第三話「夏」
3夏
学校
01帝「ユーキ聞いたネ!?あのウサギ家と再婚・・むぐうう!」口を手で覆われる
02実都「ばっかレオンちん!!!このことは大声で言っちゃダメって言われたでしょ!!」
03雪「お前らはなんで知ってんだよ」
04玲「たまたま鈴柾先生と宇佐美さんに会いましてその時に。まさか鈴柾先生があの名家である宇佐美家のご出身とは驚きました。」
05鈴柾「こーらなんの話してんだお前ら。」
06純「噂をすれば・・・」
07鈴柾「ああ俺の話ね。俺っていうよりも宇佐美の話か。正直俺は縁切ってるしもう関係ないけど。」
08実都「苗字が違うのはそのせいか?」
09鈴柾「まあそんなとこ。出来の悪い叔父のせいで誠も苦労してんだ、分かってやってくれ。」
10雪「けど結局あいつも琴美さんも家を出たんだろ。俺の親父と結婚するために」
11鈴柾「そうだな。でも誠が宇佐美を継ぐことは決まってる、この件が認めてもらえたのはそういう条件があってのことだからな」
12帝「あのヤロー気に食わないネ。金持ちのくせしてユーキの邪魔しやがる。デートもあいつのせいで失敗したのヨ!」」
13雪「いや・・それはちげぇけど・・」
14鈴柾「白井と喧嘩でもしたか?」
15雪「なんで先生も知ってんだよ!!!」
16玲「雪君、ぶっちゃけ白井さん以外皆知ってますよ。」
17雪「う・・。喧嘩はしてないけどなんか、・・・なんか気まずいっていうか。」
18純「大失敗ってわけでもないんだから大丈夫だよ!次頑張ろ!ほら、イベントはいくらでもあるんだし!」
19雪「そう・・だな」
20華「夏」
21雪「夏」
季節が夏に
22実都「ゆうううきいいい???」
23帝「ユウウウウウキイイイ??」
24雪「・・・・うるさい・・・」
25実都「お前、そうだなっつってから何か月経ったと思ってんだ!」
26帝「もう夏ネ!!!夏休みネ?!?!セミがうっせえくらいに鳴いてるのヨ?!なにぼーっとしてるのネ!!!!???」
27雪「俺も努力はしたっての。けどなんかやっぱり・・」
28実都「そこは行けよ男だろ!!!引くなよ!!!」
29雪「・・・・・。俺ができなかったことを簡単にするんだよあいつ。自然に話したり、どこかに誘ったり、俺が何年かけても素直にできなかったことを簡単に。あいつと華が一緒にいて楽しそうにしてるのみるとなんか・・」
30玲「気持ちはわかりますよ。」
31雪「玲?」
32玲「わかりますが僕はそれを雪君に受け止めて欲しくはありません。白井さんの口から本音を聞くまでは、君も、僕たちも、諦めちゃだめだと思うんですよ。」
33純「玲君の言う通りだと思うよ雪君。今まで雪君は見守る側だったけど、今は見てちゃだめだと思う。華ちゃんとか、宇佐美さんとちゃんと話す時間が必要だよ。」
34雪「俺は・・・華が幸せなら・・・」
35実都「そんな奴いねえよ、かっこつけんな、俺らはお前と白井がくっつくことしか望んでねえの。」
36帝「あのくそ眼鏡を割るまでワタシも戦うネ」
37雪「・・・・・わかった。来週の花火大会、華を誘ってみるよ。」
38純「うん!すっごくいいと思う!」
39玲「来週の分は特に大きな花火が上がるようですしね。」
40帝「花火!ワタシもみたいネ!!」
41雪「じゃあお前らも一緒に」
42実都「ばあか、お前は華と二人でいくんだろうが。ちゃんと伝えてこい」
花火大会の音
43雪「はあ・・!!はあ・・はあ・・・!!・・・くそ・・・!」走っている
回想
44雪「よし、行くか・・・・」
45信之「あれ、でかけるのか?」
46雪「うん。花火大会」
47琴美「雪君も花火大会いくんですね!お友達とかしら?じゃあもしかしたらばったり会うかもしれないですね?」嬉しそうに
48雪「え?・・・会うって誰に」
49信之「ああ・・・、ははっ」微笑ましそうに
50琴美「ふふっ、華ちゃんと誠、二人で見に行ってるんですよ。」微笑ましそうに
51雪「はあ・・はあ・・っはあ・・・!!」
52実都「あれっ雪じゃねえか!お前白井は・・・」
53雪「・・っ、あいつに越された・・っ!!」苦しそうに
54帝「なんだと?!抹殺ネ!!!ボコボコのギッタンギッタン・・もぐもぐ(イカ焼き食べながら)」
55玲「急いで探しましょう、僕たちも手伝います。見付けたら雪君に連絡しますから」
56純「任せて!私と帝ちゃんはこっちを探すね!」
57帝「ガッテン!!」
58実都「じゃあ俺たちはあっちを探そう。雪、ぜってえ見つけるぞ」
59雪「うん、ありがとう・・!」
60雪「・・・・はあ・・・はあ、まずいな・・もうすぐ花火があがる時間のはず・・どこにいるんだ・・・華・・」
携帯の音
61雪「もしもし?」
62純「あ!!雪君わたし!!巽純!!!」
63雪「わかってるよ登録してんだから」少し笑いながら
64純「あ、そうだよね!!それより華ちゃん見つけたよ!!今ひとりみたい・・!チャンスだから早く来て!!地図も一緒に送ったから!!」
65雪「ひとり・・・?わかった、サンキューな!!(電話きる)ここからすぐだな・・・急いで行・・・っぶ!!」人とぶつかる
66誠「すみません!大丈夫ですか?」
67雪「大丈夫です、俺こそ前見てなか・・・・った・・、お前・・・・」
68誠「雪くん、君も来てたんだね。一人?」
69雪「お前こそなんで一人なんだよ。華と来たんだろ」
70誠「そうなんだよ、ちょっとはぐれちゃったみたいで・・・」
71雪「何してんだよ、何かあったらどうすんだ」少し怒っている
72誠「うんそうだね、でも華ちゃんは強いからなあ」
73雪「ああ?!お前華を何だと思ってんだよ!あいつは女なんだぞ?!」
74誠「もちろん分かってるよ。僕は男を好きになる趣味はないからね」
75雪「・・・・・は」
76誠「ねえ、雪君。もし僕が華ちゃんのことを好きになっちゃったら、君はどうする?」
77雪「・・・・そ、んな冗談ふざけ・・」
78誠「訂正するよ。華ちゃんが好きなんだ、僕。」
79雪「な、なんで・・・それを俺に・・」
80誠「君もそうなのかなって思ってたから。前も二人で遊園地いってたみたいだしね。だからこの花火大会もすでに誘われてると思ってたけど・・・、逆に聞くよ。君は華ちゃんのことどう思ってるの?」
81雪「そ・・・れは・・」
82誠「ふっ(少し笑う)、すぐに答えられないんだ?じゃあいいよね。僕がもらっちゃっても」
83雪「お前・・・っ!!!」
84華「雪?」
85雪「華・・・・・」
86華「雪も来てたのか。さっきそこで巽さんと帝さんに会って・・・、どうした?」
87誠「ごめんね華ちゃん待たせちゃって。雪君とばったり会って話してたんだ。雪君はあのお友達と来たんだね。邪魔しちゃ悪いし僕たちはもう行こうか。」
88雪「あ・・・・」
89華「そうだったのか。花火もうすぐ始まるぞ。あのあたりが一番きれいに見えるらしいから雪も早く友達を呼んだ方がいい。」
90誠「じゃあね、雪君」
二人が去る
遠くで花火が鳴っている
91実都「はあ、はあ・・雪!!(走ってくる)・・よかった、おーい雪見つけたぞ!!こっちだ!!!」ほかのみんなを呼ぶ みんなが走ってくる
92玲「はあ、はあ・・どうしてこんなところに・・・。もう花火始まってますよ?」
93帝「もぐもぐもぐ・・・」
94純「・・・華ちゃんには、会えたの・・・?雪君」
95実都「・・・おい雪」
96雪「俺、あいつに言われたんだ。華のことが好きだって・・・・。俺は・・・すぐに言えなかった・・なんで・・・俺、あいつのこと・・・・」
97玲「雪君・・・・」
花火が遠くで鳴り響いている