冒険者ギルドへ
草原の魔物
野菜兎
背中に様々な野菜を着けたウサギの魔物。野菜も肉も美味しい。広い範囲に生息しており、繁殖力も強い。農家なので飼われる程大人しいが美味しいので他の魔物に襲われやすい。
突進猪
大型の猪で草原や森に生息している魔物。肉や毛皮はそこそこいい値で取り引きされている。怒ると突進してくるが岩などに激突し、自滅する事がある。
巨大蛙
大型のカエルの魔物。食欲旺盛で大体のものは食べてしまう。捕食行動中は頭を上に向けたまま動かなくなる為攻撃があたりやすい。少し硬めであるが肉は美味しい。
巨大熊
大型の熊。分厚い脂肪と毛に覆われているため並大抵の武器では攻撃が通らない。毛皮は高値で取り引きされる。
走る竜
二足歩行ができる大型の竜。硬い鱗に覆われており、討伐は難しい魔物。個体によっては火を吐いたりする。草原一帯の魔物が好物の為異種連邦国の近辺では飛竜同様に討伐での報酬金が高い。肉は鶏肉の様なたんぱく質。
飛竜
北山を根城にしている飛翔する竜。草原一帯の魔物の天敵。走る竜も逃げ出してしまうほど獰猛な性格をしている。火や冷気を吐く個体も確認されているが、肉は不味い。
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翌朝、ミックスが目を醒ますと早々に問題が起こっていた。腹の上で 異種連邦国の王女・ルイが寝息を立てていた。部屋の角でとぐろを巻き、まだ爆睡してる蛇身様子から気づかれずに侵入したのだろう。今頃、城内ではマルセル国王が大騒ぎしているのでないかと思うと頭が痛くなる。当の本人はリザーナと共に真ん中にいるシルビアの胸を揉んでいる。3人を起こすと二人はルイがいることに驚く。蛇身も騒ぎ声に気付き目を覚ますと馬小屋から出て、ゴリガンがいるギルドへと向かった。
「あの…ルイ王女?何故ご一緒に?」
「面白い事が起きそうだと思ったので、昨晩お城から抜け出しましたの!」
ギルドに着くとゴリガンがルイがいることに驚き尋ねるとルイは抜け出してきたといい、胸を張った。一国の王女が魔物や問題児と一緒にいるのは世間的に悪いのではないかと魔物ながら心配した。唯一まもとなシルビアもルイに説得するが聞く耳を持たない。リザーナもルイと一緒にいたいのかゴリガンを説得してるのを見ていると蛇身が近づいてきた。
「なぁ、気になってたんだけどさ。【ミックス】って名前さ、自分で名乗ってるのか?」
「いや、リザーナが名付けしてくれてな。ステーキやギュードンよりましだったからだな…」
ミックスの名前の由来を知りたがっていた為、リザーナが名付け親だと話すと、腕を組み何か悩んでいた。暫くするとゴリガンに懇願していたリザーナを尻尾で巻き付け、自分の元へ引き寄せた。リザーナは何事かと唖然とした表情で恐る恐る顔を上げた。
「アタシにも名付けしてくれよ!蛇身よりもいい呼び名が欲しい!!」
「わかった。任せてね!女の子の名前…エレーナはどう?」
「よし決まりだな!!ワタシは今日からエレーナと名乗る!!」
リザーナの事だからまたろくでもない名前を考えてしばかれるのではないかと思っていたが、即決で決まった。蛇身はエレーナと呼ぶように皆にいうと嬉しかったのか尻尾の先を振っていた。すると、ギルドの大きな扉が開き、サビーヌがルイを連れ戻しにきた。ルイが嫌だと駄々をこねた為、後でマルセルの元に行く約束でその場は纏まった。ゴリガンが一度、咳払いをすると、後ろからステラがトレイに腕輪を乗せて持ってきた。ゴリガンが手首に近づけるように指示を出し、それぞれが腕輪を取ると手首に装着された。これが冒険者の証となり、街や国などに行く際の身分証代わりになる。今後の事も考えた上で魔物ではなく一冒険者ある証明をミックスとエレーナに与えたのだ。
「良いのか? 魔物である俺らにこの様な待遇を…」
「ルイ王女の救出にも協力をして貰ったしな。それにあの変異種の大蜥蜴を倒せる実力者が仲間なら心強いだろ?」
「ん?核色知らねぇの?」
ミックスとゴリガンの話にエレーナが釘を差す。魔物と人では認識が違うのか魔物らが知ってる強さの基準が異なっていた。それなら今後の事も考慮し、ミックスらは魔物の強さの認識をギルド側は人の社会性を教え合うことで協力をしていかないかと持ち掛けられた。リザーナのなにも考えないその場しのぎ行動力を考えるとこちら側が支えないと今後色々と不利になるのは目に見えていた。エレーナもシルビアと店を持ちたいからか即決で了承を出す。
「よっしゃ!ならさっさと草原に行こうぜ!彼処なら野菜兎とか突進猪とか旨い奴いるし、狩りついでにアタシの強さ見せてやるぜ!!」
「確かにエレーナやミックスの底が見えないし、俺も興味があるな…」
エレーナが朝食代わりに狩りするついでに力を見せると言うとゴリガンも興味を示した。リザーナやシルビアはいいとしてルイが興味を示したがサビーヌが城に戻そうと手を引いたが、抵抗する。王女にしてはお転婆の過ぎるがリザーナが懐くのもわかるような気がする。興味のあることには猪突猛進でやりたいように周りを巻き込んでいく所がそっくりだ。結果的に一度、マルセルの元に訪れ、正式な許可を取って認められたら同行してもいいという事になった。マルセルの様子からかなりルイを大事にしていたし、止めるだろうが押しきられると不憫で仕方ない。マルセルに同情しつつ一度城へと足を運んだ。




