リザーナとの月日が歩んだ技
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それからミックスは何度も挑んでは吹き飛ばされてを繰り返し、立ち上がっては無謀に三本角の怪物に絶ち向かい続けた。
だが、圧倒的な力の差の前に何もかもが通用しない現実は変わらないままであった。
自分が使える斧技・攻撃魔法・怪力をもってしても三本角の怪物の硬い皮膚には、傷すら付ける事が出来ないほどの実力差があり、魔法耐性のある毛皮でもあの雷には耐えられるないのが現実である。
もし、ここにエレーナやシルビアがいてくれば、どれほど心強く戦う事ができていたか、メルディアいれば、この絶望的な状況を打破出来る知恵を貸してくれるかなどと考えてしまった。
だが、【獣王の試練】を受けているのはミックス1人だけであり、頼りになる仲間達はここにはいない。
もしも、こんな状態であったリザーナなら考えなしであの巨大な三本角の怪物に向かって得意な爆撃魔法である爆撃波を迷いなく撃ち込んでいるだろうと考えてしまったのだ。
「…そうか。 リザーナなら爆撃波を迷いなく撃ち込むか。
なら、それを試してみるしかない… !!!」
『…圧倒的な力を前にして何故そこまでして立ち上がり続けるのだ? ただの魔物である貴様に勝ち目があると思っているのか?幻獣神の2人に認められ力を得たとしても我にそれは通じぬぞ?』
「確かに圧倒的な力の前に手も足もでねぇのは事実だろう。それは認めてやる。
だがな、俺を信じて待ってくれてる仲間やリザーナの期待を裏切る事はしたくねぇあいつらを護る為なら何だってしてやるさ… それぐらいの覚悟がなければ今後もあいつらを護ってやるだなんてカッコいい事を言ってやることもできねぇしなぁッ!!! 」
『魔物特有の復讐心では無いな? それは仲間や愛する者を護る為の『護る為の殺意』か… 」
三本角の怪物はミックスの身体から放たれた異様なまでの重圧感を仲間や愛する者を護る為ならば全てを破壊してでも護り抜くという覚悟を『護る為の殺意』と評してのであった。
ミックスは大柄な戦斧を横に振り回す構えを取り、三本角の怪物を一撃で仕留める可能性がある方法を思いついたのであった。
ミックスが様々な理由で膨大な魔力を大量に使用した分を回復する為にメルディアが考案した魔力の回復方法はリザーナが魔力回復薬を飲んで魔力を流し込むように接吻をする事により、体内に魔力を送り込む【魔力供給する練習】を何度も行っていた。
それは多種族共存国家【ガルディア】になってからずっと続けていたのだ。
特に魔力を消費した訳でもない時にもリザーナは魔力回復薬を飲んで接吻をして体内に魔力を流し込む事が多くなっていたのだ。
ミックスにとっては魔力が増えるので身体に負担はないが、魔力回復薬を飲んで接吻をして体内に魔力を流し込む理由を聞くと戦斧にした際に自分の魔力が少しでも混ざっていると扱いやすい感じするのだとリザーナ本人から聞いた事があったのだ。
実際にミックスが持つ戦斧には、レヴィアタンから与えられた赤の魔核が備え付けられている為にリザーナの赤の魔力を吸収しやすくなっていたのは事実であり、エレーナの大爆発やエルフの族長のラーゼルの極上の炎息吹といった爆発・炎系の魔力を吸収してきたが、それは戦斧に備え付けられているレヴィアタンから与えられた赤の魔核が吸収しているだけであるのだ。
つまりはミックスの身体に直接魔力を流し込めるのはリザーナただ1人だけである。
可能性は低いが魔力回復薬を飲んで接吻をして体内に魔力を流し込み続けた影響でミックスが元々持っている土・緑の魔力とリザーナが持つ爆発・炎系の魔力が体内の魔核の中で混ざっているのではないかと思い付いたのだ。
現に戦技としてリザーナが扱っていた爆砕が自分にも使用できるのならば、土と爆発の魔力を戦斧に備え付けられた赤の魔核が吸収して持っている魔力とミックス自身の魔力を更に戦斧に備え付けられた赤の魔核に流し込み斧刃に魔力を集中させ、三本角の怪物が止めを刺しに三本角の怪物は、二本の逞しい角から魔力を一番短い角先に集中させると、圧縮された雷の魔力を込められた弾丸をミックスは受けしまったが、ミックスはそのまま気にすること無く戦斧に魔力を集中させて注ぎ込み渾身の一撃を振り上げて放った。
「大地の大爆砕斧ッ!!!」
「グゴォオォォォー!!!!」
ミックスが戦斧に備え付けられた赤の魔核に魔力を流し込み斧刃に魔力を集中させた土と爆発の魔力が混ざりあった特殊な魔方となった為に三本角の怪物を吹き飛ばすほどの破壊力を見せて何とか討伐する事に成功したのであったが、既にミックスは満身創痍で立っているのもやっとであった。
出来れば、このまま倒れて欲しいと思ったが、そう思いどおりには行かず、三本角の怪物は逞しい角が砕け、硬い皮膚は焼けただれていたが決して倒れる事は無かったのだ。
だが、三本角の怪物も満身創痍であり立っているのがやっとの状態であったが、怪物はミックスにあることを訪ねてきたのだ。
すみません。リアルがちょっと色々とあって更新ができませんでした。




