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勇者はいってます。  作者: 夢見創
六章目 海原を越えていけ
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オシオキ

 魔王は多忙を極めていた。

 ハク達の隙を見ながら、帝都を往復している。

「ナンデ我ガコンナ苦労ヲ・・・」

 げんなりしながら、目の前にいる、クルガリオとクリミナスに愚痴を言う。

 彼ら二人は、どこかへ向かうのか立派な礼服を着ている。


「すまねえな魔王」

 クルガオリオがすまなそうに頭を掻いている。

 クリミナスの方は表情は変わらないが、うやうやしく礼をする。


「それでは魔王殿、お願い致します」


 魔王は転移魔法を展開する。

 いつも使う個人用の魔法ではない。

 砂漠の神殿で見た複数人数を同時に転送する転移魔法である。


「ソレデハ行クゾ」


 三人は光に包まれつぎつぎに消えていく。




 目の前には、赤い山があった。

 巨大な赤竜、竜王ゴウラである。

 彼は、まどろみの中にいるようだった。


 魔王はおもむろに魔法陣を展開する。

「起キロ、ゴウラ」

 そして魔法発動する、無数の火の雨がゴウラに向かって降ってくる。


「あぅがっぁあああがああああああああああ、あっちぃあちいぃい、敵襲?敵襲かぁああああああああああああ!?」

 ゴウラは体中から、もうもうと煙を上げながら飛び起き、キョロキョロと辺りを見回す。


「久シイノ、ゴウラヨ」

 魔王がゴウラに声をかける。


「ま・・・魔王た・・・魔王様!?」

 お前、魔王たんと言いそうになっただろ。


「いつお戻りに!?」

「オ主ラコソ、何ヲヤッテオルノジャ?」


「我らは、魔王様を魔帝の手から取り戻すために・・・って・・・ん?」

 取り戻すべき魔王は目の前にいた。

 巨大な赤竜は首を傾げた。




 四天王は全員、正座をさせられていた。

 人間型のマキラはともかく、人外の他の三人は奇妙な感じになっている。


 魔王は頭を抱えている。

「オ主ラハ、我ガ魔帝ニ捕マッタト思ッテイタノカ」


「そ・・・そうですブーン」

「魔王様を連れ去ることが出来るのは魔帝くらいですので・・・」

「一刻も早く・・・助け出そうと、グルルル」


「ソレデ、魔軍ヲ動カシ、魔帝ニ喧嘩ヲ売ッタト」

 全員が頷く。






「オシオキ・・・」

 電撃が四天王全員の体を容赦なく貫く。

 普通の魔物なら消し炭になる威力だ。


「魔王様のおしおきぃいい」

「ぁああああ、これもいい」

「ぶっぶーーーーーーーん」

「くぅううんくぅうううん」


 電撃の嵐にのたうちながら・・・喜んでないか?こいつら。


「それで・・・魔王さま・・・ハァハァ、後ろの二人の人間は何者ですか?」

 ビクンビクンと体を痙攣させながら、マキラが聞いてくる。

 顔を赤らめんな、ダンディ親父。


「クロノクロス皇国ノ使者、クルガリオ将軍とクリミナス宰相ジャ、オ主ラト同盟ヲ組ミニ来タ」


「人と同盟ですと?ハァハァ」

「聞いたこともないブッブーン」

「人と我らは相容れぬくぅうんくぅうん」


 変態どものせいで、いろいろ台無しである。


「魔王殿、私が事情を話そう。四天王の皆様方、私はクリミナス・クロノクロス、クロノクロス帝国の第一皇子にして宰相を勤める者」

 魔王の前に進み出たクリミナス宰相が、うやうやしく礼をし口を開く。

「単刀直入に申します。魔帝が、全ての国に対し宣戦を布告。そして人も魔族も等しく滅ぼすと宣言しました」


「なんじゃと?」

 痺れから復活したゴウラが、険しい顔をする。


「人と魔族のわだかまりを捨てろとは言わない。今回のみで良い、力を貸してくれないか?」

 クリミナスは深く頭を下げた。


並行で話が進みます。

しかし魔王様が大変すぎる。

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