ついに翔の元へ
今回栞ちゃん視点です。
ヒロインにできそう。
「ああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」
そのことを一目見て、理解した瞬間に私は、叫んでいた。
叫び終わると同時に、チャイムが鳴った。
チャイムが目覚ましなったようで、即座に冷静になった。
そして、チャイムの後、連絡事項が放送された。
いつもより音量が大きいのだろうか、翔君の手紙を読んで手足が震えていた人も放送に耳を傾けていた。
『えー、不測の事態が起きてしまい、先生方はその対応に追われており門出式は行えません。ですので、今から放送する内容に生徒の皆さんは従ってください。在校生の皆さんは今すぐ帰ってください。また卒業生とその保護者の方は、集会を行いますので体育館に集まってください。』
職員室で放送を行っているのか、連絡が流れている後ろで、電話のコールが鳴りやまずにいた。
そして、皆は連絡の通りに行動した。
体育館に行くために、前の扉を通って教室を出て行く。
皆無気力で、廊下にいる人は全員が無言だった。
が、私は後ろの扉から教室を出て行く。
そして、流れに逆らうように体育館とは逆の方向に足を進めた。
私に構う人はおらず、誰も私を止めようとせず体育館へと歩いて行く。
今更体育館に行ったとして、卒業生は、先生の説教を受けてお終いだろう。
それと同時に、保護者の常識のない行動について言及して解散になるのだろう。
もしかすると、新堂君と安田君の謝罪もあるかもしれないが。
そんな下らないことに時間を使うんだったら、その時間を使って翔君に会いに行くほうがよっぽどいい。
時間がかかって、翔君が遠くに行ってしまう前に。
もしも間に合うのだったら、三途の川を渡る船に一緒に乗ってしまいたい。
多分させてくれないだろうけど。
さぁ、今すぐ後を追おう。
私は、おぼつかない足取りで調理室に辿り着いた。
扉の鍵はかかっていたが、扉にタックルしたら入れた。
きっと愛の力だろう。
調理室に来たのは簡単な理由がある。
「同じ包丁で、同じ場所を刺して、同じ死に方をすれば、同じ場所にいけるよね。」
調理室には、包丁があるからだ。
そして、私も翔君と同じように立って鳩尾に包丁を突き立てた。
そして、真っ赤に染まりゆく調理室の床を見ながら私の意識は飛んだ。
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「え!?しばらくお休みだと思ったら、また来たの!?」
そんな子供のような声で私は目を覚ました。
目を恐る恐る開けると、そこには、椅子に座っていた女の子がいた。
「可愛い」という言葉はこの子のために作られたんじゃないか、というほど可愛い。
「すいません、ここってどこですか?」
「へ?あ、あぁ。ここの事ね。ゴホン。ここは死後の世界です。」
女の子は、私が声を掛けるとスイッチが入ったように柔らかい口調と表情になった。
まるで女神様のような女の子だ。
「死んだら三途の川だと思っていたのですが、違うんですね。」
「さっきの人と同じことを言うんですね。説明しますと、ここは当たりコースです。」
「さっきの人?」
「聞きたいですか?」
……恥ずかしい。思ったことが口に出ちゃった。
「では、お話ししますね。九地ヶ谷翔さn」
「翔君!?」
「知っているんですか?……ははぁーん。なるほどなるほど。これはこれは。おっと……ここまでとは……。」
恥ずかしい。普通に反応してしまった。
目の前の女神みたいな女の子は、そんな反応をした私の目をじっと見てきた。
一体何をしているのだろう。
女神らしい喋り方が完全に崩れていて、ただの初恋聞いたお母さんみたいな感じになっている。
なんで、途中まで笑顔なのに、途中でドン引きをしているのだろう。
「栞さんの事を調べさせていただきました。」
「えっと、今何を調べたんですか?」
気になったので質問すると、女の子は少し悩んでから話し始めた。
なぜ苦笑いをしているのだろう。
「その、栞さんの記憶を探りまして、その……、翔さんとシていることを想像しt」
「もういいです分かりました分かりましたからそれ以上喋らないでくださいお願いしますさっきから誰かに聞かれているような気がしてならないのでお願いです。早く翔さんの話の続きをお願いしますでないと死後の世界で死にますよ舌を噛み切って死にますよ首を自分で絞めて死にますよ。」
自分でも驚くほど噛まずに喋ることができた。
なんでこの女の子は、私の一番知られたくないことを知っているのだろう。
「えっと、じゃあ、話しますね?翔さんは、世界を救ってもらうために私がその世界へと送り届けました。贈り物を二つほど付けて。」
この女の子の話していることを考えると、「女神みたいな」ではなく、「女神そのもの」な気がしてきた。
というか女神だろう。
翔君の後を追わなきゃ。
翔君に会わなきゃ。
「私もその世界に送ってください。」
私は、女の子に頭を直角に下げていた。
「分かったよ。恋する乙女を応援するのも女神の仕事だしね。希望する力とか物とか、二つまでならなんでもかなえるよ。」
女神ならさっきの口調で話したほうが……とも思ったけど、余計なことを言うのもよしておこう。
まずは確実に翔君に会わなくちゃ。
「私をその世界に送る時、私を翔君の隣に置いてください。」
「いや、そんなことは当然だから安心してもらっていいよ。さ、二つ力なり物なり言ってみて。」
ありがたい。
でもなぁ、特に欲しい物も無いしなぁ。
「翔君の支えになれる力を二つ下さい。」
その言葉を言った後、女神さまは笑った。
「栞ちゃんは賢いなぁ。さぁ、目を瞑って?」
その言葉に従うように私は目を閉じた。
「次に目を開けたら、君は翔君の隣にいるからね。」
「ありがとうございます。女神様。」
そして、意識は薄くなっていった。
「私の名前はリロよ。頑張ってね。」
最後にそう聞こえた。
本当に、ありがとうございます。女神様。
(別に栞ちゃんがヤンデレな訳では)ないです。
ただ翔のことを考えると、一直線になるだけだから。
(栞の能力思いつかなかったから、支える力にしたなんてここに書けない……)




