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勇者はいってます。  作者: 夢見創
六章目 海原を越えていけ
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怒らせたらダメな人達

 魔王は、檻に設置されたレバーを混乱しながらも倒す。

「イヤ!イヤ!イヤー!」

 魔王、必死である、何回も何回もガチャガチャと倒している。キャラすらも崩壊している。


 檻の中の筒から固定アンカーが何本も射出され、龍の口内に深く突き刺さる。

『おぐぁあ!』

 激痛だったのか、一瞬、龍の檻を咥える力が弱まる。


 その一瞬の隙を見て、魔王は引●天功ばりに檻から脱出した。

 というか、相当いっぱいいっぱいだったのか、緊急脱出装置をつかわず、檻の扉を蹴破り脱出しましたよ、この魔王。


 たしかにあの脱出装置使うほうが、危なそうではあったが。


 空中にくるくると飛び出した魔王は、高速飛翔の魔法を瞬時に展開し、外輪船の方にかっ飛んで戻って来た。

 勢いがつきすぎていたため急には止まれず、ハクとピエールさんがガッチリと受け止める。


『美少女がぁ、にげたぁあああ』


 よほど怖かったのか、魔王の顔は蒼白で、肩でハァハァと息をしている。

 それをクロクロがなだめている。


『お主ら、我が天龍八部衆の一人、龍王と知っていての狼藉かぁ!』

 アンカーによって固定された檻を咥えながら、器用に喋っている。


 ・・・この変態、魔帝の一味だったのかよ。


『だが、その美少女を置いて行くというなら許してやる』


 龍王にとっては、狼藉より美少女優先らしい。

 さすが(へんたい)だ。


 魔王は涙目でブンブンと首を振っている。

 みょうに可愛い。


『その表情・・・萌えぇええええ!』


 萌えぇえええって。

 天龍八部衆という威厳が、地の底・・・いや海底の底にまで落ちていく。

 もしかして、あまりにも変態すぎるから、こんな辺境に左遷されたんじゃないのか?


『よく見ると、黒髪の娘や、そっちの赤髪の娘、ちっちゃなオレンジの髪の娘も、なかなかの美少女ではないか、これは大漁じゃ、うっほほほほははは』


 アオイとクリスティナは見事にスルーされた。

 二人の額に青筋が浮かび上がる。


「殺ろうかぁ」

「殺りましょうね」


 二人は暗いオーラを放ちながら、船の後部にある銛が装着された、ドラン製謎装備に取り付く。

 そして龍をターゲットし、ためらいもなく流れるように銛を発射した。

「「往生せいやぁああああああああ」」

 閃光のように2本の銛が発射され、龍の硬い鱗すら物ともせずぶち抜き、龍の土手っ腹に深く刺さる。

 龍王はあまりの衝撃に大きくのけぞる。


 この威力・・・やはり魔導電磁レールガンの応用品だったようだ。


『ぐぉおおおおおおおお、な、なんじゃこりゃぁあああ』


 腹部を抉られ、形勢不利と感じたのか龍王がのたうちながら、海中に逃げ込もうとする。


 あれ?魔導電磁レールガンと同じ構造なら、アオイは発射できないんじゃね?

「気合」

 そうかぁ、気合かぁって・・・まてやぁああああああああああああああ!

 しかもしれっと第四の壁まで破壊しやがったぞこいつ。


 二人が発射した銛には、丈夫な鎖が繋がっていた。

 そしてその鎖の根本は、やはりドラン製の樽のような謎装置に接続されている。


 やたらドラン製の謎装置が多いな、この船。


 その謎装置にはレバーがついており『龍に銛が刺さったら、このレバーを引け』という説明が、茶目っ気のあるイラスト付きで書いてある。

 こんなところに茶目っ気はいらない。


 アオイとクリスティナは躊躇なくレバーを引いた。


 バチバチッという音とともに、謎装置から電極がとびだし、銛と繋がっている鎖に接触、鎖を伝いながら高電圧、大電流の電撃が龍王へと流れ込んだ。

『あがっがっっっっっっっっがっっっがが』

 逃げようとした龍王が、電流のスパークを放ちながら再び海の上に顔を出す。

 体内に直接大電流を流されたのだ、龍王とはいえ耐えられる物ではない。


 樽の正体は魔導蓄電池であった。・・・もうね。


『き・・・貴様らぁああ・・・』

 龍王は怒り心頭だった。


 だが、アオイとクリスティナはもっと容赦がなかった。

 魔導蓄電池のレバーをしっかり握り、冷めた目で龍王を見ていた。


『あ、やめて、おねがい、あがぁがぁああああがぁあ』

 龍王の体に連続で紫電が走り、その度に龍王は海面をのたちまわっていた。

ガクブル

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