこの事だろうか。

シルビアの反応を見れば容易に簡単に想像がついてしまう。

コイツら、エレーナが武具屋の店主に胸を押し当てておねだりする女性(巨乳)に限る技、通称『パフパフ』を見てしまってたのだろう。

普通に考えれば、金貨15枚しか、持っていない冒険者が買える装備はそうはない。

ギルドでもゴリガンが説明いっていたのを思い出した。

最低限の安い杖と短剣が買えればいい額だとしか、聞いていなかった。

確かに、エレーナを信じて任せた俺も悪いだろう。金貨を15枚しか持ってないのにダンジョン攻略に行く等と格好つけてしまった事を後悔した。


「…そ、そういえば、ミノアのミノタウロスは粗暴で

乱暴だから下手に怒らせてはいけない怪物だからと

定期的に生け贄の美女を迷宮に捧げていたと言い伝えがあります。

ミックスさん、まさか…////////// 」


「けど、それはねぇだろ?

別に私が胸の谷に溜まった汗拭く時、そいつもいたけど、反応しなかったから大丈夫だ。

ミックスは巨乳好きじゃねぇよ。」


「あっ、そっか!なら良かった…

タイプじゃない女の子の子どもにキスされるのが嫌

で断られてるのとばかり… 」


「サビーヌの話聞いてたのか!?

お前とキスして武器になったら、魔力を吸われて、魔力が尽きたら足りない分は体力から魔力に変えられて奪われて死ぬかもしれないんだぞ!?

そんなバカみたいなリスクを背負って、キスしたい死にだがりがいてたまるか!!!

ミノタウロスよりも知力低いって、確かに、ゲロ掛けられた事に怒るのはわかるけどよ。

どんだけ、リザーナの基礎能力下げらてんだよ!!

女神だがなんだか知らねぇけど、いつか出会う機会

があったら絶対1発ぶん殴る!!!」


異種連邦国(マーレ・ジーニアス)の専属冒険者パーティーに任命してくれたり、武人として心が昂る想いを語ってくれたルイ王女に会わせる顔がない。

そして、できることなら下らない理由で天罰を与えた女神アルテミスに拳骨の1発でも食らわせてやりたい気持ちを宥め、一行はようやく国を出て【ガルーシャ大洞窟】の攻略にやっと挑むのであった。

-武具屋-


冒険者A「おーい。武器の買い取りを…」


冒険者B「親方さん何かあったんですか!?

鼻血が出てますよ?」


店主「へっ、いいんだ。オラぁ、天国を見たんだ…悔いはねぇよ。またやってくれるか…」


冒険者C「混乱してるのか? 催眠術でもかけられたか?」


店主「ちげぇよ!!俺は伝説の『パフパフ』を体験して天国をみたんだ…!!」


暫くの間、武具屋は休業となり、神官達に回復(ヒール)を掛け続けられていた。



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