クロクロ VS 火炎ゴーレム
前衛をハクとアカネへと変更し、魔導棺桶車両をドリルモードに変形させていた、一刻も早くこの地帯を抜けないと体力的にキツい。
しかも奥地に近づくに連れ、さらに温度が上がってきている。
ハク達はヘキが調べてきたルートを猛スビードで駆け抜けている。
現れる魔物は踏み潰すように倒していた。
魔物も災難である。
「まだかぁああ」
「もうすこしー」
「どのくらいい?」
「だからもうすこしだぁあああ」
「あついわぁあああ」
「あついっていうからあつくなるー」
「じゃあさむいさむいさむいあついわぁあああああああああああああああああああああああああ」
だいぶ頭が茹だってきている。会話から漢字すら消滅した。
「きるーきるー」
あ・・・アカネもひらがなになった、これはやばい。
意味不明の会話をしているうちに、かなり広い場所に到着した。
中央になにかが出そうな溶岩だまりがあり、奥には意味深な扉がある、ここがゴールらしい。
となると・・・
中央の溶岩から、予想通り火炎ゴーレムが這い出てきた。
高さは五メートル、溶岩のような黒色の岩で出来ており、全身が高温の炎で包まれていた。
ゴーレムの発する熱で一気に周囲の温度が上がる。
あまりの熱量で息をすることすら苦しい。
「ま”」
今回は喋らないらしい。
数十トンにも達するような質量を持った物体な上に、高温の炎に包まれている為、近接戦闘員がうかつに近づけない。
動きが多少遅いものの、攻撃を一発受けるだけで大ダメージはまぬがれない。
へたに武器で防ぐと武器ごと砕かれる。
ゴーレムは地響きをたてながらハク達に迫ってきていた。
「クロクロとマオさん、やつに水・・・」
ハクがとりあえず水で攻撃してもらおうと指示をしようとした矢先に・・・
バシュン
閃光の後に何かの音が聞こえる。
そして音よりも先にゴーレムの足が砕けている。
足という支えを無くし片膝をつくゴーレム。
音がした方向には、目の据わったクロクロがいた。
手には、ドランから受け取っていた魔導電磁レール銃が握られている。
あ・・・熱暴走してる。
クロクロは流れるように次弾を装填し、ゴーレムの四肢に正確に撃ちこむ。
ガシャコン
バシュン
ガシャコン
バシュン
ガシャコン
バシュン
ガシャコン
バシュン
ガシャコン
バシュン
ガシャコン
バシュン
ガシャコン
バシュン
あまりに早く弾を装填し即撃ち込む為、単発銃の筈なのに、連発式の発射音に聞こえる。
閃光が次々にゴーレムに突き刺さり破壊していく。
クロクロは終始無言である、表情も死んでいる。
弾が尽きた時には、ゴーレムは地に這いつくばっていた。
ゴーレムは悔しそうに顔をあげるものの、四肢は損壊し攻撃どころか身動きも出来ない。
クロクロは最後に大鎌を振りかぶり、ゴーレムの額に書かれていた「emeth」という文字から「e」の文字を削り取る。
文字を「meth(死んだ)」に書き換えられたゴーレムはそのまま動きを停止した。
ゴゴゴゴという音とともに、奥の扉が開く・・・
というか、クロクロの背後にもゴゴゴゴという書き文字が見える。
ぉおおおう・・・・
全員から感嘆と驚愕の声が聴こえる。
「と・・・とりあえず階層主でもな・・・なさそうだし・・・い・・・いいかぁあ・・・」
ハクが言葉をなくしている。
階層主だと思うよ?
扉開いたし・・・
大鎌に優雅に乗ったクロクロはスーッと扉の先へと消えていった。
「ぉあっちゃあああああああああああああああああああああああああ」
一子相伝の暗殺拳の使い手みたいな声がひびいた。
ドランがさっきまで燃えていたゴーレムから、珍しい鉱石を取り出そうとしたらしい。
手をおさえ床をゴロンゴロンと転がっている。
ほっとこう・・・どうせすぐ復活するし。
アオイもあたりを物色していたが、そのうち来るだろう。
二人をほっといて、ハク達はクロクロを追いかけるように次の層へと向かっていった。
クロクロさん・・・流石っす・・・
あ・・・しまったドランの声が神谷明の声で固定された|ω=;)




