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転生先は悪役令嬢ですのよ!オホホホ! 3

「オホホホ!この子が私の娘のミチルですわ。

私そっくりで可愛いらしいでしょう!」

「オホホホ!」という笑い方はどうやら母からうつったものらしい。

腰に手を当て慣れた様子で高笑いをする母。

私が悪役令嬢ならば母は悪役母様なのかしら。

そんなことを母を見ながら考えていると母が私に早く挨拶をしろと顎でくいっと指して促した。

ハッと意識を戻して「はぁどうもどうも、娘のミチルですわ。」と礼をする。

ポッケに投石しやすい小石が入っていても愛想笑いくらいのマナーは出来ますのよ。

「ねえ?可愛いでしょう?

ちょっとお転婆が過ぎるのだけれど、顔はいいのよ顔は。

なんていったって私の娘ですもの、仲良くなっておいたほうがお互いの為だと思うわ。」

ニンマリと母が悪そうな笑いをするとハナ様は戸惑いながらも頷いた。

「え、ええ。

そうよね、何時何が起きるか分からないもの。

いつ王様が私に飽きてしまうかもわからないし・・・。」

「そうよぉ、今はまだ寵妃だから安全かもしれないけど寵愛を失えば天国から地獄かもしれないのよ。

ましてやあなたは下級貴族の出、きっと他の妃達がここぞとばかりに嫌がらせするわ。

息子じゃなくて娘ならなおのこと後ろ盾は期待できないもの。

もし息子なら期待も出来たのだけどねぇ。」

「そうかしら。」

「そうよぉ、人生なんてなにが起きるか分からないんだから。

まさか、の連続ですもの。

まさかあの人が死ぬなんて、まさかあの人が犯罪を犯すなんて。

ふふふ。もし王妃の子が死んだらば?

そうなれば誰が次の王の座を得られるかなんて誰にも分からないもの。」

「恐ろしいことをいうのね。」

「そんな恐ろしいラブリーハート家の名を後ろ盾として使うのだから

あなたも十分その素質があると思うわ。オホホホ!

見返りは期待しているわよ!」

「・・・わかってるわよ。」


ははーん、なんとなく話が読めてきた。

出されたフルーツタルトを食べながら、ふんふんと事態を飲み込んでいく。

ハナ様は下級貴族の出自ながらも寵妃にまでのし上がったため他の妃達から妬みをかっているらしい。

そりゃそうだろう、自分よりも身分が低い者に望んでいたものを全て取られてしまったのだから。

ましてやここにはライバルとなる同姓は多くても異性はただ一人の王様だけ。

大抵の予想は付く。

前世の私も今の私もこういうドロドロものは大好物、後宮ものも大奥も何でもござれ。

テンプレですね、わかりますよ。

そして母はそんなハナ様を間接的にでも守りたいらしい。

母は悪名高きラブリーハート家の名を盾に使うようだ。

私がハナ様の子と友達になればもし何かあった時に私が堂々と前に出られるし、

もし何事もなくこのままハナの子が成長すれば利用できる。

利害が一致している、さすが母だ。

友人でさえもタダでは助けないところに関心した。

しっかしうめえな、このフルーツタルト。


「おいで。」

「・・・はい、お母様。」

隣の部屋から可愛らしい女の子がしずしずとこちらを覗いた。

金髪にピンクのリボンがよく似合うなぁ。

幼女先輩っすね!チースッ!と心の中で阿保みたいに敬礼をする。

ふわふわの女の子だ~と呑気に見ていた。

「ララ、昨日あなたに言った話を覚えているわね?」

「はい。」

「今日からあなたのお友達になるミチルちゃんよ。仲良くしなさい。」

「・・・・え、ええと」

「ごめんなさいね、ララってば人見知りの上に恥ずかしがりやなのよ。

ほら、ララ。昨日お母様と練習したでしょう?」

「・・・ララです、よろしくね?」


真っ赤な顔を俯かせて握手を求めるララの手をミチルは凝視した。



おいおい!ちょっと待って!

たしかララってあのメンヘラ系の姫様じゃねーの!




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