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勇者はいってます。  作者: 夢見創
一章目 人も魔物も人生いろいろかも?
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赤い剣士

今回は戦闘+スプラッタです

挿絵(By みてみん)


 アカネは、森を駆けていた。

 駆け抜ける姿は優雅で美しく、エルフが森の妖精と言われるのも分かる気がする。


 すでに食事用の猪は狩ってある、しっかり血も浴び・・・抜いた。

 まだ皆が起きてくるまでは時間があるので、これからは趣味の時間であった。


 森で一番高い木に登り周りを見渡す、すると何かを発見したらしくニヤリと笑う。


「獲物発見キル」


 視界の先には5体のオーガがいた。

 身長2.8m、体重300kgオーバー。

 普通の剣士であればオーガ1体で5人が必要とされるほど危険な魔物である。

 まだ朝早いせいか、全員ゴロゴロと寝っ転がっている。


 木の上から音もなく飛び降りると、アカネは獲物の居る地点まであっという間に接近する。

 オーガまで10mといったところで一旦停止し、木の陰に隠れる。


 足元から小石を拾い、一体のオーガの額に向けてポイッと投げる。

 狙い違わず小石はオーガに命中し、額をポリポリ掻きながらがムクリとオーガは起き、眠そうな目で周りを見る。

 何の気配も感じない、気のせいかと大きなあくびをして、また寝ようかとするオーガの背後に・・・アカネがいた。

 オーガの背後に音もなく忍び寄っていたアカネは、そのまま後ろから斬血丸でオーガの頸動脈をすっと斬り裂く。

 戦い方が暗殺者にしか見えない。

 オーガにとっては最悪の目覚めであった。


 盛大に血しぶきをあげながら、膝から崩れ落ち、前のめりに倒れ伏す。


 仲間の生暖かい血と匂いで他のオーガも目覚める。

 死んだ仲間を見たオーガ達は、驚きと怒りで即覚醒し騒ぎ始める。

 襲撃者は、もう視界にはいない。


 オーガは唸り声を上げ威嚇しながら、周りを警戒する。


 そのうちの一体のオーガが上を見上げた瞬間、何かが木の上から降ってくる。

 次の瞬間、オーガの硬い額の頭蓋から首の後ろまで、アカネの斬血丸が貫いていた。

 容赦なく脳と脳幹が破壊される。

「ア、イエ?」

 何は起こったのか解らないまま、白目をむき絶命。

 アカネが斬血丸を引き抜きつつ、宙返りをするように飛び退くと、2体目のオーガが力なく倒れ伏す。


 アカネは着地状態から、今度は低い姿勢で滑るように移動し、3体目のオーガの足の腱を斬り裂く。

 バランスを崩したオーガは、あおむけにもんどりうって倒れる。

 すかさず肋骨の隙間に残血丸を滑りこませ心臓を一突きにし、そのまま捻り引き抜く。

 胸に空いた穴から、血が噴水のように噴き出る。


 4体目のオーガが、雄叫びを上げ丸太のように太い棍棒をアカネに向かって振り下ろす。

 一撃でも当たれば、細いアカネの身体はミンチのように潰される程の威力である。


「遅いキル」


 アカネは相手の攻撃に斬血丸の剣筋をカウンター気味合わせ、棍棒を握る腕ごと斬り飛ばす。

 そのまま流れるように、もう一方の腕も上段から斬り落とし、返す刀でオーガの股間から上に向けて真っ二つに斬り裂く。

 男が見たら思わず内股になってしまいそうな、そんな容赦のない攻撃であった。


 最後のオーガは、勝てる相手ではないと解ったのか、何もかも投げ捨てて全力で逃げ出す。

 アカネは残血丸を逆手に持ち替えると、そのまま投擲。

 逃げるオーガの心臓を後ろから正確に射抜く。

 血しぶきをあげながら最後のオーガは倒れ、数度もがき痙攣をした後動かなくなる。


 5体のオーガが全て絶命するまで1分とかかっていないだろう。


「終了キル、キルキルキル」

 返り血を滴らせながら笑う姿は、魔物より魔物に見えた。




 オーガ等の魔物の革や角は素材として高く商店に売れる為、アカネの趣味である魔物狩りは十分に実益をかねていた。

 ただ流石に非力なアカネでは、この死体を持っていくことは出来ない。

 かといって、この狭い場所では神鎧(ギカント)も召喚することも出来ない。


「ハクに運んでもらうしか無いキルね」

 一体300kgを運べる賢者・・・ってなんだろうね。


 とりあえず血を抜く為、オーガの足を丈夫なツタでしばり、岩の重さを使って木に逆さ吊りにする。

 実に、手慣れた作業であった。

 そして、残血丸でオーガの首をスパーンと落とす。

 オーガの首無し死体が5体、木に逆さ吊りになってダバダバと血を垂れ流している、はたから見ると地獄絵図である。

 子供がみたら泣き出すか、気絶するような凄惨な現場であった。


 アカネの至福の時間であった。



 血を・・・浴び・・・血・・・血?????

「いやぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

 森に絹を裂くような悲鳴が響き渡る。

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