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過去を受け入れて未来に進む決心

**********************


本来ならば、神々の王であるゼウスが精霊になりさがり、アルテミスの暴走を止めるのを手伝って欲しいと懇願してくる事自体が以上である。


確かにアルテミスの暴走を阻止するには現段階で醜小鬼(ゴブリン)達の王であるオルガーナと和解する必要がある。


だが、ミノア帝国の時に醜小鬼(ゴブリン)に奴隷にされた種族からしたら根絶やしいにしたいに決まっている。


特に耳長族(ハイ・エルフ)やエルフ、人間の女等は特に非道な扱いをするのが醜小鬼(ゴブリン)であるのだ。

いくらガルディアの方針でも認められないものは認められないという事なのだろう。


だが、リザーナにもミックスにもそんなもん知った事ではないのだ。


すると、話を聞いていたエレーナが呆れたように話し始めた。


「んなもん。テメェらが弱っちぃのが悪いんだろ?

そもそも話だけどよ。ガルディアと 異種連邦国(マーレ・ジーニアス)の時だって種族から強い戦士だした癖にミックスにまともにやりあえたのレオーネだけじゃねぇかよ?

今のミックスやリザーナとまともにやりあえるやついるのかよ? 」


「まぁな。アルテミスには拳骨の一つでも食らわせてやりたいと思ったから俺は良いがよ。


魔物の俺がいうのもあれだけど、言葉に重みや覚悟ってぇのを感じねぇんだよ 」


「何か結局はそれっぽいこといってて自分の威信を護りたいだけに聞こえるから何かね。


ルイちゃんだって精霊のお爺ちゃんの試練を乗り越えて力をつけて戻ってきた。

ガルディア(この国)を納める為に行動や言葉で実行するルイちゃんの為に私らは戦いたい。

ゼウスの爺ちゃんもルイちゃんの精霊で困ってるなら何とかしなきゃだしね!」


「まぁ、ミックスはんなら、そっちのがエエやろうなぁ~ オルガーナも納得させれる漢気見せて惚れさせたらエエやろう? 」


既にリザーナ一行はゼウスのアルテミスの暴走を止める為に力を貸す事を即決で決断するが、当然ながらローガンやラーゼルらが過去にされたことを許すことは出来ないと言い出したのだ。


ゼウスがエルフ族の自尊心の高さに心底呆れた様でうんざりしていたが、ミックスが馬鹿馬鹿しいと言い切ったのだ。


「それだったら、ミノアの大迷宮の守護者として何百人とエルフ族を葬ってきた俺はどうなるんだ? リザーナのいうことを聞いてるから許すとでも言うのか?」


「そ、それは… そうだが、ミックスは国に貢献してるから… 」


エルフ族の族長であるラーゼルもミックスを最初こそは認めようとしなかった。


だが、決闘末にエルフ族の自尊心の高さゆえに意見が別れ、バラバラの状態でミックスに挑ませ続けた上での犠牲である為に族長であるラーゼルにも非はあるのだ。


「それでも俺は迷宮にきたエルフ族を返り討ちにして虐殺したことには代わりはない。300年も迷宮でミノアの良いなりなっていた。


醜小鬼(ゴブリン)が許せねぇっていうなら俺もミノアの財産を護ってきた側の魔物だ。


実際にここに今いられるのはリザーナに土下座されて、戦う気が失せた。そして金貨を渡したのが切っ掛けだが… 」


「そーだよ!! よくよく考えたら私、同族殺しの天敵であるミノタウロスに土下座したり、身体売ろうとしたりしてなんやかんやで養ってもらう形になってここまできたんだもん。


けど、マルセル国王が受け入れてくれて国の皆が認めてくれたから魔物のミックスとエレーナもガルディアにいるんだよ!? 」


振り替えて見れば、一人の非力な女エルフの奇行とも言える行動に振り回されてこうなったにすぎないのだ。


もしも、異種連邦国(マーレ・ジーニアス)で受け入れられなかったら自分やリザーナはどうなっていたのかわからない。


だが何かと、先々でドラブルに巻き込まれていた。

その都度、結果を出して力を付けて認めて貰ったからである。


ならば、過去に奴隷にされたとしてもそこを受け入れた上で新たな道を産み出してやらなければならないのではないか。


確かに奴隷にされた種族からすれば、それは受け入れがたい事であろう。


だが、何時までも醜小鬼(ゴブリン)と確執を作り続けては何時までも平行線のままでそこから何も進展していないのと言えるだろう。


そうして、うだうだとあれこれ考えている重鎮達に痺れを切らしたエレーナが尻尾で壁を叩きつけて注目を集めた。


「何時までもウダウダつまんねぇ意地で未来(さき)を潰きかよ!?

本当の意味で、未来(さき)のある一歩を選ぶべき何じゃねぇのか? てめぇら種族の頭はってんなら器でかく持ちやがれよ!

そんな過去の事が小さい出来事だって言えるぐらいの事をすればいいだけだろ?

それが出来なきゃ、多種族共存国家っていえねぇだろ? 」


「まぁ、確かにそうやねぇ~ゼウス様の要望に答える最善策やと思うしなぁ~


実際に醜小鬼(ゴブリン)を率いているオルガーナはんと交渉できるだけの権力(ちから)を示さへんことには耳を貸す気にはならへんと思うしなぁ~ 」


「だ、だが、それではミックス一人に負担を掛けて… 」


「… 俺はリザーナらを養う為に戦って、ガルディアを護る幻獣神としての守護をするだけだ。

種族の自尊心とか確執に興味はねぇんだよ… 」


ミックス一人で過去に三幻神とともに苦しめられたミノアクラスの怪物を率いる相手と戦うことに何の躊躇もなく、ガルディアを守護する為に戦うと言い切ったのであった。


そんな様子を見ていた全知全能の神であるゼウスはルイと契約する際にアルテミスについて話した際に「絶対に護ってくれる強い守護者様とその仲間が助けてくれる」という意味が理解することが出来た。


すると、それぞれが複雑な心境であったが、全てをミックスに任せる事とオルガーナとの交渉をどうするのか話し合う形となったのであった。


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