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単純作業も続ければ楽しくなる

祝!

1週間連続アクセス数0!

 鮭茶漬けを完食した後、することが木を切ることぐらいしかないので、イネラと木を切っている。鮭茶漬けの器と箸は、食べ終わったと同時に消えた。

 便利だか不便だか分からない仕様である。



 剣を横に振って木を切る

 剣を横に振って木を切る

 剣を横に振って木を切る

 剣を横に振って木を切る

 剣を横に振って木を切る

 剣を横に振って木を切る

剣を横に振って木を切る

 剣を横に振って木を切る

 剣を横に振って木を切る

 剣を横に振って木を切る

 剣を横に振って木を切る

 剣を横に振って木を切る

 ……

 ……

 ……

 ……

 ……

 ……

 ……

 剣を横に振って木を切る

 剣を横に振って木を切る

 剣を横に振って木を切る

 剣を横に振って木を切る

 剣を横に振って木を切る

 剣を横に振って木を切る


 

 ……なんか楽しくなってきた気がする。



 ただただ家を中心にした円を、広げるように木を切っていくこと2時間程。

ふと気になり空を見上げると日がほぼ真上まで昇っていた。

 

 何かに目覚めそうだったし、時間も丁度いいようなので昼ごはんにしようと思う。

 

 「イネラ、そろそろ昼ごはんにしよう。」

 「はい。そろそろ疲れてきたのでよかったです。」


 イネラが、笑顔でそう言う。

 そんなに嫌なのかこの作業。



 「何か食べたい物ある?」

 「カケル様の食べたい物が私の食べたいものです。」

 「……そう。分かった。」

 忠誠心が重いなぁ。


 俺も特に何が食いたいとかは無いしなぁ。

 まぁ、朝はあっさりだったし、意外と動いたからがっつりしたものでいいか。

 

 「『ローストビーフ丼二つ』」

 いくらがっつりと言ったって、イネラ女の子だしね。

 油が少ないロースト―ビーフ丼くらいでちょうどいいだろう。


 ローストビーフ丼が、大きめな木の切り株の上に出てきた。

 その切り株の横には、丁度よく腰掛けられる切り株が二つある。

 このためだけにここに生えていたんじゃないのかと錯覚するほどにぴったりだった。


 そんな切り株に座り、向かい合う。


 「頂きます。」

 「いたダきマす。」


 イネラのいただきますはちょっとぎこちない。



 「カケルはま、これほいひいです!」

 俺の食べ方を真似して、口いっぱいにほおばったイネラが、おいしさに目を見開いてから感想を俺に伝えてくる。

 リスみたいでなんか可愛い。

 

 熱々のご飯に、しっかりとタレがかかっていて、作った人の丁寧さを感じた。

 これ誰が作ってんだろう?


 

 

 

 「ごちそう様でした。」

 「ごちそウさまでシた。」


 イネラのごちそう様はちょっとぎこちない。

 

 ごちそう様でしたというと、器と箸は消えた。

 都合良いよなこの辺。

 

 「じゃ、少し休んでからまた木を切ろうか。」

 「はい。」


 食後で幸せそうな表情をしていたイネラだったが、俺の今の一言で真顔になった。

 ……そんなに嫌?


 「じゃ、切った木の回収してくる。」

 俺が椅子から立ち上がってそう言うと、座っていたイネラが、いきなり立ち上がった。

 「私も行きます。」

 「休んでいたほうが良いんじゃないか?」

 「私は、その。カケル様の、傍にいなきゃいけませんから。」

 モジモジしたかと思えば、そんなことを言ってくれた。

 なんだろうこの微妙な空気。

 恥ずかしい。恥ずかしいよこれ。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 微妙な空気になったので、逃げるように木を回収した。

 まぁ逃がしてくれる訳無かったのだが。

 

 結局休憩は無しで木を切り続けた。

 


 そんなこんなで木を切り続けること3時間。

 またなんか楽しくなってきた。


 「そろそろ休憩しませんか?」

 イネラが、俺の袖を掴み上目遣いで聞いてくる。

 「……ん?あ。あぁ、ありがとう。正気に戻れるか戻れないかの瀬戸際だった。そろそろ休憩しよう。」

 「ふー。やっと休めます……。」

 イネラは、地面にペタッと座りため息をついている。

 可愛い。

 

 「そういやイネラ。今、服何着持ってる?」

 イネラの着ているワンピースを見て疑問に思った。

 昨日もこの服を着ていたような。

 「一着しかありません。」

 「分かった。何か欲しい服とかはあるか?」

 「ないですね。私は奴隷ですから服が一着あるだけでいいですよ。」

 今、凄いことを笑顔で言ったよこの子。


 ……好きな服。着せちゃってもいいよね?

 いいよね?

 別に俺だって無欲という訳ではないのだし、イネラは俺の奴隷なんだから好きな服を着せてもいいよね?

 

 という訳で。


 「『イネラの服を制服に』」

 金髪碧眼の女の子の制服姿ってある種、夢の次元だと思う。

 いくら学校でいじめられていたからと言って、女子の制服に興味が無いわけではない。

 

 そして、イネラの服がセーラー服の冬服に変わった。

 

 「ふえっ!?ななななんですか!?この服!?」


 今までで一番感情が表に出たのが、俺に着ている服を変えられた時って。

 

 しかしまぁ、その反応と相まって。

 可愛いにも程がある。


 うちの学校は冬季期間は女子生徒は黒ストッキングを履くことになっているので、イネラも必然的に黒ストッキングを履いている。


 「イネラ、ちょっと言ってもらいたい言葉があるから繰り返してくれ。」

 そして、言ってもらいたい言葉を伝える。


 「は、はい。それだけでいいんですか?」

 「おう。言ってくれ。」


 

 「か、翔君。放課後に、勉強教えてもらっても、いいかな?」



 現実で言われることではないのだろうけれど、言われてみたい言葉のではある。



 この後、メチャクチャ○○○○した。



 なんて冗談は置いておこう。

 ……このまま一緒に寝るのだとすれば、冗談ではなくなるのだろうけれど。


 「ありがとうイネラ。俺の夢が一つ叶った。うん。俺は幸せ者だよ。前世で苦労した甲斐があった。」

 

 「見つけたぞ!あの家を焼け!」

 気付けば、結構離れていた家の方向からそんな野太い声が聞こえてきた。



あれ?今回って木を切ってイネラに制服着せただけじゃね?

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