銀色
それから四日後、ハク達は予定より早く砂漠の町イグドラに着いていた
迦楼羅王以降、魔帝の襲撃がない事は不思議ではあったが、旅は順調に進んでいた。
小さい宿屋があったので宿を借り馬車をつなぐと、それぞれ町の散策に出かけていった。
ちなみに、部屋割りはピエールとミリ、魔王とクロクロ、アオイとアカネ、ハクとドランである。
一応ピエールさんたちの部屋を取り囲むように部屋の配置をしている。
まぁ、ピエールさんの戦闘力を考えると、襲ってきた賊のほうが返り討ちになるだろうけど。
ピエールさんは、宿で準備を終えると、早速町中に出かけ、お店や露天商で珍しい食料や香辛料を物色していた。
「オーウこれは辛いデース、ですかこの香りと後から来る旨味がとても良いデース、新しい料理の創作意欲が湧きマース、この種も爽やかな香りが素晴らしいデース」
ミリもピエールさんと一緒に買物を楽しんでいる。
二人の後ろをちまちま歩いている魔王は、珍しい物見るたびに目がキラキラしていた。
そんな魔王を町の人がキラキラした瞳で見ていた。
アオイは化粧品や、アクセサリー、衣料品などを色々見ていた。
時々手にとっては、肌に塗ってみたり、鏡の前で合わせたりしている。
見た目と行動は女の子だった。
男だけど。
ドランは、武器屋とか鍛冶屋とかに突入、離脱を繰り返してる。
時々石を投げられてるが何をやってるのやら。
窃盗行為とかは流石にやっていないだろうが、何かやらかしているのは確かだ。
ハクとクロクロとアカネの三人は、ピエールさん達の後についてぷらぷらと歩いていた。
この程度の規模の町でピエールさんをどうこう出来る人間がいるとは思えず、わりと気楽だった。
なので時々露天やら屋台とかがあると、興味本位に覗いてみたりしていた。
ちなみにピエールさんとハクが一緒に入った屋台は、ピエールさんに料理法を根掘り葉掘り聞かれた挙句に、ハクにある物全てを食いつくされるという波状攻撃をくらい即閉店してた。
そうやって町を散策しているうちに町の中央に位置する広場へとやって来た。
広場にある大きな木の木陰に、美しい銀の髪を持つ女性が立っていた。
全身を白銀の鎧で包み込み、その凛々しい姿は、まるで巨匠の作った彫像のように美しい。
その女性を見たクロクロはクルッと百八十度反転した。
そして、全力で逃げ出した。
「クローディア何故逃げるのよぉおお」
逃げたクロクロを女性が猛烈な勢いで追いかける。
全身鎧を着ているくせにとんでもなく足が早い。
「クリスティナお姉さまこそ、何故にここにいるのですかぁああああああああ」
銀と黒の追いかけっこは、銀のタックルで終了した。
「クリスティナ様、お久しゅうございます」
追いついたハクが丁寧に挨拶をする。
「ハクもおひさしー、アカネもアオイも元気してた?」
クリスティナと呼ばれた女性はとても美しい笑顔で笑った。
クロクロはクリスティナに羽交い締めにされ、それでも必死で逃げ出そうとジタバタしていた。
「離してお姉さま、離してください!」
クロクロの言い分は無視されていた。
彼女の名はクリスティナ・クロノクルス。御年十九歳。
クロクロの異母姉でありクロノクルス皇国の第一皇女。皇位継承順位は第三位。
「クリスティナ様、本当になんでこんな場所にいるのですか?」
二人に追いついたハクは、左のモノクルを触りながら、クリスティナに問いただす。
「お父様に無理やりお見合いをさせられそうになったんで逃げてきたの。だって私の伴侶は自分で見つけるのよ!ということでハク、私の伴侶にならない?」
いたずらっ子のような顔をハクに向ける。
「ご・・・ご冗談を」
ハクが困った顔をする。
「玉の輿だよぉお?やっぱり、アカネちんに操を立ててる?おらおらぁ」
クロクロを羽交い締めにしたまま、ハクの頭をごんごん小突く。
皇家の皇女様なのに、やたら気さくな感じであった。
「いや・・・アカネは、妹のようなものであってですねぇ」
「えー?そうだっけぇ?」
そんな二人と力尽きてプランプラーンとオプション化しているクロクロを見ながら。
「キル?」
当のアカネは?マークだった。
身内がやたら湧くように|ω・)
あれ?最近変態があんまり増えてないぞ?




