まだフサフサだったなぁ
冒頭は真面目な感じで始まりますが、ゆる~いギャグ調の物語です
~プロローグ~
~魔法の国カルボ~
この国は王の独裁政治によって成り立っている国カルボ
代々伝わる魔法によって栄えてきた国である
独裁政治と言っても歴代の王たちは国民を第一に考え国民に寄り添いカルボの発展に尽力してきた
国民は王を信頼し政治を一任しているのである
しかし先代の王が病気で急死
この時ばかりは国が混乱に襲われた。信頼していた王の突然の死
もちろんこの事も混乱の一因であるが、一番の要因は次の王になる男、つまり王子が弱冠15歳の青年だったからである
~カルボ王国宮殿国王の間~
「ボールドよ……どうやら父さんはもう駄目のようだゴホッッ!」辺りに王から吐かれた血が散らばった。
「父上! 何を言っているのです!! いつも最後まで諦めるなと教えてくれたのは父上ではないですか!!!」
「ボールドよ……自分の体のことは自分がよう分かるんだ
次の王はお前に託す……頼んだぞこの素晴らしい国カルボを!!!」
最後に力を振り絞り力強い言葉でそう言うと王は眠りにつくように安らかな永遠の眠りについた
「父上!父上ーーー!! 嘘だ!嘘だ!! 目を覚ましてくれ!!」ウワァー!!!
ボールド王子の悲痛な叫びが王宮内に響いた。
この日1日ボールドは泣き崩れた 人目をはばかることなくずっとずっと……
次の日ボールドは国民への演説をするための準備をしていた。
その顔に昨日の泣き崩れた名残はない。立派な王になろうとする決意と覚悟に満ちた顔だった。
「おはようございますボールド王子、いえ失礼いたしました。ボールド王
よくぞ只の1日で立ち直りましたな立派ですぞ」
「おはようジーニアス ああ俺には落ち込んでる暇なんてないからな 早く父上のような立派な王になるんだ!」
「そうですか。ですが、無理は禁物ですぞ焦らず坊っちゃんのペースでやればいいんです」
「おい坊っちゃんて呼ぶの止めろって前から言ってるだろ!
まぁ良いやありがとなジーニアス!」
「これは失礼つい癖でハッハッハ! では演説頑張るんだぞ」
「ああ !王としての初仕事だからな 精一杯頑張るよ❗」
そう力強くいう15歳の青年を見てジーニアスは思った。この男に任せればきっとこの国はさらに良い国になると。
ざわざわ ざわざわ
広大な宮殿の広場には多くの国民が集まっていた そう新たなる王を一目見るためである。
「ボールド王子が王になるなんてまだ15歳なのに大丈夫なのかね」
「なーに! あの立派な元国王の息子なんだきっと大丈夫さ!」
「でも15歳で王になるとは大変だねぇ 可哀想に」
広場には様々な声が響いていた 不安に思うもの、期待するもの
様々な人の思いを前に今演説が始まろうとしていた
「お、王様だー! 王様が出てきたぞー!!!」「王様だ!」「王様ー!」「王様頑張ってくださいー!」
「皆さん!お忙しい中よくぞおいでくださいました!!
私が本日から王の座に付かせていただきますボールドです!!! まだ15歳の若者が王に就任することに不安を感じる方もいるかもしれません。しかし!私は必ず王の責務を果たし、このカルボ王国1人1人の民を思いそして幸せに暮らすことのできる環境を作ることを約束します!!!! 父は国民の皆様に慕われる立派な王でした。私はそんな父を尊敬していました。そんな尊敬する父を……」
この後、王の情熱的な演説は30分続いた。とても15歳とは思えない堂々とした演説に国民の誰もが感心しきっていた
「以上ですありがとうございました!!!」
演説が終わると同時に大きな拍手と歓声が鳴り響いた
「よかったぞー!」「最高でした!!」「期待してるぞー! けど若いんだから無理するなよー!!」「王様かっこいー!」
この演説から5年、カルボ王国は王を中心に団結し平和で穏やかな生活を過ごしていた。
しかし王の頭皮に異変が起きつつあることに未だ誰も気付いていなかったのであった……