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勇者はいってます。  作者: 夢見創
六章目 海原を越えていけ
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全ての始まり

 ハクは目をこすっていた。

 いくら見なおしても、呂尚の船の左右の側面には大きな水車が付いていた。


 ドランの手により、ガレオン船だったものが魔導動力の外輪船(がいりんせん)になっていた。


「ガハハハハハハ、かっこいいじゃろハク!」

「アーーーウン・・・・ソウダネー」


 時代が何世代かワープしている。

 このままでいくと、ドランの趣味で世界が崩壊する気がする。


 最後尾のマストには帆が付いていなかった。

 マストの先頭部分に巨大なフックが付けられており、そのフックには強固なワイヤーが結びつけられている。

 そのケーブルの根本は巨大なリールに巻きつけられていた。



 端的に表現しよう・・・巨大な釣り竿だった。



 船の前後に二門ずつ取り付けられている装置も、怪しげ全開だった。

 先頭には銛が付けられており、よく見るとその銛はアダマンタインの魔導レールに乗っかっていた。


 ハクは見なかったことにした。


「ドラン、アンタ最高だぜ!」

 呂尚が出来上がった船を見て狂喜乱舞している。

「そうじゃろ、そうじゃろ、俺様は最高じゃろ!」

 ドランも舞い上がっている。


 それを、クロクロとクリスティナ姉妹がジト目で見ている。

 やっぱり姉妹なんだなぁ・・・


 ピエールさんはギャレーでミリと食事の仕込みを始めている。

 こちらは、いつもの日常である。


 アオイは子犬と戦っていた、子犬は一回り大きくなり、動きは更に機敏になっていた。




 アカネはキャビンで臥せっていた。いつもの発作が起きたのだ。

 今までよりも症状が重くなっている。

 光の精霊王のメイとマオが今は看病をしている。


「もう限界に近いかもしれない・・・はやく『太公望』を見つけ出さないと」

 ハクは苦しむアカネの手を握る。








 ・・・4年前




 勇者グロウリオンが倒れ伏している。

 クロクロをかばい、奴の魔法を受けたのだ。

 クロクロがボロボロと涙をこぼしながら必死で回復の奇跡を掛けているが一向に効果がない。

 勇者の体が徐々にどす黒く変色していく。


 勇者の魔法障壁を破り、聖女の奇跡すらも上回る魔力。

 それが、伝説の黒の魔女の力だった。


 黒の魔女は、空中に悠然と座り、薄ら笑いを浮かべながらこちらを見ている。

 魔女の周りには暗く濃い魔力で渦ができている。

 圧倒的な闇の力。

「あらぁん、聖女ちゃんを殺っちゃうつもりだったのにねぇ。まさか勇者ちゃんに当たっちゃうなんてねぇ」

 いたずらが失敗したような、そんな軽い感じであった。


「そんなのアリかよ・・・」

 斬馬刀を支えに立ち上がりながらクルガリオが毒づく。

 クルガリオの体には無数の傷や骨折があり、クルガリオ自体も満身創痍の状態である。

 グロウが倒される?あいつは勇者だぞ?そんなのが信じられるものか!

 クルガリオの心がそう叫んでいた。


 アカネが()を魔女に向けて必死で撃つが、魔女の周りにある魔力の渦に全て弾かれる。

 アカネも目の前で起こったことが信じられないのか、足が震えている。


「黒の魔女・・・本当にいたのかよ」

 ハクは必死で対策を考えるが、あせるばかりで思いつかない。


 絶体絶命の危機だった。

今回から数話にわたり、過去の話です。

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