ソウル
「どうする。相手の魔術師は2人。遠隔攻撃する方狙うか?」
「いやお前と悠で魔術師と銃手を抑えろ。俺は…」
「エース狙いに行くんだろ。困ったらすぐにスキル使って呼べよ。」
「分かってる。うわっ!相手の遠隔術キモっ。はよ片付けてくれよ。」
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『近いうちにこの世界が"襲撃"される。』
根拠もくそもない適当な予言が世界の科学者達から報告されている。
「なにそれ。意味わかんね。」
今、高校2年生絶賛青春中の男の子蒼空が友人に言った。
「うそぉ。俺は興味ある。クランも入りたいし。」
この襲撃が予測され、政府が取った策は世界の"中,高学生"を対象としたクラン対戦即ち武器を使用し戦い合い自身を強化する組織"ソウル"が立ち上げられた。
『現在ソウルのクランチームが50を越えました。続々と増えるクランチーム。それでもなおトップに居続けるチームに話を聞いて…』
(そんなのはゲームの中だけで十分かなぁ…)
「あのさお願いがあるんやけど」
「なになにそんな改まって」
「俺と一緒にクラン作らね?」
「いやいや今『なにそれ。意味わかんね。』つったとこですよね?面倒事に巻き込むな」
「えぇー。良いと思うけどなぁ。」
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蒼空は昔から頭も運動神経も良かった。何でも出来てしまったが故にいつからか学校も日常もつまらないと感じてしまっていた。
「うーわ。また負けた。この狙撃手ずる」
そんな蒼空に唯一夢中になったことあった。ゲームだ。無量大数とある立ち回り、武器の組み合わせ、仲間とのチームワーク、考えても勝てないような相手、このようなことが今までに無かったからこそ夢中になって出来たんだろう。
「蒼空!ゲーム止めなさい!模試の合計点数もだんだん下がっていってるのに!」
「は?それでも順位は1位。点数なんか496から494になっただけ。なににキレてるんですか?」
(アホが。なんとかゲームを止めさせたいから適当なことを注意する。脳筋で単細胞とか、これだからゴミ親は。
「なに?親に向かってそんな口の聞き方はねぇだろ」
「ちっ。分かったよ。(うわでよ。キモイ父親が)」
無事、超名門高校に入学し、独り暮らし。だが少しずつゲームに没頭する毎日に少し億劫になっていった。
(なんか。ゲームつってもFPSとかしまくったしなぁ。暇な時はニュースぅ!!)
『速報です。"襲撃"に備えた組織ソウルが立ち上げられまし…』
(襲撃かあ…)
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「なあなあ!クラン対戦の限定チケット2枚当たったからさ一緒に見に行こ!」
月曜日の朝から有頂天になった友達が自分に駆け寄ってきた。
「だから意味分からんって言ったとこですよね?昨日ですよ?昨日?」
「まあ付いてこいって!行って損は無い!」
めんどくせぇーー。と言いたげな顔で友人の悠に睨み付ける。
「はぁ…行くだけ行くか」
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