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「一気にお金持ちになったねぇ」

「でも本当に良いのかい? 山分けだなんて」

「いや、ずっと牢屋に居た俺が貰うのはおかしいだろ。なぁ? ちびっ子」

「ちびっ子言うな」

「じゃあフユ。お前だって相当大変だったろ?」

「ボクは構わない」


 四人は昼間っから飲もうと決めその場ですぐに山分けにし酒を飲み始めた。


「フユちゃん沢山食べようね」

「ん」

「二人は今回の立役者さ。私の分も含めて全部ナツが払うから好きなだけ飲んで食べて大丈夫さ」

「いや喜んで払うけどよ、お前が言うなっつの」

「命の恩人になんてこと言うさ。今後はお前じゃなくアキ様と言うさ」

「こいつ何言ってんだ? 俺、糞エルフ語なんて知らないんだが」

「私もよく知らないさ」

「エルフなのに?」

「古文書とかで残ってる程度さね」

「へー。フユちゃん飲み物どうする? ジュース?」

「ドワーフ殺し」

「えぇ? それお酒じゃない?」

「水みたいなもの。これでドワーフは殺せない。名前に偽り有り」

「へぇ。凄い名前だけどねぇ。僕もそれにしよ」


 魔結晶が高値で売れて合計で約五百万ジェニン、一人百万ジェニンで分けて残りはパーティーとしての必要経費に使おうとシキは考えた。


 この金の第一権利はフユとシキに有り、フユはシキと同行出来れば構わないというスタンスで丸投げ、シキはシキで当座必要な分が有れば十分だし今後四人で行動するにも自分とフユがあまりに多く貰いすぎると不公平感が生まれないかと危惧しそのような判断になったのである。


「あとあの糞女ども四人が奴隷になるのか保釈金慰謝料払うのか知らないが四百万ジェニンは入るだろう。それはそれで分けるってのか? それだってお前等に権利が」

「それは今後のパーティーでの必要経費って事で余った分に追加しとかない? 装備とか食料とか宿代とか食事代とかいろいろそこから払おうよ」


 既にシキはアキにもナツにも敬語を止めている。


「本当に私たちと一緒で良いのかい? シキ君ならきっともっと条件良いパーティー見つかるさ」

「えぇ? もしかして僕とじゃ駄目だったりする?」


 アキの問いかけに危惧していたことを口にする。足手まといだからと遠回しに断られているのだろうかと不安になったのだ。


「ボクはシキさんと一緒に組みたい」

「ありがと、フユちゃん」


 真っ先に声をあげるフユの頭を撫でる。出会った当初から助けてくれてアキやナツを助ける事も嫌がらずに付き合ってくれたフユにシキは感謝の念と親愛の情を抱いていた。ましてや慕ってくれているのが先ほどの抱擁から身に染みており可愛い妹に思えて仕方ない。


「いや、元々私たちを従者にする条件でと思ってたんだけど対等なパーティーメンバーとしてじゃあまり二人にメリット無いかと思ってさ」

「そんなことないよ。信用出来る人かどうかが一番重要でしょ?」


 アキではなくナツに向かって笑いかけるシキ。まさに身を持って信用や信頼の重要性を痛感した身としては頷くしかない。


「アキ、もうそれ位で良いだろ。シキ、俺もアキも絶対にお前らを裏切らないしアキもフユも妹のように、お前は弟の如く守ると誓うぜ」

「いや、そこまで言われれば私も勿論異論はないさ」

「問題無い」

「あのさ、僕、これでも三十一歳なんでアキさんは人族換算で年下って事にして貰うと皆のお兄ちゃんってことになると思うんだ。だから僕のことは皆お兄ちゃんって呼ぶと良いと思うよ?」

「シキ、お前面白いこと言うんだなぁ。さて、乾杯しようぜ!」

「あれ!? 信じてない!?」

「シャバの空気に乾杯!」

「脳筋解放に乾杯ッ」

「新しい出会いに乾杯」

「か、乾杯!」


 まともな台詞はフユのみであったが乾杯の文字通り全員一気に杯を乾かす。


「は……れ?」


 そしてドワーフ殺しを勢いで飲み干したシキは早々にテーブルに突っ伏し寝息を立て始めた。


「ドワーフ殺せずとも人族は一撃必殺さね。何で止めなかったのさ?」

「こんなに弱いと思わず」

「フユはドワーフだろ? お前らドワーフ族以外はこんなん一気飲みしたらそりゃ潰れるっての。しかし、この坊ちゃんはこんな無防備で大丈夫なのか?」

「ちょっと訳ありっぽくてね。基本的に人が好くて警戒心皆無だから私たちで気を付けないとあっという間に男娼か性奴隷にジョブチェンジさ」

「無理矢理手を出したら、殺す」

「お? そんな卑怯な真似しねぇけどフユとは手合わせしてみてえな。ブラックマンティス瞬殺だって?」

「あの位、ナツでもアキでも出来る」

「そうかねぇ。拳だと攻撃力に限界有るしな。それより俺のことはナツ姉って呼べな?」

「私はアキ姉で良いさ。二人とも暴れるのは明日にするように。お互いの実力も解らないと連携出来ないし、シキ君のマジックもナツに体感して貰わないと」

「そだな。フユ、肉食うか肉! がっつり食おうぜ!」

「ん。あとお酒追加」

「おう、店員! ドワーフ殺しもう一杯持って来い!」

「面倒。樽で」

「えっ?」

「マジか!?」


 三人はそれなりに親睦を深めるのであった。



 所持スキル

 【解析】


 所持マジック

【ゴブリン】1/6 ※打撃

【ゴブリン(白)】1/6 ※回復(小)

【バット(黒)】-/- ※傘

【マンティス(黒)】-/- ※斬撃

【メタルイーター】-/- ※斬撃・刺突撃回避UP

【マーマン】-/- ※火炎系魔術ダメージ減

【ゴースト】-/- ※気配削減

【ホーンラット】-/- ※?


**アイテムボックス**

水入り皮袋(五百ml)×90

干し肉(牛肉 百グラム)×91

乾パン(二百グラム)×91

皮袋(空)×9

空き

空き

空き

空き

空き

空き

==整理整頓=

==ゴミ箱==

************


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