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勇者はいってます。  作者: 夢見創
六章目 海原を越えていけ
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アカネと勇者の呪い

 ハクとクロクロそして呂尚はキャビンに集まっていた。


「呂尚、それでアカネと勇者の呪いは解けるのか?」

 ハクが呂尚に問う。


「アカネちゃんのほうは、オレが知っている場所に行って儀式をすれば解けるぜ」

 呂尚は飄々と答える。


「本当か!嘘を言っていたらこの場でシメルぞ!」

 ハクが呂尚を首根っこをつかむ。


「まてまて、お前にシメられたら、オレのようにか弱い男は確実に死ねるわ!」

 三百六十五柱もの神を『(ほう)』じた奴が、か弱いとか・・・


「アカネちゃんの呪いは魔帝の呪いだろ?魔帝の呪いなら前にも解いたことがある」

 ハクは呂尚の首から手をはなし、肩の荷が下りたような笑みを浮かべる。


「よかった」


「勇者の呪いの方はどうですの?」

 クロクロが呂尚ににじり寄る。


「クローディア様、ちょっとその眼帯を触ってもいいかい?」

 呂尚が不思議なことを聞く、クロクロは驚くようにしながらも頷く。


 呂尚がクロクロの左目の眼帯を触ると、眼帯がほんのり光り始める。

「っ・・・」

 クロクロの顔が少し赤らめている。

「左目に聖女の力を貯め続けたのか・・・無茶をするねぇ」

 呂尚が険しい目をしている。

「そんなことまで分かりますの?」

「一応専門家だからね・・・この貯めこんだ力で聖女の奇跡を使おうとしてたのかい?だとすると呪いを解くのには、まだ力が足りないね」

「やはり、そうなのですね」

 クロクロが目を伏せ落胆した表情をする。

「勇者の呪いは神代の呪いだ、生半可な力で解呪しようとしても弾かれ無効化される」

 呂尚は手でを広げ弾けるようなジェスチャーをする。

「クローディア様が聖女の力を貯めていたのは正解だが、これ以上力をため続けるのは危険だな。必要な力が貯まる前にクローディア様が力に耐え切れず暴発する。今でもぎりぎり制御している状態じゃないか?」

 見ぬかれたのか、クロクロが目をそらす。


「力が足りないなら、足してやればいい」

 呂尚は胸元から神鎧のメダルを出す。

「このメダルに封じられている神鎧は、神の力が宿っている。それは君の聖女の力と同質の力だ」

 メダルをコロコロと転がしながら、呂尚は話を続ける。

「このメダルは、世界に十二枚存在する。こいつを全部集めれば足りない力が補える。勇者の復活の際に、クローディア様の貯めこんだ力と十二機の神鎧の力があれば解呪できる・・・はず」

 呂尚は少し言い淀む。これでも確実とは言えないのだろう。

「だが・・・このメダルを集めるのも難問なんだよなぁ・・・聖女をもう一人とかいうよりは現実的なんだが」

 呂尚が渋い顔をする。


 クロクロがアルテミスのメダルを懐から出す。

 ハクもアポローンのメダルを出す。

「呂尚のポセイドーンとグロウのゼウスを合わせると、この場に十枚のメダルがありますわね」

「よく考えると、ピエールさん以外全員メダル持ちだよな?」


「ドラン親方のヘーパイストスはこの船を改造中に見てたが、ミリちゃんとかマオちゃんも持ってんのか?」

 ハクとクロクロが頷く。


「まじかー」

 呂尚は目が点になっていた。




「足りないのは、デーメーテールとヘルメースだけだと?ご都合主義のような展開にこっちが驚くわ!」

 呂尚が頭を抱えている。

 一騎で国を滅ぼせるような代物が、この場に十枚も揃っているのだ。無理もない。


「んじゃまぁ・・・話は早い・・・な、ヘルメースはオレにアテがある。今からそこに向かうが、いいな?」

「こっちは願ったり叶ったりだ、反対する理由がない」

「わらわもそうですわ」

 ハクとクロクロは逡巡する事無く答える。


「でもいいのか、呂尚。着いてきてもらっても?俺達は結構危ない立ち位置になってるんだが」

「オレがいないと解呪の儀式は出来ないし、今のところ何処に行くって目的も無いしな。だいたい勢いで龍王を一緒に倒しちまったし、危ない立場は一緒だ。お前たちにくっついていたほうが、まだ安全だぜ」

 呂尚は、頭をポリポリと掻きながら言う。


「あぁそうだ、ハク。これから行く場所でアカネちゃんの解呪もできるぜ」

「ほ・・・本当か!」

 ハクの顔がぱっと明るくなる。

「ただちょっと厄介なのがいるから、そいつの対処はお前たちにまかせるぞ?」

「アカネとグロウの呪いを解くためなら、なんでもやる。まかせろ」

「おまかせなさいですわ」

 ハクとクロクロの瞳は決意に満ち溢れていた。いわゆる燃えていた。


「おーけーおーけー、それじゃ善は急げだ、さっさと準備して出航するぜ」

 ハク達と呂尚はすぐさま出航の準備にとりかかった。

次から新章。


ついでに可愛いのも出ます。

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