確定事項
「これがオアシスにいたリボーンって女性がくれたアイテム?」
ハクがリボーンからもらった古代の文字が書かれた金属の棒を、クリスティナは手のひらの上で転がしながら観察していた。
「やっぱりこれ、鍵か何かだよねぇ。ハクはその古代の神殿に行ってみるの?」
「どうしようかと思っている最中ですね」
ハクは、少し難しい顔をしている。
流石に昨日今日あったばかりの人に勧められた、何があるかも解らない神殿に行くのには躊躇する
「そのリボーンって女性、あのマオっていうピンクの髪の美少女の知り合いなんでしょ?」
「そうらしいですね」
「ならぜひ行ってみるべき!」
何故ぜひなのか?
「だって面白そうじゃん!マオって子、悪い子じゃなさそうだし、その知り合いなんだから大丈夫だよ!」
悪いどころか魔王なんですけどね。
昔からクリスティナは、可愛い物とか美しい物が昔から好きだったなと、ハクは思い出していた。
「私も行くから、行こうぜー!」
クリスティナが妙にワクテカしている。クリスティナさん貴方も行くつもりですか。
「お姉様・・・また勝手な・・・多分危険ですよ?」
クロクロは姉に羽交い締めにされ姉の膝に乗っていた。
静かだったので、まさかいるとは思わなかった。
「私が強いのは知ってるでしょう?だから問題無い無い!」
そう言いながらクリスティナは胸を張った。
同時にキュッとクロクロの首が絞まり、クロクロが苦しそうにしている。
確かにクリスティナは、帝国でも十指に入るほどの戦闘能力がある。
しかも、こんな性格なのに才女という側面もある。
知識と教養の深さは、ハクとクロクロに匹敵するレベルというとんでもなさだ。
性格が少々残念である以外は、ほぼ完璧な姫様なのである。
「ねーねーー行こうよ行こうよー」
完全に駄々こねモードに入った、こうなったクリスティナは半端無く面倒くさい。
「解りましたよ!行きますよ!」
ハクは折れた。
「古代神殿、古代神殿といえばお宝!お宝!お宝!」
アオイは神殿探索に行くと聞き目をキラキラさせている。
「今度はいっぱい斬れるキル?血いっぱい出るキル?」
こっちもいつも通りだ。
「古代神殿、隠されし古代の金属とか燃えるな!」
ドランもいつも通りだし、あんまり相手にすると碌でもないことになるので放置する。
「新兵器が試せるぜ」
おい・・・今なんて言った?
「古代の神殿デース?古代のレシピとかある良いデース」
ピエールさんまで行く気になっている。
ピエールさんいつの間にかパーティの一員のようになってきている。
頼もしい過ぎる戦闘力があるのでありがたい話ではある。
「神殿!楽しいそうかな!行くかな!」
ミリも何故か行く気まんまんだ。
アトラクションか何かと勘違いしてるのかもしれない。
魔王はそもそも神殿行き自体が、自分の知り合いであるリボーンが持ち込んだ話の為、責任を感じて着いて行くつもりでいた。
「リボーン様・・・一体何考エテルノデスカ?」
少し遠い目をする魔王だった。
「とりあえず明日は準備につかって、明後日神殿に向かうことにする。もしかすると攻略に四、五日かかるかもしれないから、そのつもりで」
ハクがそういうと、それぞれ散っていった。
ちなみに、夕食はスパイシーなエスニック料理だった。
ピエールさんは仕入れた香辛料を早速使ってみたらしい。
ちなみに凄く辛い、でも旨い、くそう止まらねぇの料理だった。
メインの肉料理は、パリッと仕上がった鶏肉に、普段は見慣れない香辛料がふんだんにまぶされた物だった。
かじりつくたびに強烈な辛味と、すっと抜けるような爽やかな香り、じゅわっと広がる肉汁の旨味の調和がなんとも言えない。
ピエールさんの料理を初めて食べたクリスティナも絶賛モードである。
「ピエールさん、一生私のために料理をしてくれない?」
なにやらプロポーズじみた事まで言いはじめている。
添えられた野菜スープも、辛味と酸っぱさが絶妙に調和していた。
インディカ米のぱらっとしたライスをこのスープに浸しながら食べると、止まらなくなるほど美味かった。
ハクとドランもさっきから何杯もおかわりをしている。
多分明日のトイレは大変なことになるだろう。
魔王やクロクロも、辛味に少し涙しながら食べている。でも全然箸が止まらない。
アカネも「辛いキルー」とか言いながらもくもくと食べていた。
ミリは慣れているのか多少の辛味は平気っぽかった。もぐもぐうまうましている。
アオイはピエールさんに頼み、さらに辛味を増量してもらっていた。
軽く兵器レベルの辛味になっているはずだが、汗をダラダラ流しながら食べていた。
「辛味は新陳代謝にいいんだよぉ」
とか言っているが、明日の朝が大変なのは確定事項である。
辛いものの食べ過ぎには注意しましょう




