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『質量のない夢』 作者:ユキネ 様
テーマは『夢』です。夢特有の現実性の薄さを上手く表現した秀作です。
何もない現実
染み渡る不安
重厚と高級に
ひた走る人間
質量のない夢
掴めない右手
曖昧と妄想に
沈みたくなる
質量だけの町
盲信する人間
全ては此だと
金属を鳴らす
右手には質量
何してんだ僕
掴むその前に
思い出す光景
幼き頃の自分
夢に見た自分
何かが違うと
地面に置いた
沈みゆく質量
土に呑まれる
きらきら輝き
土に呑まれる
洗われた感情
思い出した心
無い物を求め
君は前を向く
揺れ動く背景
背後には悲鳴
質量に塗れる
枯れ果てた人間
縛られた人間
重そうな人間
きらきら輝き
土に呑まれる
見る限り綺麗
君は手を振る
彼らは首振り
金属が鳴った